「テンパる」の意味とは?語源や類語、丁寧語への言い換えも解説

日常会話でよく使われる「テンパる」という言葉。表記を見ると若者の間で使われる言葉のように見えますが、実のところはどうなのでしょうか。今回は「テンパる」の語源や丁寧に言い換える表現をはじめ、テンパる人の特徴や、どうしたら直せるのかも一緒に解説します。

「テンパる」の意味とは

「テンパる」の意味は「余裕がなく切羽詰まっている」

日常会話の中で使われる「テンパる」は、「余裕がなく切羽詰まっている」「余裕がなくいっぱいいっぱいになっている」という意味で使われます。追い込まれて余裕をなくしている状態や、緊張して周りが見えない状態になっている時に使われる表現です。

「テンパる」には上記の意味の他に、「麻雀で聴牌(テンパイ)になる」「物事の成就直前の状態」という意味もあります。この2つの意味は「テンパる」の語源に由来しています。

「テンパる」の語源・由来は麻雀の「聴牌(テンパイ)」

「テンパる」の語源は麻雀の「聴牌」に由来しています。麻雀の「聴牌」とは、あと1つ必要な牌(パイ)が入れば上れる状態になっていることを指します。この「聴牌」という言葉に接尾語の「る」が付き、動詞化した言葉が「テンパる」です。

ここから転じて、「テンパる」には「準備が十分に整った状態」「目一杯の状態」というポジティブな意味がありました。しかし、こうした「直前の状態」や「ギリギリの状態」を指す意味が心に余裕がない様を表すようになり、現在の「余裕がなく切羽詰まっている」というネガティブな意味に変わっていきました。

「テンパる」を丁寧に言い換えるなら

「テンパる」の言い換え①「気が動転する」

「テンパる」を丁寧な表現に言い換える場合、「気が動転する」を使うことができます。「気が動転する」の意味は「非常に驚き慌てること、平静を失うこと」です。

例えば「予期せぬトラブルが起きてテンパってしまった」を「気が動転する」を使って丁寧に言い換えると、「予期していなかったトラブルが起きたため、気が動転してしまいました」となります。

「テンパる」の言い換え②「切羽詰まる」

「切羽詰まる」も「テンパる」を丁寧に言い換えられる言葉です。「切羽詰まる」は「追い詰められ、どうにもならない状態」を指す慣用句です。

「切羽」は刀の部品の1つで、その多くが薄い金属で作られています。鐔(つば)の表と裏に必要な枚数の切羽を挟み、鐔がガタつかないよう固定するために使われ、詰まると刀を抜くことができません。窮地に追い込まれた際に切羽が詰まると、刀が抜けず逃げることもできなくなるため、「為すすべがない状態」を指して「切羽詰まる」と言います。

「明日の朝までに書類を作成しなければならないから、今すごくテンパっている」を「切羽詰まる」を使って丁寧に言い換えると、「明日の朝までに書類を作成しなければならないので、今とても切羽詰まっています」となります。

「テンパる」の類語とは

「テンパる」の類語①「狼狽える(うろたえる)」

「テンパる」の類語に「狼狽える(うろたえる)」があります。「狼狽える」は、「不意を突かれて驚き、慌て取り乱す」「どうすればよいかわからずまごつく」「狼狽(ろうばい)する」という意味の言葉です。

「とっさについた嘘がばれて狼狽える彼の様子は見ものだったよ」「突然知らない人に名前を呼ばれて狼狽えてしまった」のように使います。

「テンパる」の類語②「パニクる」

「パニクる」も「テンパる」の類語の1つです。「パニクる」は「パニック」が動詞化した言葉で、「突然起こった極度の恐怖や不安などで心理的に混乱してしまう様子」や「慌てふためく」などの意味があります。

「暗所恐怖症の彼女は、エレベーターの中で停電が起こった時にパニクってしまった」「鞄に入れたと思っていた書類がなく、パニクって大失敗してしまった」のように使います。

「テンパる人」はどんな人?

「テンパる人」は計画性がない

「テンパる」状態は、良い状態とは言えません。では、よく「テンパる人」にはどんな特徴があるのでしょうか。

テンパることが多い人は、計画性がない場合があります。ゴールにたどり着くための段取りや、起こりうる事態を想定した準備をきちんとしていないために、イレギュラーな事態が起きた時にテンパってしまい、対処ができなくなってしまいます。また、計画性がないと必要以上に仕事を抱えすぎてキャパオーバーになり、テンパってしまうこともあります。

「テンパる人」は柔軟性がない

物事は想定通りに進むばかりではありません。何か想定外のことが起きた場合に臨機応変に対応できる柔軟性がないと、どうしたらよいかわからなくなりテンパってしまいます。自分の考えややり方に固執せず、状況に応じて対応しようという心構えがあるだけでも、テンパることを回避できる場合があります。

「テンパる人」は緊張しやすい

緊張をし過ぎてしまうと、周りが見えなくなりテンパってしまうことがあります。緊張すること自体は悪いことではなく、むしろ程良い緊張感が良い結果をもたらすこともあるでしょう。しかし、テンパってしまうほどの緊張はマイナス要素です。緊張の原因は様々ですが、その根本にあるのは、これから起こることへの不安です。

「テンパる」ことを直したいなら

自分がテンパりやすいと感じていて、それを直したいと考えているなら、以下のことを意識してみることをおすすめします。

  • やらなければならないことは何なのか整理する
  • 自分の能力やキャパシティーを把握する
  • すべてを完璧にやろうとしない

余裕をなくして焦ってしまう状況を回避するために、まずはやらなければならないことは何なのかを整理して、何から手を付けるべきかを考えましょう。重要性や納期などを加味し、タスクリストを作ると、物事をスムーズに進められるためテンパる状況に陥らずにすみます。また、十分な準備ができていると、緊張の原因となる不安を和らげることもできます。

自分の能力やキャパシティーを把握していれば、計画を無理なく立てて進めることができます。自分の限界以上の仕事は引き受けないようにする勇気も、テンパることを回避するには必要なことです。

何にでも真摯に取り組み、完璧にしようという姿勢は立派ですが、すべてを完璧にしようとすると自分を追い込み、テンパってしまうことがあります。力を抜けるところでは力を抜くことも大切です。

まとめ

日常会話の中で使われる「テンパる」は、「余裕がなく切羽詰まっている」「余裕がなくいっぱいいっぱいになっている」という意味です。語源は麻雀の「聴牌」に由来しており、最初はポジティブな意味を持つ言葉でした。丁寧な表現に言い換えたい場合には「気が動転する」や「切羽詰まる」などを使うと良いでしょう。