「オノマトペ」日本語と英語の違いとは?発音の説明つき一覧も

「風がビュービュー吹いている」「犬がワンワン鳴いている」のように、音や物の状態を表したり、動物の鳴き声を表したりする「オノマトペ」。英語にも「オノマトペ」はありますが、同じ音を表現していても日本語とは少し異なります。今回は英語の「オノマトペ」を発音つきでご紹介します。

そもそも「オノマトペ」とは?

「オノマトペ」は「擬音語」「擬態語」のこと

「オノマトペ」は「擬音語」「擬態語」「擬声語」の総称です。古代ギリシャ語「onomatopoiia(オノマトポイーア)」が語源とされ、英語では「onomatopoeia(オノマトペア)」と言います。

「擬音語」とは、音を文字で表した言葉で「ドンドン」「ガシャン」などが当てはまります。「擬態語」は物の状態を表す言葉で、「つるつる」や「ふっくら」などです。擬態語のなかでも、「ムカムカ」や「ビクビク」などの心理的な感情や状況を表す言葉を「擬情語」と呼ぶ場合もあります。

「擬声語」は人や動物の声を表した言葉で、「ニャーニャー」や「アハハ」などがあります。

英語の「オノマトペ」は日本語より少ない

日本語には数多くのオノマトペがあり、会話の中でも日常的に使われています。日本語は他の言語に比べオノマトペが多いと言われており、約4000語~5000語近くあるとされます。オノマトペを使うことでより状況が伝わりやすくなるとともに、表現の幅も広がります。

英語にも多くのオノマトペがありますが、その数は150語程度。日本語と比べればその少なさは歴然ですが、英語のオノマトペを知ることで会話をより楽しむことができるでしょう。

自然の音を表現する「オノマトペ」とは?

雨の音の「オノマトペ」一覧

自然の音を表すオノマトペは色々あります。雨の音を表現するオノマトペも、その降り方に合わせていくつかの表現が存在します。雨の状況によって使い分けましょう。以下の単語に続く()括弧内は発音を示しています。

  • pitter-patter(ピタ―パター)…「パラパラ」
  • pour(ポアー)…「ザーザー」
  • drizzle(ドゥリズル)…「しとしと」

「pitter-patter」は、雨の「パラパラ」という音を表す以外にも、赤ちゃんのよちよち歩きの音や「パタパタ」という足音を表すオノマトペとしても使われます。

風の音の「オノマトペ」一覧

風の音を表現するオノマトペにも、いくつかの表現があります。

  • murmur(マーマァ)…「サラサラ」
  • rustle(ラスル)…「ザワザワ」
  • swish(スウィシュ)…「ヒュッ」

その他の自然の音「オノマトペ」一覧

雨や風の他にも、以下のように自然界には様々な音が存在します。

水音を表現するオノマトペ

  • drip(ドリプ)…「ポタポタ」
  • splash(スプラシュ)…「パチャパチャ」
  • swash(スワシュ)…「ザバザバ」「ザブン」
  • trickle(トゥリクル)…「チョロチョロ」
  • plop(プロープ)…「ドブン」「ポチャン」
  • burble(バーボウ)…「ブクブク」(空気の破裂音としても使用)
  • gurgle(ガーグル)…「ゴボゴボ」

雷の音を表現するオノマトペ

  • rumble(ランブル)…「ゴロゴロ」
  • clap(クラープ)…「バリバリ」
  • kaboom(カブーン)…「ドカーン」

その他の自然の音を表現するオノマトペ

  • crackle(クラクル)…「パチパチ」(火が燃える音)
  • crinkle(クリンクル)…「カサカサ」(乾いた木の葉や紙などの音)
  • snap(スナプ)…「ポキッ」(枝が折れる音)
  • whizz(フウィズ)…「ヒュー」(風を切る音)
  • whoosh(ウーシュ)…「シュー」(空気が漏れる音)

物音を表現する「オノマトペ」とは?

走る車の「ブーン」は「zoom」、乗り物の音「オノマトペ」一覧

物音を表す英語のオノマトペもたくさんあります。たとえば、車が走る音は日本語では「ブーン」が一般的ですが、英語では「zoom」です。「zoom」は飛行機の音を表す際にも使われます。

  • clickety-clack(クリッキリークラック)…「ガタンゴトン」(電車の音)
  • choo-choo(チューチュー)…「シュッシュッポッポッ」(汽車の音)
  • vroom(ヴルーム)、hum(ハム)、purr(パー)…「ブルルル」(車のエンジン音)
  • squeal(スクウィール)…「キーッ」(車のブレーキ音)
  • beep-beep(ビービープ)…「ブッブー」(車のクラクション音)
  • tinkle-tinkle(ティンクルティンクル)…「チリンチリン」(自転車のベルの音)
  • zip(ズィップ)…「ビューン」(スピードが速いことを表す音)

爆発音は「boom」、漫画にも使われる「オノマトペ」一覧

日常会話だけでなく、漫画にも数多くのオノマトペが使われます。日本の漫画だけでなく、アメリカンコミックにもオノマトペは多数登場します。

  • boom(ブーム)…「ドカーン」「ドーン」(爆発音)
  • bang(バング)…「バン」「バタン」(銃声、ドアが勢いよく締まる音)
  • beeow(ビュオウ)…「バキューン」(銃弾や矢が飛んでいる音)
  • thunk(サンク)…「ドカッ」「ズシン」「ズブッ」(相手を殴ったり刺したりする鈍い音)
  • crack(クラック)…「バキッ」(武器や棒、枝などが折れる音)
  • flash(フラッシュ)…「ピカッ」「ギラッ」(何かが光る音)

