「ガチ勢」の意味とは?「エンジョイ勢」との違いや言い換え表現

「ガチ勢」という表現を、テレビやネット、SNSなどで耳にしたことはありませんか?今回はガチ勢にはどんな意味があり、どのように使われるのかを解説します。一緒に耳にすることが多い「エンジョイ勢」という言葉や、ガチ勢の類語・言い換え表現についても解説していますので、参考にしてみてください。

「ガチ勢」の意味とは?

「ガチ勢」の意味は”ある物事に全力で取り組む人たち”

「ガチ勢」の意味は、“ある物事に本気になり全力で取り組んでいる人たちや、ある物事に対してコアな知識や経験を持つ人たち”のことです。

もともとはゲームの世界で生まれた言葉で、特定のゲームに対して過剰に入れ込み、勝敗やスコアにこだわるあまり、高額課金をしたり手段を選ばなかったりするプレーヤーや、ゲームを深く考察して研究し極めているプレーヤーを指して使われていました。

ガチ勢は良い意味にも悪い意味にも使える汎用性の高い言葉だったことから、だんだんとゲームのみではなく様々なジャンルで使われるようになりました。

「ガチ勢」の読み方は”がちぜい”

「ガチ勢」の読み方は“がちぜい”です。「ガチ」と「勢力」が合わさってできた言葉です。「ガチ」はもともと相撲用語で真剣勝負を意味する「ガチンコ」を略したもので、”真剣・本気”という意味で使われます。

「勢力」は”人々”や”それに属するグループ”などの意味で使われており、ガチ勢は、物事に対する力の入れ込み具合を仕分けるために使われる言葉です。

「ガチ勢」を使った例文

「ガチ勢」を使った例文をご紹介しましょう

  • 「この間ゲームのオンラインバトルで、ものすごい強い人と当たってさ。あれ、絶対ガチ勢だよ」
  • 「あの子、あのアイドルにハンパなくお金つぎ込んでない?」「ああ、彼女ガチ勢だから」
  • 「ガチ勢としては、このアイテムは絶対に押さえておきたいんだよね」

「ガチ勢」の類義語・言い換え表現とは?

「ガチ勢」の言い換えは”マニア・廃人”

「ガチ勢」を言い換える場合、“マニア”“廃人”を使うことができます。「マニア」はギリシャ語で”狂気”を意味する「 μανία」が語源です。「熱狂者」や「ひとつのことに熱中する人」という意味があり、”歴史マニア”や”激辛料理マニア”などのように使われます。

「廃人」は”ツイッター廃人”や”ネトゲ廃人”のように使われるネット用語。「何かに熱中し過ぎて日常生活に支障をきたすほどになっている人」を指します。

「ガチ勢」の類語は”オタク”

「オタク」もまた、ガチ勢の類語と言えます。「オタク」は自分の興味がある分野や好きな事柄にのめり込む人を総称して言う言葉です。多くはサブカルチャーに傾倒している人たちに対して使われ、「ヲタク」と表記される場合もあります。

「オタ(ヲタ)」と略し、主に「アニオタ(アニメオタク)」や「ドルオタ(アイドルオタク)」「サカオタ(サッカーオタク)」のように、嗜好分野の後に付けて使われます。

「ガチ勢」の対義語とは?

「ガチ勢」の対義語は”エンジョイ勢・趣味勢”

ガチ勢とは対照的に、楽しむことを目的に参加する人たちを「エンジョイ勢」と言います。ゲームで言えば、攻略ややり込みにはそれほど興味がなく、一通りクリアできれば満足といった人や、コミュニティの雰囲気を重視してゲームをする人を指します。

エンジョイ勢よりも更にカジュアルに、あくまで趣味の範囲で楽しみたいスタイルの人たちは「趣味勢」と呼ばれます。どちらも楽しさが第一の人たちを指す言葉のため、ガチ勢の対義語と言えるでしょう。

「ガチ勢」と「エンジョイ勢」の違いは”目的”

エンジョイ勢には、ゲームや勝負事などで勝敗を気にせず楽しさを重視する人たち、という意味があります。つまり、ガチ勢との一番の違いは、「目的」だと言えるでしょう。

ガチ勢の目的が勝敗や満足のいく結果であることに対し、エンジョイ勢の目的は自分が楽しむことです。そのため、たとえばオンラインゲームでガチ勢とエンジョイ勢が同じグループになってしまうと、どちらにとってもやりづらい状況になってしまうことも。自分のスタンスとは違うスタンスの人たちがいることを理解しておきましょう。

「ライト層・にわか」も対義語

「ライト層」は、ゲームやサービス、メディアなどにおいて、平均利用時間よりも利用が少ないユーザーたちを指して使われる言葉です。

「にわか」は、”一時的に・突然に”などの意味を持つ「俄かに」という言葉から派生した言葉で、最近特定のアイドルやアニメ、漫画などのファンになった人や、よく知らないのにファンを公言する人に使われる言葉です。

ガチ勢をアイドルやアニメなど広いジャンルで使う際、対義語として「ライト層」や「にわか」も当てはまります。

「ガチ勢」は気持ち悪い?

「ガチ勢」は怖いと思われることも

ひとつのことに全力で取り組むガチ勢は、のめり込み過ぎるあまり、周囲から怖いと思われてしまうことがあります。ゲームにおいては、自分の勝負にこだわり過ぎて相手に暴言を吐いたり、味方に対して足を引っ張ったと非難したりしてしまうと、周囲から距離を置かれてしまうことも。

また、アイドルや二次元のキャラクターに本気で恋をしてしまい、同じアイドルやキャラクターを好きな人をライバル視して敵意丸出しの態度を取ったり、ストーカーじみた行動を取ったりしてしまうケースもあり、そうした場合には怖いだけでなく気持ち悪いと思われてしまう場合もあります。

ガチ勢に大切なのは、自分の行動を客観的に見られる余裕を残しておくこと。自分と同じ行動を他の人からされたらどう思うかを考え、周りに迷惑がかかることがないようにしましょう。

「ガチ勢」を楽しもう

ガチ勢は、好きなものに本気で熱中して取り組める、とても素敵な人たちです。メンズコスメブランドの「ギャツビー」を展開している「株式会社マンダム」は、5月20日を「ガチ勢の日」に制定。5×20=100で、本気度100%で好きなものに熱中して楽しむ、という意味を込め、汗や匂いを気にせず、様々な活動にガチで取り組み、夢中で楽しむ若者「ガチ勢」を応援する日としています。

「英会話ガチ勢」や「筋トレガチ勢」など、自分を高めることにもガチでぶつかるガチ勢。前向きなガチ勢ライフを楽しみましょう。

まとめ

「ガチ勢(がちぜい)」とは、ある物事に本気になり、全力で取り組んでいる人たちを意味する言葉です。ある物事に対してコアな知識や経験を持つ人たちにも使われ、「マニア」や「廃人」「オタク」と言い換えることも可能です。のめり込み過ぎないようバランスを取りながら、好きなことにガチで取り組めるといいですね。