「暗喩」の意味とは?類語・対義語と暗喩表現の例文を5つ紹介

日常で聞くことが少ない「暗喩」という言葉。表現方法の1つなのですが、漢字も日常でよく使うものではありませんので、意味がわからず戸惑う人もいるかもしれません。今回は暗喩の意味と、類語や反意語を解説します。暗喩表現を使った例文も紹介していますので、具体例を見ながら理解しましょう。

「暗喩」の意味とは?

暗喩とは「たとえの形式をとらない比喩」

暗喩とは、比喩の一種で、たとえの形式をとらないものをいいます。比喩とは、ある物事をわかりやすく伝えるために、似ているものを引き合いに出して表現する方法のことをいいます。

例えば、華やかで元気がもらえる笑顔を「ひまわりのような笑顔」や「あの笑顔はひまわりだ」などと表現できます。ひまわりを引き合いに出すことでどのような笑顔なのかをわかりやすく伝えています。

比喩にもいろいろな方法がありますが、「ような」や「如く」という言葉を使うものを「直喩」、使わないものを「暗喩」といいます。例えば、「ひまわりのような笑顔」は「直喩」で、「あの笑顔はひまわりだ」が「暗喩」です。

暗喩の読み方は「あんゆ」

暗喩は「あんゆ」とよみます。「暗」が「あん」で、「喩」は「ゆ」と読みます。「暗」には、「おもてに見えない」「それとなく」という意味があります。

「喩」は訓読みで「たとえ」と読むことができ、何かをたとえることを意味します。直接的ではなく、暗にそれとなくたとえることを、漢字二文字で表したのが「暗喩」です。

暗喩の類語や対義語

暗喩の類語「隠喩」

暗喩と同じ意味の言葉に「隠喩」があります。「いんゆ」と読みます。隠喩もたとえの形式をとらない比喩表現です。暗喩と隠喩の意味には大きな違いがなく、どちらを利用しても問題ありません。

暗喩の類語「メタファー」

「メタファー」は、英語で「metaphor」と書き、日本語訳をすると「暗喩」です。暗喩や隠喩と同じ意味の言葉で、日本語として一般的に使われています。暗喩や隠喩と同じく、意味に大きな違いはありません。

暗喩の対義語「直喩」

暗喩の対義語は「直喩」です。「ちょくゆ」と読みます。暗喩の意味でもお伝えしましたが、比喩には「ような」や「如く」などの言葉を使って物事をたとえる「直喩」と、「ような」や「如く」を使わずに物事をたとえる「暗喩」があります。

暗喩と直喩は、どちらも物事を何かにたとえる表現方法ですが、たとえ方が正反対です。

暗喩の対義語「明喩」

「直喩」と同じ意味の言葉に「明喩」があります。「めいゆ」と読みます。直喩と同じく暗喩の対義語です。「明」には、はっきりしているという意味があります。「明喩」は、「ような」や「如く」を使って、はっきりとした表現でたとえることを表しています。

暗喩を使った例文

  • 鈴木さんは歩く辞書です。

この例文を直喩にすると「鈴木さんは歩く辞書のようです。」となります。一般的に辞書のイメージは、たくさんの情報が載っていてわからないことを調べるとわかるようになる本です。

つまり、鈴木さんはたくさんの情報を知っていて、わからないことを聞くと教えてくれる人だということを、辞書にたとえて表現しています。

  • 失恋は人生のスパイスだ。

一般的にスパイスには、適度な刺激を与えるものというイメージがあります。例えば、スパイスの代表的なものであるこしょうは、料理に少しだけかけて使い、ちょうどよい辛さで料理をおいしくします。

スパイスがなければ物足りない味になりますし、多すぎると刺激が強くなります。この例文では、失恋という辛い状況や心の痛みをスパイスにたとえ、人生に失恋がなければ物足りなくなってしまうし、少しの心の痛みは人生を楽しくするものだ、ということを伝えています。

  • 私と彼の関係は水と油です。

私と彼の関係性を、水と油にたとえている例文です。直喩にすると「私と彼の関係は水と油のようです。」となります。水と油は性質が異なっており、混ぜても混ざり合わないものです。

具体的な様子は前後の文章から推測する必要がありますが、例えばいつも意見が食い違う、話し合いがまとまらない、性格が真逆で仲良くすることができないなどの状態を表しています。

  • 彼女と話すと、いつも心に花が咲く。

この例文を直喩にすると「彼女と話すと、いつも心に花が咲くようだ。」となります。一般的に「花が咲く」は、場面が明るくなったり華やかになるなどポジティブなイメージです。

彼女と話すことによって、気分が明るくなったり、楽しい気持ちになる状況を「心に花が咲く」とたとえています。

  • 「スランプから抜け出せなくて困っています。」「諦めないで。真っ暗に思えても、いつか光が見えますよ。」

この会話では、「真っ暗」と「光が見える」が暗喩です。スランプから抜け出せない状態を、真っ暗な暗闇の中で何も見えず、どちらに進んでいいかわからない様子にたとえています。

また、スランプを脱する解決策やヒントが見つかることを、暗闇の中で光が見えて自分の周りや行き先が見つかることにたとえています。

まとめ

暗喩は、物事をそれとなく別の似ているものにたとえて表現する方法です。使いすぎるとこちらの意図が伝わらなくなることもありますので、多用は避けるなど、使い方に注意が必要です。

しかし、暗喩を使うことで、普通に伝えるよりもわかりやすく伝えられることも多くあります。また、暗喩で上手に物事をたとえている表現は、読んでいるだけで面白みがあり、楽しい気持ちになることも。ぜひ一度、暗喩に挑戦してみてはいかがでしょうか。