「すこ」は、インターネットスラングとして生まれ、10代を中心に広がりを見せた言葉です。この記事では、「すこ」の意味をはじめ、使い方や例文、意味を勘違いしやすい派生語や類義語もご紹介。「すこ」を使ううえで気をつけた方がいいことも一緒に解説しています。
「すこ」の意味とは
「すこ」の意味は「好き」
「すこ」は「好き」を意味するインターネットスラングです。「すこ」という拍子抜けした発音が女子高生からも「響きが可愛い」「語呂がいい」と評価され、インターネットの世界だけではなく広く若者の間で使われるようになりました。
「すこ」は打ち間違いから生まれた言葉
「すこ」の由来は、「ニコニコ動画」での打ち間違いとされています。2012年に投稿された実況プレイ動画で、ある閲覧者が「ここすき(好き)」とコメントしようとして「ここすこ」とタイプミスし、そのまま流してしまったことが始まりとされています。
他の閲覧者がこのタイプミスを弄ったため、真似する人が増えました。さらに、インターネット掲示板「2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)」の「なんでも実況J(ジュピター:通称なんJ)」でも使用されたことで、「すこ」は広がっていきました。
「すこ」の使い方とは
「すこ」の使い方
「すこ」は友人同士の会話やメッセージのやり取りなどの日常的な場面やSNS、YouTubeをはじめとした動画配信サービスなどで使われています。「好き」だけでなく、「大好き」「すごく好き」「愛してる」などの意味でも使われます。
アニメのキャラクターやアイドルなど、自分の「推し」に対して使われていることが多く、そもそも「好き」がいろいろなシーンで使われる言葉であることから、「すこ」も様々な表現に派生して広く使われています。
「すこ」を使った例文
- この推しのドヤ顔ほんとすこ
- あ…これ…すこ…
- このえぐさが逆すこ(逆すこ…逆に好き)
「すこ」はもう古い?死語?うざい、気持ち悪いと思われる場合も
若者を中心に使われる言葉は移り変わりが早く、あっという間に古いと言われてしまうことも。「すこ」が流行したのも2017年頃のことなので、もうすでに死語とされる場合もあります。
また、「すこ」だけでなくインターネットスラングすべてにいえることですが、かしこまった場面では使うべきでなく、使っているとうざい、気持ち悪い、と思われてしまうこともあります。「すこ」を使う場合には、こうした背景に配慮し、シーンや相手を選んで使うようにしましょう。
「すこ」から派生した言葉とは
「すこれ」
「すこれ」は「すこ」の命令形。「好きになれ」という意味の派生語です。「オタク!ぼくをすこれ!よ!」のように使われます。自分を好きになれ、という場合以外にも、自分が好きなものを他の人にも勧めたい、よさを理解してもらいたい場合などに使うこともあります。
「すこる」という派生語もありますが、こちらは「好きになる」という意味で使われます。
「すこすこのすこ」
「すこすこのすこ」は、「すこ」を強調した派生語。「大好き」「とても好き」という意味です。「好きで好きでたまらない」という思いを伝えたい場合に使います。
「すこすこ」でも「かなり好き」という意味になりますが、「すこすこのすこ」は「すこ」の最上級だととらえていいでしょう。「このシーン、すこすこのすこ」のように使用します。
「すこすこスコティッシュフォールド」
「すこすこスコティッシュフォールド」も、上記の「すこすこのすこ」と同じように、「すこ」を強調した言葉です。「かなり好き」の「すこすこ」に、猫の品種「スコティッシュフォールド」をかけています。
「スコティッシュフォールド」は意味に関係しているわけではなく、ただ単に語呂がいいから、という理由で使われています。より語呂がよくてインパクトの強い言葉を求める若者言葉特有の表現といえるでしょう。
意味を勘違いしやすい「すこすこ砲」
「すこすこ砲」は、YouTubeの評価システムで「低評価」を大量に増やすことができるツールのことです。2017年に公開された無料ツールで、ダウンロードして設定を行うと動画を再生しなくてもひとつの動画に低評価をひとつずつ押すことができました。現在はYouTubeの仕様変更により、「すこすこ砲」は使用できなくなっています。
「すこすこ砲」という名前から想像すれば、「高評価」を押せるものと勘違いしてしまいますが、実際は意図的に悪い印象を作り、再生数を下げ動画投稿者の収益を下げることが目的の悪質なツール。
YouTuberのなかには、「すこすこ砲」により心の傷を受けた人や、これが原因で引退した人もいます。
「すこ」の類義語とは
「ラブい」
「ラブい」は「大好き」や「愛してる」などを意味する言葉です。「推しの楽しそうな顔が本当にラブい」のように使用します。
「ラブい」は、「大好き」「愛してる」の他に、「可愛い」というニュアンスも含んだ使われ方もします。「このケーキ、お花いっぱいついててラブい」のような使い方です。
「すきぴ」「ちゅきぴ」
「すきぴ」は「好きピ」とも表記されます。「好きなピープル(people)」を略した言葉で、「好きな人」という意味です。
恋愛感情を持った相手に対してだけでなく、好きな友達、芸能人なども「すきぴ」と呼ぶことがあります。「people」という言葉通り、相手が一人である必要もありません。 自分が推しているキャラクターのことを「すきぴ」または「推しぴ」と表現する人もいます。
また、「ちゅきぴ」は、「すきぴ」を舌足らずな発音にしたもの。意味は同じで、言葉の響きの可愛らしさを強調した言葉です。
まとめ
「すこ」は「好き」を意味するインターネットスラングで、語呂のよさや響きの可愛らしさが受け、インターネットの世界だけではなく広く若者の間で使われるようになりました。「すこれ」や「すこすこのすこ」など、多くの派生語があります。