「女々しい」とは、主に男性の言動や態度が柔弱で、男らしさがない様子を意味します。日常会話では耳にする機会のある言葉ですが、性別に対する偏見を含んでおり、現代では問題のある表現です。この記事では、「女々しい」の意味や使い方の注意点などを解説します。
「女々しい」の意味とは?
「女々しい」とは心身が柔弱なこと
「女々しい」とは、主に男性に対して心身が柔弱なことを意味する言葉です。弱気であること、意気地がないことなどを批判する際に用いられます。
「女」はその字の通り「女性」を表します。「女」を「め」と読み2回重ねることで女性を蔑視する意味があり、良くない意味で例えている悪言です。男性であるにもかかわらず、女性のように心が弱いという意味になります。
「未練がましい」の意味もある
「女々しい」は、「未練がましい」という意味でも使われます。心の弱い人間が物事を割り切れず引き摺ってしまうことや、情念の激しい人が執着する様子を表します。
例えば、別れた女性のことをいつまでたっても諦められないでいると、「女々しい」と言われるでしょう。
「女々しい」人の特徴
- 優柔不断
- 言い訳や愚痴が多い
- 細かいことに執着する、神経質
- 根に持ちやすい
- 嫉妬心が強い
- 物事を人任せにばかりする
- 臆病
「女々しい」の使い方の注意点と例文
「女々しい」は男性にも女性にも使われる
「女々しい」は、古代ではもともと女性のような振る舞いのことを意味していましたが、平安時代ごろより「女性のように柔弱」などのように、批判的な意味で使われるようになりました。
近年では男性だけでなく、女性に対しても「女々しい」を使うこともあります。女性に使う場合も批判的であることは変わりません。褒め言葉である「女らしい」とは正反対の意味になります。
差別的なジェンダー表現になるため注意
「女々しい」は性別に対する偏見が含まれた言葉です。女性を蔑視する差別的な表現のため、今日では放送やメディアでの使用が自粛されています。
日常で耳にする言葉ではありますが、対象者だけでなくその場にいる人に不快感を与えることもあり、基本的にはあまり使わないほうが良い悪言であることを覚えておきましょう。
「女々しい」を使った例文
- そんな女々しいことばかり言っていると、誰からも相手にされなくなってしまうので止めたほうが良い。
- 何度も昔のことを蒸し返すなんて、女々しい奴だ。
- 女々しい男を彼氏にすると、頼りなくて先々苦労することが目に見えているよ。
「女々しい」の類語・対義語と使い方
類義語は「不甲斐ない」「小心」
女々しいの類義語には、「不甲斐ない」や「小心」などが挙げられます。
「不甲斐ない」(ふがいない)は、意気地や根性がないこと、情けないことなどを意味する言葉です。ネガティブな意味ですが、他人に対してのみならず自分に対しても使用できます。
「小心」とは、勇気がなくびくびくすることを意味します。ものごとに対して自信がなく消極的であったり、心配し過ぎたりすることを指す表現です。
対義語は「雄々しい」「猛々しい」
女々しいの対義語は、男らしいさまや凛々しさを意味する「雄々しい」(おおしい)や、強く勇ましいさまを意味する「猛々しい」(たけだけしい)などが当てはまります。
「雄々しい」は男性にも女性にも、比較的良い意味で使われる表現です。しかし、「猛々しい」は「盗人猛々しい」のように、図々しいという意味で使う場面が多くなっているため、発言の意図が通じないおそれもあります。男らしいことを言い表すには、「雄々しい」のほうが適しているでしょう。
「女々しい」の英語表現
女々しいは英語で「sissy」
女々しいを意味する英語表現には、「sissy」や「effeminate」などが挙げられます。
「sissy」は姉妹を意味する「sister」が変化した語で、女性のように柔弱であるという意味です。「effeminate」は、外へを意味する接頭辞「ef」に女性を表す「feminine」、形容詞接尾辞「ate」からなる語で、男性に対してのみ使用されます。
どちらも、日本語と同様に蔑視的な意味で用いる表現のため、使用シーンには注意しましょう。
女々しいの英語表現を使った例文
- I can’t believe he would say such a sissy thing!
(彼がそんな女々しいことを言うなんて信じられない!) - It’s not effeminate to always wear sunscreen. We should use to protect the skin from UV rays.
(いつも日焼け止めを塗るのは、女々しいことではない。紫外線から肌を守るために使用すべきだ。)
まとめ
「女々しい」は主に女性のような考え方や言動をする男性に対して批判的な意味で使いますが、女性に対しても同様の意味で使われることがあります。悪言であるだけでなく、性別についての偏見を含んだジェンダー上問題がある表現のため、注意が必要です。