「貧すれば鈍する」の意味や使い方は?類語・対義語や英語も解説

「貧すれば鈍する」という表現は、暮らしが思うように楽にならず苦労ばかりを重ね、思考も貧相になってしまう様子に使います。この言葉には「どのような賢い人であっても」と、経済事情が人物像に与える影響の大きさも表しています。

ここでは「貧すれば鈍する」の意味と使い方、類語と対義語、また英語と中国語での表現を併せて紹介します。できるビジネスパーソンの語彙力アップにお役立て下さい。

「貧すれば鈍する」の意味とは?

意味は「どんなに賢い人でも貧乏になると、頭の回転が悪くなる」

「貧すれば鈍する」は「どんなに賢い人でも、生活が貧しくなると思考や知恵が衰え、頭の回転が悪くなってしまう」という意味のことわざです。

貧乏をすると、人は明日の食べ物をどうするか、どうやって生活をしていけばよいのか、というような心配事で頭が埋め尽くされてしまうものです。そのようなマイナス思考で生活を続けていると、次第に知恵や能力が弱くなり、どのような賢い人でも馬鹿なことを考えてしまう、ということを表現しています。

「貧すれば鈍する」の使い方・例文

「貧すれば鈍する」は貧乏な生活により愚かになるさまを表す

「貧すれば鈍する」は、以前は優れた才能を発揮し輝いていた人が貧乏な生活になり、突然愚かな考えをあらわにするような状況の時に使うことがあります。

また「貧すれば鈍する」は「貧すれば鈍す」「貧すりゃ鈍する」というように、多少口調を変えて言うこともあるため、覚えておくと便利でしょう。

「貧すれば鈍する」の例文

  • 貧すれば鈍するで、会社が倒産してから社長はまるで別人のように落ち目となった。
  • 生活が苦しくなり、よからぬアイデアばかりが頭を駆け巡る。貧すれば鈍するか?

「貧すれば鈍する」の類語と対義語

類語は「人貧しければ智短し」「馬痩せて毛流し」

「貧すれば鈍する」と同じような意味を持つことわざは「人貧しければ智短し」「馬痩せて毛流し」「窮すれば鈍する」などがあります。どのことわざも主語は異なりますが「乏しく貧しい状況になると、行動や知恵が貧しくなる様子」を表している点で共通していると言えるでしょう。

また「仇(かたき)の金でもあれば使う」も類語の一つとして考えられます。意味は「本当に困っているときは、使うべきではない仇の金銭ですら手を出してしまう」となり、「人は乏しくなると、考えがあらぬ方向へ行く」というようなニュアンスをもって使われています。貧しさのあまり愚かな行動にでる皮肉さを表した言葉と言えるでしょう。

対義語は貧乏を楽しむことを表す「貧にして楽しむ」

「貧すれば鈍する」は「貧しくなると、心も考え方も貧相になり愚かになること」という意味がありますが、「貧乏を楽しむこと」という意味を持つ「貧にして楽しむ」は対義語と考えられます。

「貧すれば鈍する」の英語表現と中国語表現

「貧すれば鈍する」を英語で言うと「Poverty dull the wit」

「貧すれば鈍する」という意味を持つ表現は英語圏にもあります。英語で言う時は「Poverty dull the wit(貧乏になると知力や理知を鈍らせる)」と直訳する場合と、比喩的な表現を用いた「A light purse makes a heavy heart(お財布が軽いと心臓に悪い=お金がない時は、悪い状況に陥る)」があります。

ネイティブに近い英語にチャレンジするなら、後者の「A light purse makes a heavy heart」を使って「お金がないと心臓も悪くなりそうだよ」というように冗談まじりに会話で使うと会話も弾むかもしれません。

「Poverty dull the wit」はやや硬い表現方法になりますが、文章で書くときや状況が深刻な時に使えば「状況があまり良くない」ということをストレートに伝えることができます。

「貧すれば鈍する」の英語表現を使った例文

「貧すれば鈍する」の英語例文を挙げてみます。

  • He has been jobless for a year and poverty dull his wit already.
    彼はジョブレスの状態が一年も続いたが、すでに貧すれば鈍してしまっている。
  • A light purse makes a heavy heart is one of the situation where I am in at the moment.
    貧すれば鈍するは、まさに私の今の状況を指している。

中国語表現は「人穷志短」

中国語で「貧すれば鈍する」は「人穷志短(rén qióng zhì duǎn)」となります。中国とのビジネスシーンやコミュニケーションの場で上手に使ってみましょう。

まとめ

「貧すれば鈍する」は「貧乏をすると、たとえ賢い人でも愚かになってしまう」という意味のあることわざです。生活が貧しくなると、日々悩み苦労ばかり抱えるようになるため、知恵や考えが愚かになるということを表現しています。

人は誰でも良い時もあれば悪い時もあるでしょう。できることなら、たとえ貧した時でも「落ちるところまで落ちたのだから、気楽に行こう」と考えを切り替えることも大切なのかもしれません。貧しくてもポジティブで新鮮な空気を頭に取り入れて行きたいものですね。