「貧乏暇なし」の本当の意味とは?使い方や類義語・対義語も解説

「貧乏暇なし」の意味・語源とは

「貧乏暇なし」の意味は「貧しいと働き通しでゆとりがない」こと

「貧乏暇なし」とは、「貧しいと生活に追われて働き通しで、他のことをする時間のゆとりがない」ことを意味することわざです。貧乏になってしまうと、生活の収入を得るために朝から晩まで働いて仕事以外のことをする余裕がない、ということを表します。

「貧乏暇なし」の語源は、江戸いろはかるた

「貧乏暇なし」は江戸いろはかるたの一つです。いろはかるたは「いろはにほへと~」で始まる48文字を頭文字とすることわざを集めたものであり、京都で作られた後に江戸に広がったといわれています。「貧乏暇なし」は、その江戸いろはかるたの「ひ」のことわざに該当することわざです。

「貧乏暇なし」の使い方と例文

「貧乏暇なし」は忙しさを伝えるときに使う

「貧乏暇なし」は、仕事の忙しさを表す表現として使われます。職場や仕事仲間など、仕事に関する会話の中で用いられることが多いでしょう。

仕事に追われて忙しい状態であると伝える意図で使われるため、誘いや依頼に対し、時間をつくれないと断る場合の言い訳としてもしばしば用いられます。

「貧乏暇なし」は謙遜言葉としても使われる

「貧乏暇なし」は謙遜する言葉としても多用されています。日本には、謙虚な態度や振る舞いを重視する文化があります。会話の中でも、自分を相手よりも低い立場にして返答するような傾向があるでしょう。
「たくさん稼いでいてすごいですね」などと褒められた際にも、実際には貧乏ではなくても「いいえ、貧乏暇なしなんですよ」というように謙虚な態度を示す際の返し方としても使われています。

「貧乏暇なし」の例文

例文
●貧乏暇なしで、毎日仕事に追われる日々を過ごしている。
●毎日の残業や休日出勤に加え、家にも持ち帰って仕事しているのに貯金は増えず、まさに貧乏暇なしという言葉が相応しい。
●たまには休みをとって1泊でも家族と旅行に行きたいとも思うが、貧乏暇なしというやつだ。

「貧乏暇なし」の類義語・対義語とは

「貧乏暇なし」に類義語はない

「貧乏暇なし」にぴったりと当てはまる類義語はありません。仕事に関する言葉であるため、使う場面はビジネスシーンや仕事に関する会話の中で用いられると考えられます。「忙しい」「時間がない」「働きづめ」などと言い換えることはできるでしょう。

「貧乏暇なし」に対義語もない

「貧乏暇なし」には、明確な対義語も存在しないと言えます。言葉の組み合わせから「金持ち暇あり」と推定することはできますが、ことわざとして「金持ち暇あり」という言葉はありません。

対義語に近いものとして「稼ぐに追いつく貧乏なし(常に努力して働けば、貧乏に苦しむことはない)」ということわざがあります。同じような意味にとらえられますが、「稼ぐに追いつく貧乏なし」は、「精進して働いた人は→貧乏にはならない」という意味です。「貧乏な人は→暇がない」という意味の「貧乏暇なし」とは異なるといえるでしょう。

「貧乏暇なし」は嘘か本当か

「貧乏暇なし」は、昔は本当

「貧乏暇なし」は江戸時代にできたいろはかるたで使用されていた言葉です。使い方として「貧乏暇なし魚売り」や「貧乏暇なし砂利かつぎ」という表現があり、魚売りや砂利かつぎという職業が、どんなにたくさん働いても貧乏が続く様子がうかがえます。
貧乏になってしまうと、どんなに働いてもなかなかそこから抜け出せなかったり、職業を変えるのが難しい状況があったのでしょう。

現在は「貧乏暇なし」だけではなく「金持ちも暇なし」

「貧乏暇なし」という言葉から金持ちには暇があるというイメージが湧きますが、実際にはたくさん稼いでいるビジネスマンで、暇を持て余して過ごしている人は少ないといえます。

貧乏になると、生活収入を得るために毎日休みなく働く必要があります。これは金持ちであっても同様で、一度手に入れた生活の状態を保つために常に仕事のことを考え忙しく行動しいている人が大多数ではないでしょうか。現在は「貧乏暇なし」だけではなく「金持ちも暇なし」といえるでしょう。

「貧乏暇なし」の英語表現

「貧乏暇なし」の英語表現には「No rest for the wicked.(悪人には休息はない)」があります。これは「悪者には平安がない」という、聖書の一節に由来した言い回しです。日常会話の中でも、冗談めかした表現として用いられています。

例文
「You are working hard.(ハードに働いてるね)」
「No rest for the wicked.(貧乏暇なしだよ)」

まとめ

「貧乏暇なし」は「貧乏だと働き通しでゆとりがない」を意味することわざです。本来であれば働けば働くほど収入も増えるわけですが、「貧乏暇なし」というのは働いても生活費に追われている状態と捉えられます。現在の状況を抜け出し、将来余裕を持てるように、時間をつくって努力や行動をしようという言葉として受け止めるのも良いでしょう。