「キボンヌ」の意味とは?使っていた世代や由来・語源も解説

ネットスラングのひとつ「キボンヌ」という言葉を聞いたことはありますか?今ではほとんど使われなくなった言葉ですが、過去のやり取りのなかで使われているのを目にしたことがある人もいるかもしれません。この記事では、「キボンヌ」とはどんな意味があり、いつ頃使われていたのかなどを解説します。

「キボンヌ」の意味とは

「キボンヌ」の意味は「~を希望する」

「キボンヌ」とは、「~を希望する」や「~が欲しい」などの意味で使われる言葉です。情報や物品が欲しい時などに、「詳細キボンヌ」「このキャラのグッズ、発売キボンヌ」のように希望する事柄の後につけて使われます。また、「教えて欲しい」という意味で使われる場合もあります。

「キボンヌ」を使った例文

  • 今夜のライブ行くんだよね?帰ったら詳細情報キボンヌ。
  • ちょっと急ぎの案件なので、早めの返信キボンヌ。
  • その時の画像キボンヌ。

「キボンヌ」の類語は「クレメンス」

「キボンヌ」の類語「クレメンス」も、「キボンヌ」と同じネットスラング。「クレメンス」は「~してくれ」という意味です。元メジャーリーガーのロジャー・クレメンス選手が語源になっています。「聞いてクレメンス」や「続報クレメンス(続報を教えて欲しい)」のように使います。

「キボンヌ」の由来・元ネタとは

「キボンヌ」の由来はアスリートの名前

「キボンヌ」は「希望」に「イボンヌ」という人の名前を組み合わせた造語です。2000年夏に行われたシドニーオリンピックに、女子100mハードルで日本代表として出場した「金沢イボンヌ」選手の名前が「キボンヌ」の由来となっています。

「イボンヌ」という名前が日本人にはインパクトが強かったことから、ネット上で「キボンヌ」ともじられ広がっていきました。

「キボンヌ」はフランス語や韓国語ではない

「キボンヌ」は、その言葉の響きからフランス語や韓国語が由来なのではないかと勘違いされることがあります。

しかし、上記で紹介した通り、「キボンヌ」は人名をもじった造語。フランス語や韓国語とはまったく関係がありませんので、間違わないようにしましょう。

「キボンヌ」の顔文字

「キボンヌ」イコールこの顔文字、という決まった顔文字は存在していません。「キボンヌ」と一緒に使われることが多い顔文字には、以下のようなものがあります。

「キボンヌ」と一緒に使われる顔文字

(≧ω≦人)

(´∪`*人) .。.:*・゜

(´Д`人)

。゚(゚人Д`゚)゚。

これらの顔文字は、記号やアルファベットを使って作成されるアスキーアート(AA)と呼ばれるものの一種で、インターネット掲示板「2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)」ではよく使われています。

「キボンヌ」を使っていた世代とは

「キボンヌ」が使われたのは2000年代

元ネタとなったアスリートが出場していたオリンピックが2000年開催のシドニーオリンピックだったことでもわかりますが、「キボンヌ」という言葉がよく使われていたのは2000年代です。その頃よくインターネット掲示板を利用していた世代を中心に「キボンヌ」は使われていました。

「キボンヌ」は死語といえる

2000年代には多用されていた「キボンヌ」ですが、その後の2011年には、『「2ちゃんねる」で最近見なくなった死語ランキング 1位から7!』(gooランキング)で1位に選ばれる結果に。現在ではほとんど使っている人がいないばかりか、若い世代のネットユーザーは「キボンヌ」という言葉自体を知らない、という状況です。

「キボンヌ」は、もう死語と認定されてしまっている言葉といっても過言ではないでしょう。

「キボンヌ」同様に死語とされるネットスラングとは

「逝ってよし」

「キボンヌ」と同じく、一時期は多用されていたのに、今ではすでに死語ととらえられているネットスラングは多くあります。そのなかのいくつかをご紹介します。

「逝ってよし」も前出のランキングで「キボンヌ」に続き2位を獲得した言葉です。「逝ってよし」も2ちゃんねるでよく使われていた言葉で、意味はそのまま「死ね」となりますが、本当にそう思って使われていたというよりは、「場の空気を読めない人は消えてくれ」というニュアンスで使われていました。猫のアスキーアートと一緒に使われていることもあったようです。

「乙カレー」

「お疲れさま」という意味のネットスラング「乙カレー」も、死語といわれる言葉のひとつです。「お疲れ」を意味する「乙」に「カレー」を組み合わせて「乙カレー」とし、「お疲れさま」にかけています。

「お疲れさま」の意味の他に、イベントやオフ会後に打ち上げで食べるカレーという意味や、甲・乙・丙で分けた際に中間の乙に位置するごく普通のカレー、という意味で使われることもあります。

まとめ

「キボンヌ」は、「~を希望する」や「~が欲しい」などの意味で使われるネットスラングで、「希望」と、オリンピックに出場したアスリートの名前とをもじった造語です。2000年代にはよく使われていましたが、近年ではほとんど使用されておらず、死語といわれることが多い言葉です。