ハワイにハマって移住！ノビーさんがツアーガイドを仕事にするまでのライフストーリーとは

今回インタビューするのは、ハワイでプライベートツアーを行っているノビーさん（荒木雅信さん）。観光地ハワイの現地人しか知りえない場所や、初めての体験を提案してくれるプライベート貸切ツアーが大人気です。

ノビーさんの案内するプライベートツアーは、予約がなかなか取れないことから「幻のプライベートツアー」とも呼ばれています。

憧れのハワイ移住を2004年に成し遂げ、現地でプライベートツアーとハワイ移住計画アドバイザーをしているノビーさんのライフストーリーをお聞きしました。日本人の少ない現地の現状や、おすすめできるスポットをハワイ観光の達人に教えてもらいます。

ハワイ移住への憧れと挫折

—ハワイに移住し、仕事をしているノビーさん。Instagramでは2万人程のフォロワーがノビーさんの投稿するハワイの様子を楽しみにしていますよね。もともとハワイがお好きだったのですか？

ハワイを好きになったのは、25歳くらいの時にハワイに初めて来たときですね。実は、その頃「ハワイみたいなミーハーなところに今さら行ってどうすんだ」と思っていたんです。

でも、ハワイに来て一発でハマってしまいましたね。「帰りたくない、ここに絶対に住みたい」と強く思いました。

—ハワイ旅行が人生の転機になったんですね。ノビーさんは2004年に永住権を得て移住されていますが、移住はスムーズに進んだんですか？

いいえ、全くうまくいきませんでした。当時、築地の珈琲屋で働いていましたが、ハワイに移住したいなと思って「お金を貯めよう」と、佐川急便のセールスドライバーになったんです。

ハワイへの移住資金を2年間である程度貯め、ハワイでホットドックと珈琲を売る屋台をしようと考えていました。

でも、ハワイには知り合いもいないし、僕は英語もしゃべれない。今は、インターネットで情報を集められるけれど、移住をしようと思った当時はインターネットもスマートフォンもないような時代でしたので情報を集めるのも難しかったのです。そこで、まずハワイに住む日本人の弁護士さんのところに直接相談にいきました。

弁護士さんに会ってすぐさま「ハワイに住みたくて数百万円を貯めてきました。ホットドック屋をやりたいと思っています」って伝えると、「そんなんで住めるわけないでしょ。一億円もって出直してきなさい」と、笑われてしまったんです。そこで初めて、ハワイに住むにはビジネスビザや永住権が必要だということを知りました。

弁護士さんに相談したあとも、ハワイで働きたいといろいろなところに電話をしましたが、就労ビザがないとどこも雇ってくれません。ビザがないことの厳しさを体感しました。

そこでいったん日本に帰り、ハワイの語学学校に入って学生ビザを取得し、ハワイで2年間過ごしました。

でも、学生ビザではしっかり働くことはできません。もし違反を犯し、捕まったら住んでいた部屋にも戻れず強制送還され、10年間アメリカには入国できなくなります。

このとき1997年頃だったのですが、ハワイの物価や家賃が今の半分くらいで、顔見知りも増え、助けてくれる人もいました。でも、2年間でお金も尽きてしまい、日本に戻ってきたんです。

—一筋縄にはいかなかったんですね。

そうなんです。日本に戻ってきて仕事をしながらも、ハワイに住むという夢は諦められなくて、永住権の抽選に毎年応募していました。そして、運よく当たってハワイに戻ってこれたんです。

