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「忌まわしい」の意味とは?「忌む」や「忌まわしい記憶」と類語も

「忌まわしい」という言葉の意味をご存知ですか?なんとなく良くない意味の言葉だという認識を持っている人も多いことでしょう。今回は「忌まわしい」の意味をはじめ、読み方や使い方の例文、「忌」という漢字を使った熟語も解説。類語や英語表現もご紹介しますので、参考にしてみてください。

「忌まわしい」の意味とは

「忌まわしい」の意味は「不吉」「不愉快」

「忌まわしい」には、大きく分けて2つの意味があります。1つ目の意味は「不吉だ」「縁起が悪い」など、不吉なことや不幸なことが起こる前触れを表すものです。

2つ目の意味は「嫌な感じである」「不愉快である」など、精神や感情的に不快感があることを表すものです。「忌まわしい」の多くは、精神的な不快感を伴うシーンで使われます。

「忌まわしい」の読み方は「いまわしい」

「忌まわしい」は「いまわしい」と読みます。「嫌って避ける」という意味の動詞「忌まう(いまう)」の形容詞です。

「忌まわしい」に使われている「忌(き・いむ)」という文字には、日本における禁忌(きんき)の意味があり、「清浄の忌」と「穢れの忌」の相反する2つの意味を持っています。どちらの意味にせよ、かつては「忌」に服する人は普通の人との接触をしないという禁制がありました。

「忌まわしい」の使い方と例文

「忌まわしい記憶」とは嫌な記憶や不快な記憶

「忌まわしい」を使った表現には「忌まわしい記憶」があります。思い出したくもない不快な記憶や過去の嫌な記憶を表すときに使います。

人気アニメ映画の「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の中でシャア・アズナブルが言う「アクシズ、行け!忌まわしい記憶と共に!」は、このアニメのファンの間で名言として支持されています。

「忌まわしい記憶」を使った例文

  • ほんの些細な出来事が忌まわしい記憶を呼び覚ました。
  • いつまで忌まわしい記憶に囚われているつもり?

「忌まわしい思い出」と使うことも

「忌まわしい」を使った表現としては、「忌まわしい思い出」もよく使われます。

「忌まわしい思い出」を使った例文

  • あの日起こったことは二度と思い出したくない忌まわしい思い出だ。
  • 忌まわしい思い出は忘れて、楽しく生きよう。

「忌まわしい」の「忌」を使った熟語とは

「忌」を使った熟語1「忌む」

「忌む(いむ)」には、「忌まわしい」と同じく2つの意味があります。1つ目は、呪術的な信仰によって不吉なものとして避けることや禁忌とすること、という意味です。

「4や9という数字を忌む人がいるから、今回は使わないようにしよう」や、「今日は陰陽道では外出や旅行を忌む日だ」のように使います。

「忌む」のもう1つの意味は「嫌って避ける」です。「あの人は革新を忌む保守的な人だ」「退屈を忌む彼にとって、何日も家にいなければならないのは耐え難いことだ」のように使用します。

「忌」を使った熟語2「忌中」

「忌中(きちゅう)」も「忌」を使った熟語です。「忌中」には「親族が亡くなったことにより、祝い事を慎む期間」という意味があります。「忌中」は故人が冥土で旅をする期間とされており、一般的に故人が亡くなってから四十九日の法要を迎えるまでの期間を指します。

「忌中」と似たような言葉に「喪中(もちゅう)」がありますが、「喪中」には「遺族や親族が故人を偲んで喪に服する期間」という意味があります。おおよそ一周忌の法要が終わるまでが「喪中」の期間です。

「忌まわしい」の類語・類義語とは

「忌まわしい」の類語は「曲曲しい」

「忌まわしい」の類語に「曲曲しい(まがまがしい)」があります。「曲曲しい」は「曲が曲がしい」「曲々しい」「禍禍しい」「禍々しい」とも表記されます。

「曲曲しい」の意味には「何か良くないことが起こりそうな、嫌な感じを催させる様子」や「不吉な様子」「縁起が悪く不気味な様子」などがあります。

「忌まわしい」の類義語には「厭わしい」も

「厭わしい(いとわしい)」も「忌まわしい」の類語です。「厭わしい」は動詞の「厭う(いとう)」が形容詞化したものです。

「厭わしい」には「不愉快で嫌なこと」「わずらわしい」という意味があります。「雨の日が続き厭わしい」や「厭わしい人間関係に疲れて、知り合いが誰もいない場所に引っ越した」のように使います。

「厭わしい」から派生した言葉には「厭わしげ」があり、「彼女はずっと厭わしげな視線を向けていた」のように使用します。また、「厭わしい」に接尾語の「さ」をつけて、「何とも言えない厭わしさだった」のように使われることもあります。

「忌まわしい」の英語表現とは

「忌まわしい」は英語で「disgusting」

「忌まわしい」の英語表現には「disgusting」や「detestable」「loathsome」などが使われます。「disgusting」には「胸が悪くなるような」「実に嫌な」という意味があり、「The very thought of it is disgusting.(それを思うだけで忌まわしい)」のように使います。

「detestable」の意味は「大嫌いな」「忌々しい」「嫌でたまらない」などで、「loathsome」も同様に「嫌でたまらない」「胸が悪くなるような」「忌まわしい」という意味があります。

「忌まわしい」の英語表現を使った例文

  • I want to be able to end this disgusting war.
    この忌まわしい戦争を終わらせたい。
  • You forget such a detestable memory.
    そんな忌まわしい記憶は忘れなさい。

まとめ

「忌まわしい」には、「不吉だ」「縁起が悪い」など、不吉なことや不幸なことが起こる前触れを表す意味と、「嫌な感じである」「不愉快である」などの精神や感情的に不快感があることを表す2つの意味があります。「忌まわしい記憶」や「忌まわしい思い出」のように使われ、類語には「曲曲しい」や「厭わしい」があります。