「ネトスト」は、SNSの普及により近年問題視されている行為です。今回はネトストの意味をはじめとして、どこからがネトストに認定されるのかという具体例や、ネトストをされている場合の対応策をご紹介。さらに、ネトストをしてしまう人の心理や、ネトストをやめたい場合の方法も一緒にご紹介します。
「ネトスト」とは?
「ネトスト」の意味は”ネットストーカー”
「ネトスト」の意味は、“ネットストーカー”を略した言葉です。ネットストーカーとは、インターネットを使ってストーカー行為をする人を意味します。別名サイバーストーカーとも言います。
SNSを見るだけでも気持ち悪い?
「ネトスト」とは具体的には、常にSNSの投稿を監視し、過去の投稿も遡って動向を確認するなどして、個人情報や交友関係を探ったり、行動や趣味などをチェックしたりするなど、ソーシャルメディアを通じ、特定の人物をストーキングすることを指します。
こっそりSNSを見ていることがバレただけでも、気持ち悪いと思われる場合もあります。
ネトスト認定される行為の具体例とは?
相手が拒否しているのに繰り返しメッセージを送る
相手からメッセージを送ることを拒否されているのに、SNSでダイレクトメールやリプライを一方的にしつこく送り続けたり、ブロックされたら別のアカウントから接触をしたりするのはストーカー行為です。特に、繰り返しこのような行為をすることは悪質と認定されます。
誹謗中傷の書き込みをする
ネット上で相手を誹謗中傷することはネトスト行為にあたります。社会的な評判を貶める内容の書き込みを繰り返すことも同様です。場合によっては、侮辱罪や名誉毀損罪に該当することもあります。書き込みの内容がたとえ事実だとしても、相手を貶める書き込みをするべきではありません。
住所を特定して現実で接触する
SNSの投稿やプロフィール、ブログなどから相手の住所、居場所を特定するのもネトスト行為です。興味本位で特定したとしても、それはストーカー行為。実際に特定した場所に出向いて相手に会おうとする現実世界でのストーキングにつながる可能性もあります。
個人情報を暴露する
ネット上で本人が公開していない個人情報を晒す行為もネトストです。他人が勝手に本人が公開していない情報を晒すのはプライバシー侵害。その情報をもとに、別の人物が新たなストーカーとなる危険性もあります。
相手になりすましてSNSに書き込みをする
相手になりすましてSNSのアカウントを勝手に作ったり、ブログを立ち上げ書き込みを行うこともネトストとされます。
被害者本人のように振舞ったり、評判が悪くなるようなことを書き込んだりすると、名誉毀損罪や侮辱罪に抵触する場合も。名前や顔写真の使用も肖像権の侵害にあたる場合があります。
SNSへの不正ログインや盗み見・乗っ取りをする
他人のSNSのアカウントに不正ログインし、個人情報の盗み見や乗っ取りを行うのもネトスト行為です。アカウント乗っ取りは「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」に抵触する、危険で悪質な行為です。
相手の友人関係を詮索し、攻撃する
SNSを利用し、相手の交友関係を把握して詮索や攻撃を行うこともネトスト行為。相手を苦しめるために、相手の友人や知人などに対し、相手の悪口や事実無根の中傷を送る行為はストーカーにあたります。
「ネトスト」されてる時はどうする?
SNSはプライバシー設定を
ネトスト被害に合っていると感じたら、まずは自分でできる対策をしましょう。SNSアカウントは特定の人しか見られないよう、プライバシー設定を行うことが基本的な対策です。
自分がフォローを許可した人しか見られなくなる、いわゆる「鍵アカ」にすることで、不特定多数の人が閲覧できる状態ではなくなるため、プライベートな情報の漏洩を防止できます。
写真は場所が特定されないように
SNSに写真をアップする際には、どこで撮った写真かを特定されないように注意しましょう。ネトストをする人は、写真に写っている細部までチェックしています。建物やお店の名前、道路標識などから場所を特定し、行動パターンや住所を知られてしまう恐れがあります。
どこにあるかがわかる建物やお店の写真、住所が特定されるような店名や風景が写った写真はアップしないことが大切です。もちろん、コメントにも場所名を書き込むことは絶対にNG。学校や職場の制服姿や、よくしている服装がわかってしまう写真をアップすることも、安全のため極力控えましょう。
ブロック機能を使う
ネトスト行為が疑われる人がいる場合、ブロック機能を使えば、その人に自分の投稿や画像を見られなくてすみます。様々な情報を見られてしまう前に、早期に対策をしましょう。
不快な発言をする人や、やたらと自分の事をよく知っているかのような発言をする人、自分が買ったものと同じものを買ったというアピールが多い人などには注意し、アカウントを遮断することが大事です。