ハワイ移住計画アドバイザーを始めた理由

—決してスムーズに移住がかなったわけではなかったんですね。ハワイ移住計画アドバイザーをしているのは、そんなノビーさんの経験を活かしてですか？

はい。「ハワイ移住の夢」を持った人に、そういったビザの大切さや、シビアさをちゃんと伝えてあげたいと思いました。

僕は、自分の知識や経験、周りから得る情報を伝えながらハワイに住みたい人たちに「あなたの場合はこういう方法を取ったらいいんじゃないですか」という話ができます。

抽選で永住権を手にできるのはラッキーな人です。ハワイに住みたいなら毎年応募するのは当たり前ですが、でもその制度もいつまで続くかわからない。

周りを見ていると、それ以外の可能性も0ではありません。だからその時、その人に合わせて提案できるハワイ移住計画のアドバイスをしていきたいと思っています。

—ハワイに実際に移住した先輩がアドバイスしてくれるのはありがたいですね。

僕は「ハワイに住んでみたい」というところからはじまりました。だから僕も「本当にハワイに住みたい人の夢」をかなえるきっかけをつくりたいんです。

その夢の可能性を、現実的に具体的に広げるお手伝いがしたい。ハワイ移住への目的やプロセスに合わせて、僕の経験や相談してきた方の現状と照らし合わせてアドバイスできます。（※2022年2月現在はHPからLINEやSNSなどで問い合わせ可能です。今は無料で相談が可能ですが、今後アドバイス料を設定する可能性があります）。

ハワイでのプライベートツアーが天職に

—ハワイでホットドッグ店を出したいと思っていたノビーさんが、観光ツアーのお仕事を始めたのはなぜですか？

店舗の家賃が高かったんです。それでどうするか悩んでいる中、学生ビザでハワイに来た時に仲の良かった友達が「とりあえずうちを手伝えば？」と声をかけてくれました。

仕事は、大きな車にお客さんをたくさん乗せて観光ツアーをするというものでした。

—そこからプライベートツアーにしたのはなぜですか？

もう少しお客さんと距離を近くしたかったんです。同時に、あちこち案内する中でお客さんの行きたいところに連れて行ってあげたいと思うようになりました。乗合だと、なかなか仲良くはできないし、好きな場所へ連れていくこともできません。

そこで、2018年頃に独立してプライベートツアーをするようになりました。こういう時代なので、SNSなど個人の集客もできるし、ブログなどで情報も発信できます。コロナ禍前は問い合わせを断らなければならない程にニーズがありました。

もちろん、プライベートツアーだと上限が決まってしまうので、乗合ツアーの方がビジネス的には儲かります。でもプライベートツアーの方が楽しい。だからプライベートツアーを続けていこうと思っています。

2022年今のハワイ旅行がおすすめな理由

—コロナ禍で日本人観光客が今は減っていると思いますが、今もハワイ旅行を楽しめますか？

ハワイを楽しむ幅が増えている部分もあります。

まず、ハワイは通常日本人の観光客が多いので「海外に来たな」という感覚が薄れやすいのですが、コロナ禍の現在はいつもと違って日本人が少ないので、変な話ですが、ハワイなのに海外旅行感がすごくあります。飛行機が空いているのもメリットですね。

ハワイに旅行に行くとしたら、日本に帰った時に隔離や検査などの時間はかかりますが、ハワイへの入国については州指定の病院の陰性証明書を取るなど事前の手続きをきちんとしておくことで、比較的スムーズに入国がしやすいかと思います。ワクチンパスポートなどの手続き早い方だと思います。（2022年2月時点の情報です。今後の情勢により変わる可能性もあるため、詳しくは最新情報をご確認ください）。

日本人が珍しい今だから、お店でもウェルカム感があり声をかけられやすいし、優しくしてもらえる機会も多いですね。

買い物でも、日本人が大好きなDEAN & DELUCA のトートバックもコロナ禍前は夜中や朝早くから並んでいる人もいましたが、今は普通に購入できます。洋服のサイズも日本人サイズが今なら買いやすいと思います。

困ることと言えば、日本人相手のオプショナルツアーがあまりやっていないことですね。逆に言えば、プライベートツアーを楽しむことができます。

—今、ハワイでノビーさんのおすすめのツアーはどんなプランですか？

ハワイは海のイメージが多いと思います。でも、実は山がいいよっていうのを伝えたいですね。動ける人ならトレッキングして、景色を見るのも最高です。

実は、ハワイの絶景地ピンクピルボックスなども、自分の足で歩いていかなければいけないところにあります。素敵な写真が撮れたり、絶景が望めるのはもちろん、ハワイの自然の中、自分の足で訪れる体験は忘れられない思い出になるはずです。

ガイドブックに載っていない、自分たちのハワイを見つけるプライベートツアーで、最高の思い出を作ってもらいたいです。