ビジネスシーンで使われることが多い「差し支えございません」という言葉。どんな意味があり、どう使うのか、正しく理解できていますか?この記事では、「差し支えございません」の意味や使い方をはじめ、ビジネスメールで「差し支えございません」を使ってやり取りする場合の例文や、言い換え表現もご紹介します。
「差し支えございません」の意味とは
「差し支えございません」の意味は「支障がないこと」
「差し支えございません」は「さしつかえございません」と読み、「差し支え」と「ございません」を組み合わせた言葉です。
「差し支え」には、「都合の悪い事情」「支障」「差し障り」などの意味があります。「ございません」は、「~がない」という表現を丁寧語にした言葉です。つまり、「差し支えございません」は「支障がない」「不都合はない」という意味を丁寧に表現した言葉です。
「差し支えございません」の使い方
「差し支えございません」は、「支障がない」という意味で使うほかに、「大丈夫です」というようなニュアンスで使われることもあります。相手の提案に対し、「それで問題がない」や、「それで大丈夫」と丁寧に伝えたい場合に使います。また、こちらから問題がないかを確認したい場合にも使えます。
「差し支えございません」のビジネスメールでの使い方とは
ビジネスメールで「差し支えございません」を使う場合の例文
「差し支えございません」は、ビジネスメールでもよく使います。口頭で使う場合と同様に、相手の提案に対して返答する場合と、「差し支えございませんか?」のように疑問形にしてこちらから確認をしたい場合に使います。
いつもお世話になっております。
先日はお見積もりのご提案をいただき、ありがとうございました。
ご提案いただいた金額で差し支えございませんので、注文をさせていただきたく思います。
よろしくお願いいたします。
「差し支えございません」と言われた場合の返信
ビジネスメールで相手から「差し支えございません」という連絡をもらい、返信する場合の例文もご紹介します。
いつもお世話になっております。
契約書をご確認いただき、ありがとうございました。
内容に差し支えないとのことですので、このままご契約の手続きを進めさせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
「差し支えございません」の言い換え表現とは
「差し支えありません」
「差し支えございません」は、いろいろな表現に言い換えることができます。
「差し支えありません」は、「差し支えございません」とほぼ同じ使い方ができる表現です。違いは「ありません」と「ございません」の部分だけ。どちらも丁寧な表現になりますが、「ありません」の方が「ございません」よりも砕けた表現になります。
直属の上司や接点の多い取引先などで、普段からよく接する機会があり、ある程度カジュアルな雰囲気がある相手に対しては「差し支えありません」、それよりももっと格式を重んじたい相手に対しては「差し支えございません」を使う、というように使い分けるとよいでしょう。
「差し障りございません」
「差し障りございません」は、「差し障り」という言葉に、丁寧語「ございません」を組み合わせた言葉。「差し障り」は、「ある物事を行うために具合の悪い事情」「支障」という意味を持ち、「差し支え」とほぼ同じ意味なので、「差し支えございません」の言い換えとして使うことができます。
ニュアンスとしては、「差し支え」は個人に対して影響する範囲について使用する場合が多く、「差し障り」は団体や組織に対して影響する範囲について使用することが多い傾向にあります。
「問題ございません」
「問題ございません」も「差し支えございません」の言い換え表現。「差し支えございません」と同じように、「自分にとって支障はありません」と伝える言葉です。
「問題ございません」の方が、「差し支えございません」よりもカジュアルな表現になりますので、シーンによって使い分けましょう。
「ご心配には及びません」
「ご心配には及びません」は、「心配することはありません」「あれこれ気に掛けることはありません」という意味の言葉です。「ご心配には及びません」も、「差し支えございません」の言い換えとして使うことができます。
「ご心配には及びません」は、相手から気がかりや不安を取り除き、心配する必要がないことを伝えて安心してもらいたい場合に使います。
「差し支えございません」は目上の人に使える敬語?
「差し支えございません」は目上の人に使える
自分にとって支障がないこと、不都合はないことを丁寧に伝えられる「差し支えございません」は、目上の人にも使える敬語表現です。
上述したように、会話でもビジネスメールでも使えるため、自然に使えるようになっておくと便利です。ただし、かなりかしこまった表現になるので、友人や同僚などに対しては、別の表現に言い換えることをおすすめします。
「構いません」は目上の人にはNG
「差し支えございません」と同じように、自分にとって「支障がないこと」「問題がないこと」を伝える「構いません」という言葉。しかし、「構いません」は、相手に対して許可を与えるニュアンスが強いため、上から目線できつい印象を与えてしまう場合があります。目上の人には使わない方がいい表現なので、注意しましょう。
立場が同等だったり、部下に対してだったりする場合で、自分から許可を与える状況には使えますが、冷たい印象にならないように気をつけて使いましょう。
まとめ
「差し支えございません」は「支障がない」「不都合はない」という意味を丁寧に表現した言葉で、「差し障りございません」や「問題ございません」などの言葉に言い換えることができます。格式を重んじた丁寧な表現なので、目上の人や取引先に対して使える言葉として覚えておくとよいでしょう。