「辛い(つらい)」と思わず口にしてしまいたくなることはありませんか?しかし、ビジネスシーンや結婚式をはじめ、「辛い」のようなネガティブな意味を持つ言葉を使わない方がいいシーンも存在します。そんな時にも使える、ポジティブな印象を与えることができる言い換え表現をご紹介します。
そもそも「辛い(つらい)」の意味とは
「辛い」の意味は「苦痛に感じ耐え難い」「対処が難しい」など
「辛い」には、下記のようにいくつかの意味があります。
- 精神的にも肉体的にも、我慢できないほどに苦しい。苦痛に感じ耐え難い。
- 他人に対し冷酷であること。非情である。惨(むご)い。
- 対処が難しい。困難である。
- つれない。人の気持ちを考えない。
- 癪に障る。冷たい態度が恨めしい。
❹と❺の意味は古典的な表現で使われるため、現代では「辛い」は、ほとんどが❶から❸の意味で使われます。いずれの意味も何かを苦しく感じていたり、我慢していたりなど、精神的または肉体的に抑圧された状態を指します。
「辛い」を使った例文
- 小学生の頃は、いじめられて辛い日々を送っていた。
- よくも彼女にあんな辛い仕打ちができたものだ。
- 彼は今、上司と部下の板挟みの辛い立場にいる。
一般的な「辛い」の類語・言い換え表現とは
「苦しい」
「苦しい」は「悩みや切なさ、悲しさ、後悔などで心が痛んで辛い」「 痛みや圧迫感などで、肉体的に我慢ができない」などの意味を持つ言葉です。
「辛い」と同様に、精神的な状況にも肉体的な状況にも使われる表現であるため、「辛い」の言い換え表現としてよく使われます。
「いじめられて苦しい毎日だった」「苦しい状況に追い込まれている」などのように「辛い」を「苦しい」に言い換えられます。
「やるせない」
「やるせない」は「思いを晴らす術がない、切ない」「施す術がない、どうしようもない」「気持ちに余裕がない」などの意味があり、漢字では「遣る瀬無い」と表記します。
「遣る」には「心配などを紛らわす、晴らす」という意味もあり、「瀬」は場所を表す意味も持ちます。つまり「遣る瀬」は「思いを晴らす場所」を意味しており、それが「無い」とすることで「思いを晴らす場所や方法がない」を意味します。
悲しみや憂いを紛らわそうにも、思いを晴らす術がなく、辛く切ない状況を表す際に使われる言葉です。「やるせない気持ちを抱え、一人街を彷徨った」「幼い子どもが犠牲になる話を聞くとやるせない」などのように使います。
ビジネスシーンで使える「辛い」のポジティブ言い換え表現とは
「やりがいがある」
ビジネスシーンでは、ネガティブなイメージを持つ言葉はあまり使わない方がベターです。「辛い」をできるだけポジティブな言葉に言い換えてみましょう。
「やりがいがある」は、仕事が山積みで辛い状況や、困難に直面している状況などを言い換えられるポジティブワードです。「やりがい」とは「物事を行った際の充足感」や「やってよかったという達成感」などを指します。
仕事がたくさんあって辛い状況を「やりがいがある」と言い換えるだけで、乗り越えようと思える可能性もあります。
「踏ん張りどころ」
「踏ん張りどころ」も「辛い」のポジティブな言い換えです。「踏ん張りどころ」には「頑張って乗り越えるべき、困難な局面」という意味があります。
様々な辛い局面も「今が踏ん張りどころ」と思うことで気持ちが前を向いて、「ここさえ乗り切れば大丈夫」と思えるかもしれません。
結婚式で使える「辛い」のポジティブ言い換え表現とは
「頑張った」
お祝い事である結婚式も、ネガティブな言葉はできるだけ避けるべきです。「辛い」は慶事や弔事で避けるべき「忌み言葉」ではありませんが、ネガティブなイメージがあるので言い換えた方が無難です。
たとえば、部活の思い出を語る場合に「練習が辛く苦しかった」と言うよりは「練習を頑張った」と言い換えた方がポジティブなイメージになり、場の雰囲気も明るくなります。
「ハード」
「辛い」を少し軽く言い表せる「ハード」という言葉も、覚えておくと重宝します。「配属先の仕事が辛く、弱音を吐いて同期を困らせてしまうこともありました」というような場合には、「仕事はハードでしたが、同期に支えられ乗り越えられたことで、強い絆が生まれました」のように言い換えられます。
ネガティブワードをポジティブに言い換える理由とは
ネガティブワードは気持ちもマイナスに導いてしまう
ネガティブな言葉を口にすると、感情もネガティブに引っ張られてしまい、心や体にも影響を及ぼす可能性があります。ネガティブな感情に蓋をして、無理に耐える必要は一切ありませんが、それを口に出す際には注意が必要です。
環境、感情、行動(言葉)、思考、身体は密接に関係しており、互いに影響し合っているという説があります。ネガティブな言葉を口にすることによって気持ちや体調もマイナスに傾いてしまわないようにしましょう。
ポジティブワードを口にして前向きに
日頃からポジティブな言葉を口にするように心掛けるだけで、考え方が前向きになり、心や体も軽くなるといわれています。行動範囲も広がり、新しいチャンスも掴みやすくなるでしょう。
辛い時や疲れている時、失敗してしまった時など、なかなか気持ちを前向きにするのは難しい時もあります。そんな時こそ、あえてポジティブに言い換えた言葉を口にすることをおすすめします。
まとめ
「辛い」は、何かを苦しく感じていたり、我慢していたりなど、精神的または肉体的に抑圧された状態を指して使われるネガティブな言葉です。ビジネスシーンや結婚式など、ネガティブなイメージを嫌う場では、「やりがいがある」や「頑張った」など、ポジティブなイメージの言葉に言い換えるようにしましょう。