「厳しい」の言い換えとは?ビジネスで使えるポジティブ表現

「厳しい」という言葉は、ビジネスシーンをはじめ様々な場面で使われますが、時にネガティブに受け取られることがあります。「厳しい」の一般的な言い換え表現はもちろん、ポジティブに聞こえて摩擦を生まない言い換え表現や、カタカナ語への言い換え表現を解説します。

「厳しい」の意味とは

「厳しい」の意味は「厳格で少しの緩みも許さない様子」

「厳しい」には「厳格で少しの緩みも許さない様子」「厳重である」「いい加減な対処が許されない様子」「困難が多くて大変な様子」「自然現象の程度が著しい様子」「物事の状態が緊張、緊迫している様子」「隙間がなく密である」「並外れているとして呆れ、また、感心する様子」「たいしたことだ」という意味があります。

「厳しい練習」「生活が厳しい」「厳しい山道」「寒さが厳しい」「国際情勢が厳しい」などのように使用します。

「厳しい」を英語に言い換えると「strict」

「厳しい」を英語に言い換える際、性格や人に対する扱いが「厳しい」という場合には「strict」を使って表現します。

  • That teacher is very strict.(その先生はとても厳しい)

「厳しい」状況や状態を表す場合に使われるのが「tough」や「tight」です。

  • It’s a tough situation.(厳しい状況です)
  • The schedule was very tight.(スケジュールが厳しかった)

「厳しい」の言い換え表現とは

「厳正(げんせい)」

「厳正(げんせい)」の意味は「基準を厳格に守り公正に行うこと、また、その様子」です。「厳しい」の「厳格で少しの緩みも許さない様子」の意味の言い換えとして使えます。

「審査員により厳しく判定された」なら「審査員により厳正に判定された」と言い換えることができます。

「過酷(かこく)」

「過酷(かこく)」には「厳しすぎる様子」「酷すぎる様子」という意味があります。血も涙もないと思えるほど厳しく惨い状況を指して使います。

「彼には非常に厳しい試練となるだろう」のような場合には「非常に厳しい」を「過酷な」と言い換えて「彼には過酷な試練となるだろう」とすることが可能です。

ビジネスで使える「厳しい」のポジティブな言い換えとは

「責任感がある」

ビジネスシーンをはじめ、相手の性格について話す際に「厳しい性格」と言ってしまうと、ネガティブな意味で受け取られてしまう場合があります。人間関係をスムーズにするためにも、ポジティブな言い換え表現を知っておきましょう。

「厳しい」のポジティブな言い換え表現のひとつが「責任感がある」です。「責任感」は自分の仕事ややるべきことに対し、責任を持って最後までやり遂げようとする気持ちのことをいいます。責任感があるがゆえに、妥協を許さなかったり言葉や態度が厳しくなってしまったりすることもあるでしょう。

責任感があることは、ビジネスにおいてとても重要なことでもあるので「厳しい」のポジティブな言い換え表現として「責任感がある」が使えます。

「彼は仕事に厳しい人です」のような場合「彼は仕事への責任感があります」と言い換えが可能です。

「正義感が強い」

「正義感が強い」も「厳しい」のポジティブな言い換え表現です。「正義感」とは「不正を憎み正義を尊ぶ気持ち」のこと。不正を許さないという気持ちが厳しい言葉や態度に表れます。

「彼女は不正に厳しいから、ミスを隠そうとした彼のことを許さないだろう」なら「彼女は正義感が強いから、ミスを隠そうとした彼のことを許さないだろう」と言い換えられます。

「自分に自信がある」

「厳しい」態度の裏側には、自分への自信がある場合があります。そのため「自分に自信がある」も「厳しい」のポジティブな言い換え表現として使えます。

「彼女が仕事に求める合格水準は厳しい」という場合「彼女は自分の仕事に自信があるので、他者にも同じような水準を求めている」のように言い換えることができます。

「厳しい」のカタカナ語への言い換え表現とは

「シビア」

「シビア」は英語の「severe」が語源の「非常に厳しい様子」「過酷な様子」を意味するカタカナ語です。

「今回の契約は先方に厳しい条件を出されて難航している」なら「厳しい」を「シビア」と言い換えても意味は同じです。

「タイト」

英語の「tight」が語源の「タイト」には「きついこと」「硬くしっかりしていること」「ぴったり密着していること、また、その様子」「 商品の需要供給の関係が逼迫 していること」「品薄なこと、また、その様子」という意味があります。こうした意味以外に「厳しい」「遊びがない」というニュアンスで使われることも多い言葉です。

「納期が重なっているため、今月はかなり厳しいスケジュールになっている」という場合には「厳しい」を「タイト」に言い換えて使うことができます。

「タフ」

「タフ」は英語の「tough」が語源で、カタカナ語としては「頑丈な様子」「強い体力と不屈の精神を備えている様子」という意味を持つ言葉です。

英語の「tough」には、上記の他に「難しい」「辛い」「厳しい」という意味があり、ビジネスシーンでは難しさや困難を伴う仕事や現場のことを指して「タフな案件」「タフな現場」のように使います。

「君には少し厳しい現場をお願いすることになってしまい、申し訳ない」なら「厳しい現場」を「タフな現場」と言い換えることが可能です。

まとめ

「厳しい」には「厳格で少しの緩みも許さない様子」「いい加減な対処が許されない様子」「困難が多くて大変な様子」「自然現象の程度が著しい様子」「物事の状態が緊張、緊迫している様子」などの意味があります。状況に応じて言い換えられるよう、色々な言い換え表現を知っておくと役立ちます。