「垣根」の意味は?種類やよく使う植物と「垣根を越える」の表現も

「垣根」には、敷地を限るためのものという意味以外にも、いくつかの意味があります。今回は「垣根」の3つの意味のほか、類語や慣用句、英語表現も解説。「垣根」と「生垣」の違いや、「生垣」によく使われる植物、「竹垣」の種類などもご紹介します。

「垣根」の意味とは

垣根の意味①「敷地を限るために設ける囲い・仕切り」

「垣根」には、「敷地を限るために設ける囲い・仕切り」という意味があります。一般的には、木を植えたり竹を編んだ垣を指します。

例文

垣根のマサキの木を業者に剪定してもらった。

垣根の意味②「垣の根元」

「垣根」には「垣の根元」という意味もあります。垣と地面の接する辺りのことをさして使われます。

例文

隣の家の猫が垣根から顔を出した。

垣根の意味③「間を隔てるもの」

「垣根」にはほかに「間を隔てるもの」という意味もあります。人と人の心を隔てることを表す「心の垣根」、隔たりを越えることを表した「垣根を越える」のように使われます。

例文
  • 彼女とはいつになったら垣根を越えてわかり合えるのだろうか。
  • 国の垣根を越えて、この活動が広がることを祈る。

「垣根」を使った慣用句

「垣根」の慣用句「垣根越し」

「垣根」の慣用句「垣根越し」は、垣根を挟んで物事が行われることを指す言葉で、かきごしとも言います。

例文

隣人は垣根越しに私に呼びかけた。

「垣根」の慣用句「垣根続き」

「垣根続き」には、垣根が長く続いていることや、その垣根を指す「垣根」の慣用句。垣根を隔てて隣り合っている様子や、隣家を指す意味としても使われます。

例文

垣根続きの家の住人は、朝早くに出かけていった。

「垣根」の類語と違い

「垣根」の類語「柵」

「垣根」の類語「柵」には、「丸太や金属の棒などを間隔をあけて立て、そこに横木を渡して作った囲い」という意味があります。また、「木を立てて並べて作った小規模の防壁・砦」という意味もあります。

「垣根」の類語「塀」

「垣根」の類語「塀」の意味は、「用心や目隠しのために家や敷地の境界に立てた障壁」です。板や土、ブロックなど、材質は様々あります。

「垣根」と「生垣」の違い

「垣根」と「生垣」は、同じような意味で使われることが多くありますが、それぞれ違いがあります。

「垣根」は「敷地を限るために設ける囲い・仕切り」全般を指し、材質は竹やフェンス、土壁などさまざまです。「生垣」は丈の低い樹木を並べて植えて作った垣根を意味し、「垣根」のなかのひとつとされています。

「垣根」の種類とよく使う植物

「生垣」によく使われる植物の種類

囲いや仕切りとしての「垣根」には、様々な種類があります。なかでも多くみられるのが「生垣」と「竹垣」です。

「生垣」は、先に述べた通り「丈の低い樹木を並べて植えて作った垣根」です。「生垣」によく使われる植物には、以下のものがあります。

「生垣」によく使う植物
  • イヌツゲ
    昔からよく日本庭園に使われてきたポピュラーな樹木です。小さな葉が密生し、青々とした見た目で、剪定などの刈り込みにも強いため初心者でも比較的簡単に剪定ができます。
  • レッドロビン
    赤い葉が楽しめる常緑樹。洋風の雰囲気が出せる生垣として人気です。樹勢が強いため、剪定作業が多く必要になります。
  • イヌマキ
    日陰にも強く丈夫な樹木。細長い尖った葉が特徴で、スタイリッシュな印象の生垣が作れます。寒さに弱いため、関東以西の暖かい地域への植栽に向いています。

「竹垣」の種類と作り方

「竹垣」とは「竹で編んだ垣根」のことです。「竹垣」には天然素材が用いられる場合と、人工素材が用いられる場合があります。

「竹垣」には、竹と竹の間に隙間を開け、向こう側が見えるようにして庭の仕切りの役割を持つ「透かし垣」と、それとは逆に向こう側が見えないようにし、目隠しとしての役割を持つ「遮蔽垣」があります。

「透かし垣」の一般的な種類には、以下のものがあります。

「竹垣」の種類
  • 四ツ目垣(よつめがき)
    竹垣の基礎となる仕切り垣。丸太でできた柱の間を竹が縦横の方形になるよう組みます。茶庭に欠かせない竹垣といわれ、庭の中門の周囲や通路の仕切りとして多く用いられます。
  • 金閣寺垣(きんかくじがき)
    通路や庭の境目など、小さな庭の装飾として使われることが多い背の低い竹垣。四角い格子を組んだ垣根の上部に半分に割った竹を掛けます。
  • 龍安寺垣(りょうあんじがき)
    二重にした割竹を組子にし、菱形格子を組み入れた竹垣。背が低く足元垣を代表する竹垣です。

「垣根」の英語表現

「垣根」は英語で「fence」「hedge」

「垣根」は、英語で「fence」や「hedge」と表現します。

「fence」は木材や金属などで作った「垣根」を表現する際に使われ、「生垣」の場合は「hedge」が使われます。

「垣根」の英語表現を使った例文

  • She jumped over the hedge.
    (彼女は垣根を飛び越えた)
  • Good fences make good neighbors.
    (良い垣根は良い隣人をつくる ことわざ:親しき仲にも礼儀あり)

まとめ

「垣根」には「敷地を限るために設ける囲い・仕切り」としての意味のほか、「垣の根元」「間を隔てるもの」という3つの意味があります。「囲いや仕切り」としての「垣根」には「生垣」や「竹垣」など、様々な種類があります。