SNSやネット上の掲示板などで目にする「草不可避」という言葉。なんとなく意味や使い方はわかっているかもしれませんが、それが正しいかは自信がない、という方もいるのではないでしょうか。この記事では、「草不可避」の意味や使い方をはじめ、元ネタや類語、派生語などもご紹介します。
「草不可避」の意味と読み方とは
「草不可避(くさふかひ)」は笑いを堪えられないこと
「草不可避」の読み方は「くさふかひ」です。「草不可避」は、笑いを堪えられないこと、思わず笑ってしまうこと、などの意味を表すネット用語(ネットスラング)です。
「草」が「笑い」を意味しており、「不可避」には「避けようがない」「どうしても回避できない様子」という意味があるため、「笑い」を「避けようがない」、「笑い」を「どうしても回避できない」という意味になります。
「草不可避」の使い方
「草不可避」は以下のように使用します。
- そんなことやられたら「草不可避」だよ。
- あの状況は「草不可避」だよね。
- 絶対我慢しようと思ってたんだけど、「草不可避」だった。
「草不可避」の元ネタ・語源とは
「草不可避」の元ネタは「2ちゃんねる」の掲示板
「草不可避」の元ネタは、「2ちゃんねる」の掲示板だとされています。2ちゃんねるとは、日本最大規模の匿名ネット掲示板のことです。
もともと、インタビューや談話などで「笑っていること」を文章で表現する際に「(笑)」と表記されていました。これがネット上のやり取りで使われるうちに「笑」となり、さらに「ワラ」、そしてローマ字入力の際の頭文字「w」と省略されていきました。
「w」が「草生える」に言い換えられた理由
「w」は一般的に「ワラ」と読み、大笑いしたいくらい面白い場合には「wwww」のように「w」を重ねて使います。こうした表記が地面から草が生えている状態に似ていたために、面白いことに対して「草生える」という言い方をするように。この「草生える」という言葉の誕生とともに、「草」は「笑い」を意味する言葉になりました。
ただし「w」には嘲笑の意味が込められている場合があり、皮肉や批判、揶揄として使われることもあります。
「草不可避」が使われるようになったのは2011年頃
「草不可避」という言葉が使われるようになったのは、2011年頃とされます。最初はSNSで使われるようになり、2ちゃんねるをはじめとしたネット掲示板でも使われるようになっていきます。次第に定着していき、2013年にはテレビ番組でも「草不可避」という言葉が取り上げられました。
「草不可避」の類語・派生語とは
「草不可避」の類語は「大草原」「大草原不可避」
「大草原」は、笑いを意味する「w」がたくさん使われて草原のようになっている様子、つまり大笑いしている様子を表す言葉です。笑いを堪えられない様子を表す「草不可避」の類語といえます。
「大草原不可避」も、大笑いしてしまうことを避けられない、つまり絶対に大笑いしてしまうという状態を表す言葉で、同じく「草不可避」の類語です。
派生語に「大海原不可避」も
「大海原不可避(おおうなばらふかひ)」は、「大草原不可避」と同義で使われます。「大草原不可避」から言葉遊びとして派生した言葉だと思われ、「海不可避」や「海原不可避」などのような使われ方はしません。
「草刈り」「除草」は「草」からの派生語
2ちゃんねるで「w」の書き込みが多すぎる場合に、草刈りをしているAA(アスキーアート)が使われる場合がありました。これは大量に書き込まれた「w」を雑草に見立てて「草刈り」もしくは「除草」している様子、つまり「草を生やすな」という意味になります。
「草不可避」の英語表現とは 中国語では要注意
英語では「I can’t help but laugh」
英語で「草不可避」を表現する場合には、「I can’t help but laugh」が使えます。「I can’t help but laugh」は「笑わずにいられない」という意味です。「それは草不可避だよね」と言いたい場合には、「I can’t help but laugh at it.」と表現できます。
中国ネット用語の「草」は意味が違う
中国のネット用語にも「草」という言葉があります。しかし、中国のネット用語の「草」は、汚い言葉になってしまうので、注意が必要です。これは、中国語で「草」は「cǎo」と発音し、相手を罵る時に使う言葉「操(cào)」と同じ発音になるためです。
中国で日本の動画が掲載される際には、日本人がネット上で使う「草」には「笑う」という意味しかない、という説明がされるほど、意味が違ってしまうと知っておきましょう。
まとめ
「草不可避」とは、笑いを堪えられないこと、思わず笑ってしまうこと、などの意味を持つネット用語です。元ネタは、「2ちゃんねる」の掲示板だとされ、「笑っていること」を文章で表現する際に使われていた「(笑)」が省略されて「w」になり、「w」がたくさん並ぶ様子を「草」に見立てたことから生まれた言葉です。