マターとはどういう意味?「政府マター」や言い換え表現「案件」も

ビジネスシーンでよく使われる「マター」という言葉には、どんな意味があり、どう使うのかご存知でしょうか?なんとなくわかるけれど自信がない、という方にぜひ読んでいただきたい「マター」の意味や使い方をご紹介。言い換え表現や使う時の注意点も一緒にわかりやすく解説しています。

「マター」の意味とは

「マター」の意味は「担当」「責任」「管轄」

ビジネスシーンで使われる「マター」には、「担当」や「責任」「管轄」「案件」などの意味があります。「マター」を使う場合には、役職や人名、部署名などの後につけて使われるケースが多くみられます。たとえば「人事マター」は「人事が担当する案件」、「経産省マター」は「経産省が管轄する案件」という意味になります。

「マター」の語源は英語「matter」

「マター」の語源は英語の「matter」です。「matter」には、名詞としての使い方と動詞としての使い方があります。語源である「matter」と、ビジネス用語の「マター」では、意味が少し異なります。

「matter」の名詞としての意味は「問題」「事や事柄」「状況」「物質」「物体」などです。動詞の「matter」には「重要である」という意味があります。

「ダークマター」とは「未知の物質」を意味する

「ダークマター」とは、宇宙の平均エネルギー密度のうち約27%を占める「正体がわかっていない未知の物質」のことです。「ダークマター」は「暗黒物質」とも言われます。

現在の宇宙を組成している物質のうち、観測されている目に見える物質は全体の約5%しかありません。その5~6倍をダークマターが占めると考えられています。

「マター」の使い方とは

「マター」の使い方①「マター案件」

「マター案件」は、人の名前や部署名などと一緒に使います。たとえば、「佐藤マター案件」とは「佐藤が担当している案件」という意味です。

ただし、「マター」にはもともと「案件」という意味があります。そのため、「佐藤マター案件」ではなく「佐藤マター」が正しい表現になります。

「マター」の使い方②「政府マター」「お客様マター」

「政府マター」や「お客様マター」のように使う場合は、「責任」としての意味が強くなります。「政府マター」という場合には、「政府が責任を負うべき問題」という意味で使われます。「お客様マター」であれば、「お客様の責任で行っていただく問題」というような意味です。

「マター」を使った例文

  • 「これは誰マターで進んでいる?」「鈴木マターです」…「担当」という意味での使い方
  • 「この地区はA班マターです」…「管轄」という意味での使い方
  • 「この問題は政府マターで解決すべきだ」…「責任」という意味での使い方

「マター」の言い換え表現とは

「マター」の言い換え表現①「担当」

「マター」には「担当」という意味があります。日本語で「マター」を言い換える場合は、そのまま「担当」を使って表現するとよいでしょう。例えば、「このプロジェクトは山田マターです」は「このプロジェクトは山田さんが担当です」となります。

「マター」の言い換え表現②「案件」

「マター」は「案件」に言い換えることも可能です。ビジネスシーンでは、「営業部マター」を「営業部が対応する案件」という意味合いで使うことができます。

「それは営業部マターだから、あまり手を出さないほうがいいよ」を言い換えると、「それは営業部の案件だから、あまり手を出さないほうがいいよ」になります。

「マター」の言い換え表現③「~預かり」

「~預かり」も「マター」の言い換えとして使えます。例えば、「この件はちょっと複雑なケースになるので、部長マターで対応するそうです」は「この件はちょっと複雑なケースになるので、部長預かりにするそうです」と言い換えられます。

「マター」をビジネスで使うときの注意点

「マター」は社外で使わない

「マター」はビジネスシーンでよく使われる言葉ではありますが、フォーマルなビジネス用語ではありません。取引先に対してや他企業に対してなど、社外で使うのは好ましくないため、使うのはあくまでも社内に留めておきましょう。

「マター」を目上の人に使う場合は敬称をつける

基本的に「マター」は同僚や部下に対して使うことが多い言葉です。状況によって、誰が担当なのか端的に伝えるため、目上の人に対して使う場合があります。

その場合は、「○○さんマター」や「○○部長マター」のように、必ず敬称をつけて使いましょう。呼び捨てで使ってしまうと失礼な印象を与えてしまいます。

「マター」は多用すると無責任な印象も

「マター」は、誰が担当しているか、どこの部署に責任があるのかなどをわかりやすく表現する言葉です。しかし、「それは開発部マターなのでお答えできかねます」「鈴木マターなのでわかりません」のように多用してしまうと、自分には責任がないから関わりたくない、という責任逃れに見えてしまう場合があります。

特に管理職の場合、部下や他部署に責任を押し付けているように見えてしまうため注意が必要です。信頼を失うこともあるため、むやみに多用するのは控えましょう。

まとめ

ビジネス用語の「マター」は、英語の「matter」を語源としており、「担当」や「責任」「管轄」「案件」などの意味があります。人の名前や役職、部署名などにつけて使うことが多いです。使用するのは社内のみとし、目上の人に使う場合には敬称つけることを忘れないように注意しましょう。無責任な印象を与えることもあるため、多用しないこともポイントです。