ただし、執着心の強いネトストは、アカウントがブロックされた場合に別のアカウントを作成し接触を図ろうとする場合もあるので、注意する必要があります。あまりにしつこい場合には、運営会社に「通報する」「報告する」機能を使って被害を報告しましょう。アカウント凍結や利用停止などの対処を行ってもらえます。
酷い場合は警察に相談を
ネトストにより日常生活にまで被害が出てきている場合には、自分で対処せず警察に相談しましょう。あまりに酷いネトスト行為は、ストーカー規制法に抵触する犯罪行為の場合もあります。
ネトスト行為の証拠になるような文面があればスクショを撮り、警察署に直接出向き被害を伝えるか、「サイバー犯罪対策課」といった専門部署に相談することをおすすめします。
「ネトスト」してしまう心理とは?ネトスト診断
相手のすべてが知りたいと思う人は注意
ネトストになりやすい人の心理には、いくつかの特徴があります。この特徴にすべて当てはまる場合にはネトスト化しやすい傾向が。自分は大丈夫か診断してみてください。
片思いの人や憧れの人、恋人などに対し、「すべてを知りたい」と思ってしまう人は注意が必要です。最初は純粋な恋愛感情や憧れだったとしても、強すぎる執着心からネトスト化してしまう可能性があります。
また、人見知りだったり人付き合いが苦手だったりといった負い目から、相手との距離の縮め方や付き合い方がわからず、とにかく相手のことを知ろうとしてネトスト化する場合も。相手のことをすべて知ることが愛ではないと心に留めておきましょう。
嫉妬心が強いとネトスト化しやすい
ネトスト行為をしている人は、ターゲットにしている人に対して「なんとなく見下されているようで気に入らない」という気持ちや、「自分より優れている部分がある」という嫉妬心を勝手に抱いている人が多い傾向があります。
負けず嫌いな人や、自分に自信がない人は、「ターゲットよりも自分が優位に立ちたい」「自分の方が優れていることを証明したい」という気持ちが強く、相手の情報をすべて調べ上げ、弱みを握ろうとします。「これは自分の方が勝っている」「こんなのたいしたことない」と優越感に浸るだけでなく、時には誹謗中傷コメントを書き込むなどの攻撃をする場合もあります。
被害者意識が強い人も危険
被害者意識が強すぎる人も、ネトストに多いという特徴があります。好きな人に対してネトストしている場合、「自分はこんなに好きであなたのことを知りたいと思っているのに、なぜわかってもらえないんだろう」という自分勝手な主張がネトスト行為の原因になっているのです。
過剰な被害者意識で自分の行為を正当化し、「自分は悪くない」と相手に責任転嫁することも多々あります。
バレる前に「ネトスト」をやめたい!やり方とは?
他に没頭できることを探そう
自分でもネトストだということを自覚し、相手や周囲にバレる前にネトスト行為をやめたいと思っている人もいるでしょう。エスカレートして法律に抵触するような行為をしてしまう前に、対処法を実行してみることをおすすめします。
時間に余裕があると、どうしても相手のことを考えてしまい、ネトスト行為に及びがちに。つまり、時間がなければネトストする時間もなくなっていくということです。
仕事に打ち込んだり、新たな趣味を持ち熱中したり、友達と遊びに出かけたりと、相手のことを考える時間を減らしてプライベートを充実させることで、ネトストする時間もなくなります。
自分に自信をつけよう
自分勝手な嫉妬心でネトストして弱みを見つけマウントを取ったり、恋人の浮気を疑いネトストしたりといった行為の根底にあるのは、すべて「自分に自信がない」ということです。
「仕事で努力して結果を出す」「資格取得のための勉強をしたり習い事を始めたりして視野を広げる」「ダイエットや筋トレをする」など、自分を磨いて自分に自信をつけましょう。自信がつくことで、ネトストしようという気が起こらなくなります。
また、自分に自信があれば、精神的にも自立でき、ネトストに依存して精神を安定させる必要もなくなります。
SNSのアカウントを消す
どうしても我慢ができず、SNSを見ることをやめられない場合には、最終手段として自分のSNSアカウントを消し、スマホやPCからアプリも削除します。ネトストをやめたいのにやめられない場合には、一番効果的な方法です。
SNSのアカウントがなければ、SNSを見なくてすみ、ネトストすることもなくなります。自分の生活の一部を失ったかのようで、大きな不安を感じるかもしれませんが、絶対にネトストをやめる、という強い気持ちで臨みましょう。
まとめ
「ネトスト」は、”ネットストーカー”を略した言葉で、インターネットを使ってストーカー行為をする人を意味します。ネトスト被害に合わないようしっかりと対策するようにし、もしも被害に合っていて、どうにもならない場合には警察に相談しましょう。