「足りない」の言い換えとは?ビジネスで使えるポジティブ表現

「足りない」という言葉は、ビジネスシーンでもカジュアルシーンでも使われます。ただし、意味自体にネガティブな印象が強いため、使う時には気をつけたい言葉でもあります。「足りない」の意味や使い方をはじめとして、シーン別に使える言い換え表現をご紹介しますので、参考にしてみてください。

「足りない」の意味とは

「足りない」の意味は「一定の水準に達していない」

「足りない」の意味は、「一定の水準に達していないこと」「十分でない」「間に合っていない」「頭の働きが普通より劣っている」などです。

「足りる」というラ行上一段活用の動詞の未然形に、打ち消しの助動詞「ない」がついた言葉が「足りない」です。

五段活用の動詞「足る」を否定形にした「足らない」も「足りない」と同じ意味で使われる言葉で、どちらを使っても間違いではありません。「足りない」は現代語的な表現、「足らない」は古語的な表現といえるでしょう。

「足りない」を使った例文

  • 取るに足りない問題に時間を割くのはもったいない。
  • それを買うには手持ちが足りない。
  • 君は肝心な時に注意力が足りない。

ビジネスシーンで使える「足りない」の言い換え表現とは

「不足」

「足りない」ことをビジネスシーンで表現する際、言い換えた方がよりフォーマルな印象を与えられる場合があります。「不足」はそんな言い換え表現のひとつです。

「不足」には「足りないこと、またその様子」「十分でないこと、またその様子」「満足でないこと、またその様子」などの意味があります。

「不足分を補う」「努力不足が招いた結果だ」「相手として不足がない」のように使用します。

「不十分」

「不十分」の意味は「不足」とほぼ同じで、「十分でないこと、またその様子」「足りないこと、またその様子」「満足でないこと、またその様子」です。「不充分」と表記する場合もあります。

「これだけでは証拠が不十分で起訴することができない」「加熱が不充分な肉を食べたために、病院に運び込まれた」のように使います。

「未達成」

「未達成」には、「まだ目標に到達していない」「目指しているものをやり遂げていない」という意味があり、そういった状況を指して使います。「未達」という場合もあります。

よく似た言葉に「不達成」がありますが、「不達成」は「目標をやり遂げられなかったこと、またその状態」を指すのに対し、「未達成」は今後達成する可能性も残していることを表します。

「未達成の目標を諦めてしまうわけにはいかない」「未達成のままでは終われない」のように使用します。

ポジティブに聞こえる「足りない」の言い換え表現とは

「まだ条件を満たさない」

「足りない」はそもそも否定の意味を持つ言葉であるため、言い方によってはネガティブなマイナスのイメージが強くなってしまう言葉です。

ビジネスシーンや面接などにおいては、こうしたネガティブな表現を避けた方がいい場合もあります。少しでもポジティブに聞こえる表現に言い換えられる言葉を知っておくと役立ちます。

「まだ条件を満たさない」は「足りない」の言い換え表現のひとつ。「まだ」という言葉をつけることによって「これから」があることを感じさせ、成長する可能性が示唆できる表現です。

「やや物足りない」

「やや物足りない」も、「足りない」をポジティブな方向に転換させるために使える表現です。「やや」は「いくらかその傾向を帯びている様子」を表す言葉なので、「どことなく不足している」状態を表す「物足りない」という言葉を和らげることができます。

「完全でない」

「完全でない」は、「欠けたところや足りないところがないこと」を意味する「完全」を否定した表現で、「足りない」の言い換え表現として使えます。

「足りない」というよりは「完全でない」を使った方が、実現のハードルが高い「完全」を目指している過程、という印象を与えられるため、ポジティブに聞こえるでしょう。

「足りない」ことを表す二字熟語とは

「欠如」

二字熟語は、シンプルかつ端的に言いたいことを伝えられるため、知っておくと便利です。

「足りない」状態を表せる二字熟語に「欠如(けつじょ)」があります。「欠如」の意味は、「必要な物事が足りていないこと」です。「罪の意識が欠如している」「判断力の欠如は深刻だ」のように使用します。

「欠乏」

「欠乏(けつぼう)」もまた、「足りない」状態を表す二字熟語です。「欠乏」には「(必要なものが)欠けていること」「乏(とぼ)しいこと」「不足」という意味があります。

「ビタミン欠乏症」「資金が欠乏しているため、新しい事業を展開できない」のように使います。

まとめ

「足りない」には、「一定の水準に達していないこと」「十分でない」「間に合っていない」「頭の働きが普通より劣っている」などの意味があります。「足りない」の言い換え表現には「不足」や「不充分」「未達成」などがあり、これらはビジネスシーンでも使うことができる表現です。ポジティブに聞こえる言い換え表現も覚えておくと役立つでしょう。