「境内」の意味とは?読み方や、どこからが境内かも解説

「境内」の読み方を知っていますか?読み間違えられることが多い「境内」の読み方をはじめ、意味や使い方、類語も解説。どこからが「境内」になるのかや、「参道」との違いについても解説していますので、参考にしてみてください。

「境内」の読み方とは

「境内」の読み方は「けいだい」

「境内」の読み方は「けいだい」です。「境内」の「境」という漢字は「きょう」や「さかい」と読まれる字ですが、漢音(中国の発音に基づく音)では「けい」と読みます。

また、「内」という漢字は「ない」「うち」などと読まれますが、こちらも漢音の読みは「だい」です。つまり、「境内」は漢音読みの言葉です。

「けいない」「きょうない」は間違い

上記の通り、「境内」の読みは「けいだい」のため、「けいない」や「きょうない」という読み方は誤りです。「境」も「内」も一般的な読み方とは違うため、読み間違いに注意しましょう。

「境」という漢字を「けい」と読む言葉は、「境内」以外にはほとんどありません。このことも、読み間違いが多い一因と考えられます。

「境内」の意味とは

「境内」の意味は「神社や寺院の敷地内」

「境内」には、「神社や寺院の敷地内」「境界の内側」「区域内」という意味があり、特に「神社や寺院の敷地内」の意味で使われます。

法律では、宗教法人が宗教活動のために使う土地のことを総称して「境内地」と呼びます。普通の土地とは区別された聖域であり、建物を中心とした仕切りの内側にある土地を指します。

「境内」の使い方と例文

  • その日、近所の神社の境内では、賑やかな縁日が催されていた。
  • 早朝から境内の掃除をするのが、彼の日課だった。
  • 境内に生えていた大きな銀杏の木が、台風で折れてしまった。

「境内」はどこからどこまで?

「境内」の境目には目印がある

どこからが神社や寺院の「境内」になるのか、その境目には何かしらの目印があります。「境内」は聖域であり、外側の俗なる領域とは結界により区域されているためです。

目印は段差であったり、柵や扉、鳥居や注連縄であったりします。これらの目印を境に、聖域と現世という、異なる二つの世界が結びつけられていると考えられています。

「境内」は厳粛な祭祀を行う場であり、神聖な場所です。マナーや参拝ルールを守り、神社や寺院、他の参拝者に迷惑がかかるような行為は慎みましょう。

「境内」と「参道」の違い

「境内」と混同されやすい「参道」ですが、「参道」は「境内」の中にあります。「境内」の中にあり、拝殿へと向かう道のことを「参道」といいます。

神社では、鳥居をくぐり本殿へ続く道が正面の参道で、このメインの参道は「表参道」と呼ばれています。「表参道」に対し、脇道を「裏参道」と呼びます。

「参道」の中央は神様の通り道とされていて、この神様の通り道を「正中(せいちゅう)」といいます。

「境内」の類語とは

「神域」

「神域」とは、「神社の境内」「神が宿るとされる一帯」という意味の言葉です。神社の境内を指している言葉でもあるため、「境内」の類語です。同じように「神社の境内」という意味を持つ言葉に、「神苑(しんえん)」もあります。

「神域」は神の国や理想郷である「常世(とこよ)」であり、禁足地となっている場所も多くあります。

「寺中」

「寺中(じちゅう)」は、「寺の中」「寺の境内」「寺内の人々」「本寺に付属し境内にある小寺」「塔頭(たっちゅう:本寺の境内にある末寺院)」などの意味を持つ言葉です。「神域」が神社の境内を指す言葉であるのに対し、「寺中」は寺の境内を指します。

「寺中」と同じく「寺の境内」という意味を持つ言葉に「寺内(じない)」があります。

「境内」の英語表現とは

「境内」は英語で「the precincts」「the grounds」

「境内」は英語で「the precincts」や「the grounds」などで表現できます。「precinct」には、「塀や仕切りに囲まれた構内・境内」という意味があり、他にも「地域」「区域」「学区」「選挙区」などの幅広い意味を持っています。

「ground」は「地面」「土地」などの意味の他に「特定の目的のための場所・用地」という意味もあります。

「境内」の英語表現を使った例文

  • There’s a festival this weekend on the grounds of the shrine.(今週末に神社の境内でお祭りがある)
  • She teaches her foreign friends how to pray in the precincts of the temple.(彼女は彼女の外国の友人に寺院の境内での参拝の方法を教える)

まとめ

「境内」は「けいだい」と読み、「神社や寺院の敷地内」「境界の内側」「区域内」という意味があります。「けいない」や「きょうない」という読み間違えをする人も多いので、注意しましょう。「境内」の境目には、段差や柵、扉、鳥居や注連縄などの目印があり、聖域として外側の俗なる領域とは結界により区域されています。