「コンフリクト」の意味とは?マネジメントやGit解消も簡単に解説

ビジネスやITの分野でよく耳にするようになった「コンフリクト」ですが、各分野でどのような意味があるのでしょうか。この記事では「コンフリクト」の意味や使い方をはじめ、「コンフリクトマネジメント」やGit(ギット)における「コンフリクト」についても簡単に解説します。

コンフリクトとはどんな意味?

コンフリクトとは「衝突・論争・対立」という意味

コンフリクトとは、英語「conflict」が由来のカタカナ語です。「衝突」や「論争」「対立」などの意味があります。相反する意見や要求、態度を互いに譲らず、緊張状態が起こっていることを指します。

ビジネスにおけるコンフリクトとは「意見の衝突」

ビジネスにおける「コンフリクト」とは、異なる意見や感情、要求などから起こる衝突や対立を指します。

さまざまな人が集まる企業や組織では、それぞれが違った意見を持ち立場や価値観も違います。コンフリクトが起こるのは当然と言えるでしょう。

「福祉」「看護」でコンフリクトが生じることも

福祉施設を新設する際に、その地域の強力な反対に遭って計画が頓挫したり、大きな変更を余儀なくされたりすることを「施設コンフリクト」と言います。

施設コンフリクトが起こる背景には、障害者への偏見や差別意識などがあるとされています。施設の必要性は理解しつつも、自分の地域にあってほしくないといった心理が原因のひとつと言えるでしょう。

また、医療や看護の分野でもコンフリクトが生じることがあります。治療の方針や結果が受け入れられない、という場合に生じやすいです。

Gitにおけるコンフリクトとは?

コンフリクトとは「コードの優先順位がわからない状態」

WEB業界で業務効率化のために活用されているGit(ギット)とは、分散型バージョンシステムのことです。簡単に言うと、ファイルをアップデートしたり更新したりする際に変化するバージョンの管理が容易にできるツールです。

Gitにおける「コンフリクト」とは、複数の人が同じ箇所の変更を行った際に、どのコードを優先すべきかわからなくなっている状態を指します。同じ箇所を複数人が変更したことによるエラーのような状態です。

Gitにおける「コンフリクト」の解決方法

Gitのコンフリクトを解消するためには、コンフリクトが起きている箇所を理想の形に整える必要があります。無駄な部分を削り、目標としているコードに整えることでコンフリクトは解消できます。

コンフリクトを起こさないためには、複数人で同一ファイルを編集しないようにすることと、ファイルを常に最新の状態に保つことが重要です。

心理学におけるコンフリクトとは?

心理学における「コンフリクト」は3種類

心理学における「コンフリクト(葛藤)」とは、欲求(動因)を満たすための目標(誘因)が複数あり、どれを選択すべきか迷って行動を起こせない状態を指します。

アメリカの心理学者クルト・レヴィンは、心理学のコンフリクトには3種類あると定義しました。

①「接近-接近」のコンフリクト

ほぼ同程度の魅力がある2つの目標がある場合に、どちらを選ぶか迷って行動が起こせなくなる状態を「接近-接近」のコンフリクト、または「接近ー接近」型と言います。例えば、レストランを選ぶ際に中華料理にするかイタリア料理にするか、というような場合です。

「接近-接近」のコンフリクトを解消するためには、より魅力的な方を選びます。選んだ方の良い点を強調したり、選ばなかった方の欠点を挙げたりして合理化を図ろうとする心理が働きます。

②「回避-回避」のコンフリクト

「回避-回避」のコンフリクト、「回避-回避」型はほぼ同程度の不快感を持つ2つの目標がある場合に、どちらから逃げるか迷い行動を起こせなくなる状態を指します。例えば、宿題をやりたくないが、先生から起こられるのも嫌だ、というような場合です。

「回避-回避」のコンフリクトでは、両方に近づかないよう離れた中間地点で行動を停止します。それすら困難な場合には、物理的な逃避や心身の不調を起こすなど、そのシーン自体からの逃避もあります。

③「接近-回避」のコンフリクト

「接近-回避」のコンフリクト(「接近-回避」型)は、魅力的な部分とそうでない部分を持つ1つの目標がある場合に、近づくか遠ざかるか迷い、行動を起こせなくなる状態です。例えば、仕事の内容は嫌いだけれど、給料は良いというような場合です。

仕事はやめたいが給料のためにはやめられない、という状態が続くことになります。

コンフリクトマネジメントとは?

コンフリクトマネジメントとは「企業を成長させる取り組み」

ビジネスにおけるコンフリクトを解消し、職場を円滑に成長させるための取り組みを「コンフリクトマネジメント」と言います。「コンフリクトマネジメント」を行うことにより、職場の風通しが良くなり、新しい考えが生まれやすくなるなどのメリットがあります。

人が集まればコンフリクトが生じることは避けられませんが、コンフリクトを解消することで立場や意見が違う人への理解が深まり、多角的な視点を持つきっかけになります。

「コンフリクトマネジメント」によって、発言しやすく互いに競い合える環境は、仕事への意欲も高めます。「コンフリクト」は成長するための機会と捉え、ポジティブに対応していきましょう。

「コンフリクトマネジメント」の3つのポイント

コンフリクトマネジメントには、3つのポイントがあります。

1つ目のポイントは「コンフリクトの原因を明確にすること」です。対立の原因を「人」にしてしまうと、人間性を否定されたと認識してしまうことがあります。感情的になって議論が難しくなるため、人間性を尊重し「何」が原因かを見極めましょう。

2つ目は「コンフリクトは早急に解消すること」です。長期化すれば人間関係の悪化を招き、より感情的になってしまいます。最悪な事態を回避するため、コンフリクトは早急に解消しましょう。

最後に「コンフリクトに対する考え方を変えること」です。コンフリクトはネガティブなものではなく、組織として成長できるポジティブなものと捉えて冷静に対処しましょう。

「コンフリクトマネジメント」のポイント
  1. コンフリクトの原因を明確にする
  2. コンフリクトは早急に解消する
  3. コンフリクトはポジティブなものとして捉える

まとめ

コンフリクトとは「衝突・論争・対立」という意味です。福祉や看護の分野では施設と地域間、医師と患者間で「コンフリクト」が生じる場合もあります。

そのほか、プログラムソースに関連するGitの「コンフリクト」、ビジネスにおける「コンフリクトマネジメント」など複数の使い方があります。コンフリクトを解消する際は「人」を原因にするのではなく、環境や仕組みに目を向けると企業の成長につながるでしょう。