「満身創痍」の意味は病気?使い方や例文を紹介!類語や英語も

スポーツ報道などでしばしば「満身創痍で臨む」という表現が使われます。果敢な行動を称えているようでもある「満身創痍」とは、どのような意味なのでしょうか?単純な「病気」の状態も「満身創痍」で表わせるのでしょうか?ここでは具体的な使い方とともに、その意味を解説します。

「満身創痍」の意味とは?

「満身創痍」の読み方は「まんしんそうい」

「満身創痍」は「まんしんそうい」と読みます。

「満身創痍」の意味は「全身傷だらけであること」「非難を受けること」

「満身創痍」の意味はその字が示すとおり、「全身傷だらけであること」が本来の意味でしたが、それが転じて精神的な意味にも使われるようになり、「ひどい非難を受けること」という意味でも使われます。

つまり、「実際の身体の傷」の状態を表す場合と、「精神的な非難」を受けている状態を表す場合という、全く異なる意味があります。

「満身創痍」の意味に「病気で苦しんでいること」も加わった

さらに最近、「満身創痍」の意味に「病気で苦しんでいること」を表す意味が加わり、一般的に使われています。ただし、「病気のみ」で苦しんでいるのではなく、「怪我や病気」で苦しんでいる時や、「病気とそれによる精神的な疲労」で苦しんでいる様子を表す時に使われるのが一般的です。

「満身創痍」の語源は特になく「四字熟語」として成立

「満身創痍」の言葉は、からだ全体の意味の「満身」と、刃物などで受けた傷の意味の「創」と、切り傷の意味の「痍」が一緒になった四字熟語です。特に古典を出典とする故事成語などではありません。

「満身創痍」の使い方と例文

「満身創痍で臨む」はスポーツ報道でよく使われる

特にスポーツ選手の報道などで「満身創痍で臨む(まんしんそういでのぞむ)」や「満身創痍で挑む(まんしんそういでいどむ)」などの使われ方がされることが多いようです。この場合は「からだが傷だらけの厳しい状態」で試合に臨む、あるいは記録に挑戦する、というスポーツ選手として緊迫した状態の中で挑戦してゆく行為を称える意図で使われます。

さらに、スポーツ選手の「満身創痍」という意味の中には「からだの故障」や「病気」、それに伴う「精神的なプレッシャーを負っている状態」などの意味合いも含んで用いられているといえます。

「満身創痍の体」という使い方は間違い

「満身創痍」がすでに「からだ全体が傷だらけ」という意味なので、「満身創痍の体」としてしまうと「からだ全体が傷だらけの体」ということになってしまいます。からだが傷だらけだということを表したい時は、「満身創痍」の言葉だけでよく、「~の体」と付け加える必要はありません。

「満身創痍」の例文

次に、満身創痍の3つの意味ごとに例文を紹介します。

■「全身傷だらけであること」の意味の例文
〇〇選手は満身創痍で大会に臨んだが、見事優勝を勝ち取った。

■「非難を受けること」の意味の例文
〇〇大臣は不要な発言を各方面から厳しく非難され、いまや満身創痍の状態である。

■「病気で苦しんでいること」の意味の例文
満身創痍の状態にもかかわらず、彼は優れた小説を発表し続けた。

「満身創痍」の類語

「疲労困憊」

「疲労困憊」(ひろうこんぱい)とは、「疲れ果てること」という意味です。「満身創痍」は実際に体に傷があって痛々しい様子を表しますが、「疲労困憊」は疲労が重なりからだと心が弱っている状態を表します。

「半死半生」

「半死半生」(はんしはんしょう)とは、「今にも死にそうなこと」という意味です。「満身創痍」よりも危険な状態を表します。

「満身創痍」の対義語

「満身創痍」の対義語を紹介します。

「無病息災」

「無病息災」(むびょうそくさい)とは、「病気をしないこと」という意味です。何事もなく、健康に過ごせるようにという意味で、元旦の願い事などで使われることが多い言葉です。

「平穏無事」

「平穏無事」(へいおんぶじ)とは、「何事もなく穏やかなこと」という意味です。

「満身創痍」の英語

最後に「満身創痍」の英語表現を紹介します。

「からだ全体が傷だらけである」の英語表現はこのような文があります。
having wounds all over one’s body

「彼は満身創痍で競技に出場した」の例文はこのようになります。
He played in the competition while covered all over with injuries.
※スポーツ報道などでは、怪我の総称として「injuries」を使います。外傷については「wounds」を用います。

まとめ

「満身創痍」の言葉が報道で最も使われたのは羽生結弦選手ではないでしょうか。度重なる怪我にも屈せずスケートの大会で戦う姿をたたえて「満身創痍の王者」などとも表現されました。

あきらめない状態を称えるときに使われる「満身創痍」に反して、失言などで批判され、いわば体面に傷がついた状態の人に対してネガティブな意味で使われる「満身創痍」もあります。

いずれにしても、何らかの状態や経緯によって、体や心、あるいは体面が「ぼろぼろな状態」を端的に表す言葉が「満身創痍」であるといえます。凡人の身としては、「平穏無事」な毎日を願いたいところです。