2つ以上の単語が結びついて特定の意味を持つ表現となる慣用句。英語にもたくさんの慣用句があり、知らないと意味が理解できない場合もあります。今回は、ビジネスや受験、恋愛など、シチュエーションごとに使える慣用句を厳選して紹介しましょう。
英語の慣用句とは?
英語の慣用句・慣用表現一覧
- In a nutshell
- Ballpark figure
- Go the extra mile
- Birds of a feather flock together.
- It is no use crying over spilt milk.
- The early bird catches the worm.
- Stick with you
- I’m drawn to you
- I have a crush on you.
- as sly as a fox
- cash cow
- butterflies in stomach
英語の慣用句の特徴と覚え方
英語の慣用句や慣用表現は「イディオム(idiom)」と言います。イディオムは単語ごとに直訳しても意味を成さないものが多いため、ひとつのまとまった言葉として覚える必要があります。慣用句は日常会話でもよく使われていますので、覚えておくと会話やコミュニケーションがスムーズになります。
イディオムを効率よく覚えるためのコツは以下の通りです。
ビジネスで使える、短い英語の慣用句
In a nutshell(一言で言うと)
「In a nutshell」は、「手短に言うと」「一言で言うと」という意味で使われる言葉です。直訳すると、「一つの木の実の殻の中に」となり、木の実の殻に入るほどコンパクトにして伝えると、というニュアンスです。
ビジネスシーンでは、プレゼンをする時や結果や経過を報告をする時など、主旨を要約する場合に使えるフレーズ。「In a nutshell, this project ended in failure.(一言で言うと、この計画は失敗に終わった)」のように使います。
Ballpark figure(概算)
「Ballpark figure」は、「概算」という意味で使われる慣用句です。「ballpark」は「野球場」、「figure」は「数字」を意味する、野球好きのアメリカ人らしい表現。日本よりも広いアメリカの野球場には、試合時は観客が数えきれないほど集まることに由来しています。
大雑把でいいから数や値段が知りたい、という時に「Please give me a ballpark figure.(概算でいいから見積もりをください)」のように使います。
Go the extra mile(全力を尽くす)
「Go the extra mile」は、「全力を尽くす」「一層の努力をする」という意味の慣用句です。直訳すると「余分なマイル(距離)を行く」になります。何かを成し遂げるために、仕事を余分に進めておくような場合に使える表現です。
「We are always going the extra mile to support our clients.(私たちはクライアントをサポートするためにいつも全力を尽くしている)」のように使用します。
中学や受験で頻出の英語の慣用句・ことわざ
Birds of a feather flock together.(類は友を呼ぶ)
「 Birds of a feather flock together.」は、日本語の「類は友を呼ぶ」や「同じ穴の狢」と同じような意味のことわざで、大学入試でもよく出題される慣用句です。
直訳すると「同じ羽根の鳥は一緒に群れになる」となり、同じような趣味を持っていたり考え方をしていたりといった、タイプが似たような人たちは、自然と集まり仲間になる、という意味です。
It is no use crying over spilt milk.(覆水盆に返らず)
「It is no use crying over spilt milk.」は、「こぼれたミルクのことを嘆いても仕方がない」という意味のことわざで、これも受験に頻出する言葉です。
日本語のことわざ「覆水盆に返らず」や「後悔先に立たず」とほぼ同意の言葉で、過ぎたことや一度起きてしまったことを悔やんだり嘆いたりしてもどうにもならない、取り返しがつかない、という意味で使われます。
The early bird catches the worm.(早起きは三文の徳)
「The early bird catches the worm.」は「早起きは三文の徳」と同じ意味で使われることわざです。「 catches 」の代わりに「gets」を使い、「The early bird gets the worm.」とする場合もありますが、意味は同じです。
直訳すると、「早起きの鳥は虫を捕まえることができる」。早起きをすると、他の鳥より先に虫を捕まえることができるため、虫が捕まえやすいということから、早起きをするといいことがある、という意味で使われます。ここから転じて、早めにやらなければならないことをやっておく人は、勉強や仕事などで有利になる、という意味でも使用されます。
恋愛に関するおしゃれな英語の慣用句
Stick with you(ずっとそばにいる)
「Stick with you」は「ずっとあなたのそばにいる」という意味の慣用句です。「stick with」で「くっついて離れない」という意味になります。女性が男性に対して使うことが多い言葉です。
「stick with」は、嫌なことを押し付けられる場合にも使うことがありますが、withの後にmeやyouが来る場合にはほとんど恋愛に関するシチュエーションで使われます。「I will stick with you.(そばにいるわ)」のように使います。
I’m drawn to you(あなたに惹かれている)
「I’m drawn to you」は「あなたに惹かれています」という意味で、片思いの相手や付き合って間もない相手に使える慣用句です。
「drawn」は、「引き寄せる」「引き付ける」という意味を持つ「draw」の受動態で、「引き寄せられる」という意味になります。「I’m drawn to you」を直訳すると「あなたに引き寄せられています」になり、それはつまり「あなたに惹かれています」ということだという、おしゃれな表現です。
I have a crush on you.(あなたに夢中です)
「 I have a crush on you.」は「私はあなたに夢中です」「あなたが好きです」という意味で使われる慣用句。「crush」には「片思い」や「ベタ惚れ」という意味があります。事故や衝突などに使われる「crash」と混同しないようにしましょう。
「I love you.」よりも「愛おしい!」というニュアンスが込められた可愛らしい表現となり、ティーンエイジャーや学生が使うことが多い表現です。
動物が出てくる面白い英語の慣用句
as sly as a fox(ずる賢い)
「as sly as a fox」は「キツネのようにずる賢い」という意味の慣用句です。「cunning as a fox」とも言います。キツネはイソップ童話や西洋の民族伝承では、狡猾で悪知恵が働く意地悪なイメージで語られており、それが由来となった表現です。
「fox」を形容詞化した「 foxy」は、「キツネのような」「ずる賢そうな」という意味の他、セクシーな女性を形容する場合にも使われます。
cash cow(金のなる木)
「cash cow」はビジネス用語で「金のなる木」を意味します。ボストン・コンサルティング・グループが開発したプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)で用いられ定着した、「企業の稼ぎ頭のビジネス」を指す言葉です。
「cow」は「牛・乳牛」で、乳牛は金銭価値のある牛乳を生み出すありがたい存在。つまり「cash cow」とは「ドル箱」や「財源」を意味します。
butterflies in stomach(ドキドキする)
「butterflies in stomach」は「井の中に蝶が飛び回っている」という意味で、ドキドキしたりハラハラしたり、なんだか落ち着かない、という気持ちを表現する慣用句です。
緊張して胃が痛くなるような状況や、好きな人といる時の感情を表現する場合などがあり、「butterflies in [someone’s] stomach」の形で「I have butterflies in my stomach.(なんだか落ち着かない)」のように使用します。
「butterflies」の前に来る動詞は「feel」や「have」が多いですが、「give [someone] butterflies」と表現する場合もあります。
まとめ
ビジネスシーンや受験勉強、恋愛でのシチュエーションなどで使える、面白い表現の英語の慣用句をご紹介しました。上記で述べた覚え方のコツを参考に、是非いろいろな慣用句を覚えてみてください。英語での日常会話にサラッと慣用句を取り入れられるとかっこいいですね。