ネットやSNSで使われているのを見たことがあっても、意味がよくわからない、という言葉はありませんか?「マミる」も、そうした言葉のひとつだという方もいるかもしれません。今回は「マミる」の意味をはじめ、元ネタは何なのかや、使い方、例文も解説。ぜひ参考にしてみてください。
「マミる」の意味とは
「マミる」の意味は「悲惨な最期を遂げること」
「マミる」には「悲惨な最期を遂げること」という意味があります。他にも、「首を咥えられ宙吊りになること」「首から上がなくなること」などの意味も持つインターネットスラングです。
通常のやり取りのなかで「マミる」が使われる場合には、「死んだ」や「終わった」「詰んだ」などの意味で使われます。
「マミる」の元ネタはアニメ
「マミる」の元ネタになっているのは、2011年にテレビ放映された『魔法少女まどか☆マギカ(通称まどマギ)』というアニメです。
『まどマギ』は、主人公、鹿目まどかを中心とした魔法少女の物語で、それまでの魔法少女アニメとは一線を画した、ダーク・ファンタジーの色濃い作品として人気を集めました。「マギカ」は「魔法」という言葉の女性形とされています。
この『まどマギ』の第3話に、主要キャラクターの1人だった巴マミ(ともえまみ)が戦闘中に敵に頭を食いちぎられて亡くなるというショッキングなシーンがあり、これが「マミる」という言葉の語源となっています。
「マミる」には「太る」という意味も
「マミる」は上記の意味の他に、「太る」「デブる」という意味で使われる場合もあります。こちらは、タレントの中川翔子さんによる「しょこたん語」で、中川翔子さんの飼い猫「マミタス」がとても太っていたことから、「太る」の意味で使われています。
しょこたん語の「マミる」は『まどマギ』放送前より存在しており、「こんな夜中にこんなもの食べたら、絶対にマミる」のように使われます。
「マミる」の使い方とは
「マミる」の使い方
「マミる」はSNSや動画配信サイトなどで使われることが多い言葉です。「マミる」の他、過去形で「マミった」として使われる場合もあります。また、他者からダメージを与えられた場合に「マミられた」という形で使われることもあり、汎用性の高い言葉です。
ただし、キャラクターが亡くなる場面から生まれた言葉であるため、使い方や使うシーンを誤ると中傷と捉えられてしまう場合もありますので注意が必要です。不快感を与えてしまう可能性を考慮し、乱用をしないようにしましょう。
「マミる」を使った例文
- 前回の放送で推しがマミってもう絶望しかない。
- 毎日残業続きでまじマミる。
- ありえないミスをして、完全にマミった。
「マミる」は辞書に載っている?
「マミる」は『現代用語の基礎知識』に載っている
「マミる」は当時の流行語として、2012年版の『現代用語の基礎知識』に掲載されました。『現代用語の基礎知識』は、自由国民社から毎年11月頃に発行される辞書で、現代人として必要だと考えられる用語に、マスコミやメディアなどで使われる新語を加えて編集されています。
『現代用語の基礎知識』では、「マミる」の意味は「悲惨な死に方をする」と記載されています。
『広辞苑』には載っていない
「マミる」は『広辞苑』をはじめとした『現代用語の基礎知識』以外の辞書にも載っているといわれる場合がありますが、『広辞苑』には「マミる」は記載されていません。
『現代用語の基礎知識』に載ったことで、「辞書に載っている」という話が広がり、『広辞苑』に載っているという話に変わっていってしまったと考えられます。
「マミる」の類義語とは
「最期」
「マミる」の類義語といえる言葉はいくつかあります。そのなかのひとつが「最期」です。
「最期」には、「命が終わる時期」「死に際」「死ぬ時」「臨終(りんじゅう)」「末期(まつご)」などの意味があります。「彼は壮絶な最期を遂げた」「祖父の最期をみとる」のように使用します。
「悲惨」
「悲惨」もまた、「マミる」の類義語といえます。「悲惨」には、「見聞きに耐えられないほど痛ましいこと、また、その様子」という意味があります。
「戦争の悲惨さを後世にも語り継ぎ、二度と同じ間違いを起こさないようにしなければならない」「その悲惨な光景から目を逸らした」のように使います。
「トラウマ」
「トラウマ」は「マミる」とは少し意味が違いますが、「マミる」という言葉が生まれたシーンがトラウマになっている人もいるため、関連する言葉といえるでしょう。
「トラウマ(trauma)」には、「恐怖やショック・異常経験などによる精神的な傷」という意味があります。「精神的外傷」ともいいます。
まとめ
インターネットスラング「マミる」には「悲惨な最期を遂げること」「首を咥えられ宙吊りになること」などの意味があります。『魔法少女まどか☆マギカ』というアニメが元ネタになっており、通常のやり取りのなかでは「死んだ」や「終わった」「詰んだ」などの意味で使われます。