その他の物音「オノマトペ」一覧

上記で紹介した以外にも、物音を表すオノマトペはたくさんあります。

  • bash(バシュ)…「バシバシ」(叩く音)
  • click(クリック)…「カチッ」「カチカチ」(マウスのクリック音や、カチッという音)
  • rat-a-tat(ラッタタト)、rat-tat(ラットタト)…「トントン」「コンコン」「ドンドン」(ドアを叩く音や太鼓の音)
  • fizzle(フィズル)…「プシュー」(炭酸飲料を開けた時の音や、空気が抜ける音)
  • jangle(ジャングル)…「ジャラジャラ」(鍵の束や鎖など金属が鳴る音)

動物・虫などの鳴き声を表現する「オノマトペ」とは?

動物の鳴き声「オノマトペ」一覧

動物の鳴き声のオノマトペには、以下のようなものがあります。

  • bow wow(バウワウ)…「ワンワン」(犬の鳴き声)
  • meow(ミアゥ)、mew(ミュー)…「ニャー」(猫の鳴き声)
  • growl(グラウル)…「ガルルルル」(犬や猛獣の唸り声)
  • tweet tweet(トゥウィートトゥウィート)…「チュンチュン」(小鳥の鳴き声)
  • ribbit(リビット)…「ケロケロ」「ゲロゲロ」(カエルの鳴き声)

虫の鳴き声や羽音の「オノマトペ」一覧

虫の鳴き声や羽音には、以下のようなオノマトペがあります。

  • chirp(チャープ)…「リンリン」「チュンチュン」(鈴虫の鳴き声、小鳥の鳴き声)
  • buzz(バズ)…「ブンブン」(蜂が飛ぶ音)
  • flutter(フラッタァ)…「ひらひら」(蝶が飛ぶ音)

食べ物を食べる音や食感を表現する「オノマトペ」とは?

食べ物を食べる音の「オノマトペ」一覧

食べ物の食べる音を表現したい時、オノマトペを使うと伝わりやすさが格段にアップします。

  • chomp(英:チョムプ、米:チャムプ)…「むしゃむしゃ」(食べ物を頬張る様子)
  • munch(マンチ)…「むしゃむしゃ」「もぐもぐ」(食べている様子)
  • crunch(クランチ)…「バリバリ」「ボリボリ」(噛み砕く音)

食べ物の食感を表す「オノマトペ」一覧

食べ物の食感を表すオノマトペをいろいろ知っておくと、食事の席での会話も弾むはずです。

  • fluffy(フラフィー)…「ふわふわ」(空気を含んだふんわりとした食感)
  • crispy(クリスピー)…「サクサク」「パリパリ」(軽い食感)
  • chewy(チューイー)…「もちもち」(餅のように弾力のある食感)
  • sticky(スティキィ)…「ネバネバ」(粘り気のある食感)
  • gooey(グーイー)…「ベタベタ」(シロップのように甘くべたつく食感)
  • mush(マッシュ)…「ドロドロ」(粘度が高い液状の食感)

動詞や形容詞として使われる「オノマトペ」とは?

動詞の「オノマトペ」一覧

日本語では、「ガツガツ(オノマトペ)」+「食べる(動詞)」で「ガツガツ食べる」になりますが、英語では「gobble(英:ゴブル、米:ガバル)」というオノマトペ要素を含む言葉ひとつで「ガツガツ食べる」という動詞になります。他にも、以下のような動詞のオノマトペがあります。

  • ramble(ランブル)…「ブラブラ」「ダラダラ」(あてもなく歩く様子、とりとめなく話す様子)
  • gnaw(英:ノー、米:ノ)…「ガリガリ」(ガリガリと齧る様子)
  • bow(ボウ、バウ)…「ペコリ」「ペコ」(お辞儀をする様子)
  • dillydally(ディリダリィ)…「ダラダラ」(決心できずぐずぐずしている様子)
  • snuffle(スナフル)…「クンクン」(匂いを嗅ぐ様子)

形容詞の「オノマトペ」一覧

以下で紹介する形容詞のオノマトペは、日本語の擬態語を表すオノマトペに近い感覚で使います。

  • chubby(チャビィ)…「ぽっちゃり」(太った様子)
  • bony(ボウニ、ボーニ)…「ガリガリ」「ゴツゴツ」(痩せて骨ばっている様子)
  • excited(エキサイテド、イクサイティド)…「ワクワク」(楽しみで興奮する様子)
  • heart beating(ハートビーティング)…「ドキドキ」(心臓の鼓動が速い様子)
  • wimpy(ウィムピィ)…「なよなよ」(意気地なし、弱虫な様子)
  • irritated(イリテイティド)、frustrated(フラストゥレイティド)…「イライラ」(神経質になっている、気に入らないことがある様子)

まとめ

「オノマトペ」とは「擬音語」「擬態語」「擬声語」の総称で、英語のオノマトペは日本語よりは少なくなりますが、それでも150語程度のオノマトペがあります。オノマトペを使うことでより状況が伝わりやすくなりますので、いろいろ覚えて会話の幅を広げてみましょう。