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「凡例」の意味と書き方とは?グラフや図面での使い方と類語も解説

本やグラフ・図表などで「凡例」という言葉を見ることがあります。説明や決まり事などをまとめたものですが、詳しいことはよく知らない人もいるのではないでしょうか。

この記事では「凡例」の意味や例文と併せて、書き方や使い方についても説明します。類語や英語表現も紹介していますので参考にしてください。

「凡例」の意味と読み方とは

凡例とは「書物の巻頭にある説明」という意味

凡例とは、書物の巻頭に設けられた編集方針や約束事などの「説明書き」を意味します。また、グラフや図面においては「要素や使用する記号の定義」を説明したものです。取扱説明書とも表現できるでしょう。

「凡」には「すべて」「全体」、「例」には「同類のもの」「しきたり」という意味があり、全体のルールを定めたものを「凡例」とするようになりました。

「凡例」の正しい読み方は「はんれい」

「凡例」の読み方は「はんれい」です。「凡」は、平凡(へいぼん)や凡庸(ぼんよう)など「ぼん」と読む場合もありますが、「ぼんれい」は間違った読み方のため注意しましょう。

また、「凡」と同じ読み方の「汎」(はん)を使って「汎例」とする表記もよくある誤用です。

「凡例」を使った例文

  • このグラフは「凡例」が表示されておらず、青い折れ線が何を意味するのかわからない
  • まず「凡例」に目を通しておかないと、用語の取り違えが起こるので注意しましょう
  • 「凡例」を参照すると、この辞書に記載された文例の括弧内は省略できることがわかった

「凡例」の書き方や使い方とは

「凡例」の書き方は箇条書きが多い

「凡例」は簡潔にまとめるため、箇条書きを用います。内容が多岐に渡る場合には、適宜見出しを設けてわかりやすく分類しましょう。

また、対象物の理解を進める目的で表記するもののため、書物では「目次の前」グラフや図では「対象に併記」することが一般的です。

グラフの「凡例」は視認性を高める

グラフにおいて「凡例」は、データ系列の「要素」を示すために用いられます。「凡例」を用いることで、そのデータ系列が何を表しているかを一目で判別することが可能です。

エクセルではグラフ化する際、自動的に「凡例」を表示させることができます。よりよいグラフにするためには、「凡例」の位置や大きさを編集して視認性を高めることがポイントです。項目数やグラフ形式によって、見やすい表記方法を検討しましょう。

図面の「凡例」は記号の意味を説明する

建築図面や地図・フローチャートにおいては、細かな説明を図中に行うのは困難です。そこで適宜記号を使用し、その意味を「凡例」として定義・説明します。その図特有の記号がある場合には、凡例で説明することが不可欠です。

また、専門家以外に記号の意味を一覧で解説する目的でも「凡例」を活用できます。量が多い場合には別表としてまとめることが多いです。

書物の「凡例」は方針や約束事を記載

書物における「凡例」は、著述の目的や編集方針、その書物特有の約束事や使い方などを記載したものです。辞書や学術書では表記方法や用語の取扱いなどを定義するために欠かせないものとなっています。

また、引用時に変更した表記についても「凡例」に記載します。例えば、執筆にあたり旧漢字を新漢字に直した場合などです。

「凡例」の類語とは

「凡例」の類語①「ラベル」

「ラベル」とは品名や分類のために貼る紙片や目印のことで、決まり事を示す「凡例」とよく似た使い方をします。

グラフでは項目のタイトルのことを「ラベル」、データ要素の数値の表示を「データラベル」、軸の内容を示したものは「軸ラベル」と呼びます。

「凡例」の類語②「例言」

例言(れいげん)とは、書物巻頭の凡例の言葉や例を挙げて述べることを意味します。書物の冒頭の編集方針や約束事の記載については、「凡例」「例言」のどちらも用いることが可能です。

なお、グラフや図など書物以外に用いる「凡例」は「例言」に言い換えることはできません。

「凡例」の類語③「補足」

「補足」とは不足していることを付け加えて内容を補うことです。難しいことをわかりやすく説明したり齟齬を防いだりなど、理解を進める目的で行います。

「凡例」と異なる点は、説明が不足する場合に随時行うということです。

「凡例」の英語表現とは

「凡例」の英語表現①「explanatory notes」

「explanatory notes」とは、「凡例」「注釈」などの意味を持つ表現で、書物の最初に記載される注意書きや補足の説明文などに用いられます。

「explanatory」は「説明の、解説の」という意味の形容詞、「notes」は「文書」や「短い記録」などを意味する名詞です。

「凡例」の英語表現②「legend」

グラフや図における「凡例」を表す英語表現は「legend」です。説明文やキャプションについても「legend」を用います。

これは、もともと「legend」が「読まれるべきもの」という意味のラテン語だったことによります。転じて、「伝説」や「言い伝え」という意味にも用いられるようになりました。

まとめ

「凡例」は書物やグラフ・図面などにおける説明や決まり事が書かれたものです。「凡例」は、対象の意味をを正しく理解するために欠かせません。また、図やグラフを作成する場合には、読み手がその内容を一見して理解できるよう、適切な「凡例」を作成することが大切です。