「モチベーション」の言い換えとは?ビジネスや小論文で使える表現

「モチベーションが下がる」「モチベーションが高い」など、日常生活でもビジネスシーンでもよく使われる「モチベーション」という言葉。よく使う言葉だからこそ、その正確な意味や使い方、シーンに合った言い換え表現などをきちんと理解しておく必要があります。

「モチベーション」の意味とは

「モチベーション」とは「人が何かをする際の動機付け」

「モチベーション」には「動機付け」という意味があります。人が何か物事を行う際に動因(直接の原因)や刺激となるもの、また、そうした動機を与えることを指します。

例えば、「仕事を頑張ろう」と思っている人がいて、その理由が「お金を稼ぎたいから」「ライバルに勝ちたいから」だったとします。この動機付けこそが「モチベーション」です。

「モチベーション」は、人間の行動がどのように始動し、方向づけられたり、維持されたり、停止したりするのか、また、そうした行動が進行する過程で、どのような反応が人間の内部に生まれ起こるのかを説明するために考えられた概念であるとされています。

「モチベーションの源泉」は「頑張れた理由」「やる気の根源」

「モチベーションの源泉」は、就職活動をしているとよく耳にする言葉です。就職活動でよく聞かれる「モチベーションの源泉」とは、「頑張れた(頑張れる)理由」「やる気の根源」を指します。

「モチベーションの源泉は何ですか?」と聞かれたら、自分が最もやりがいを感じるポイントや、活力を得られるものが何であるのかなどを答えます。

ES(エントリーシート)で「モチベーションの源泉」を聞かれる理由

就職活動で企業に提出するES(エントリーシート)や面接では、よく「モチベーションの源泉」は何か、という質問があります。企業が「モチベーションの源泉」を聞く理由は、応募者の考え方を知り、その企業での仕事に向いているかを確認するためです。

応募者の「モチベーションの源泉」つまり「頑張る原動力」が、その企業の仕事の内容と合っていれば、その応募者はその仕事に向いている可能性があります。また、応募者が仕事の内容を理解できていなければ、「モチベーションの源泉」と仕事内容が噛み合わない回答をしてしまうことになるため、この質問は応募者が仕事の内容を正しく理解できているかを判断する要素にもなります。

「モチベーションの源泉」には、仕事への姿勢や考え方も反映されるため、応募者が仕事にどう取り組み、どう成果を上げるのかを判断する一助になります。入社後に活躍できる人物なのかを見極めるためにも、この質問が使われるのです。

さらに、応募者の価値観や、自己分析がどれだけできているか、どれだけ自分を理解しているかなど、応募者の人となりや自己理解度も、この質問を通して知ることができます。

「モチベーション」のビジネスで使える言い換え表現とは

「意欲」

「意欲」には「そうしたいと思う心」「積極的にやろうとする意思」などの意味があります。仕事や勉強、運動などに対し、自分から進んで取り組もうという意思ややる気が「意欲」です。

「モチベーション」はこうした「意欲」の動機となるものを指すため、本来の意味は少し違いますが、ビジネスシーンでは「モチベーション」を「意欲」や「やる気」というニュアンスで使うことも多いので、覚えておきましょう。

「エンゲージメント」

「エンゲージメント」は「婚約」「誓約」「契約」「約束」などの意味を持つ言葉です。ビジネスシーンでは「従業員が企業に対して持っている愛着心や思い入れ」「従業員と企業の心的なつながり」という意味で使われます。つまり「エンゲージメントが高い」という場合には、「従業員が自ら企業に貢献する意思から業務に打ち込んでいる」状態を指します。

「モチベーション」が自分のための意欲が動機となっているのに対し、「エンゲージメント」は「企業への貢献」を前提として意欲を燃やすものであることを覚えておきましょう。

小論文で使える「モチベーション」の言い換え表現とは

「動機」

「動機」には「人が意志を決めたり行動を起こしたりする際の直接的な原因」という意味があり、「モチベーション」ととても意味の近い言葉です。

就職活動の選考でも出題される場合がある小論文では、自分の意見を論理的に述べる必要があります。言葉を正しく理解して、最適なものを選びながら、小論文を完成させましょう。

「士気」

「士気」の意味は「兵士の戦いに向けた意気込み」「人々が団結し物事を行う際の意気込み」です。本来の「モチベーション」の意味よりは「意欲」や「やる気」に近い意味になります。

「プロジェクトの始動に際し、キックオフミーティングを行ってチームの士気を高めた」のように使います。

「モチベーションを高める」の言い換え表現とは

「モチベーションを上げる」

「モチベーション」は、「高める」や「下がる」「維持する」などの言葉と一緒に使われることがよくあります。この場合の「モチベーション」は、「意欲」「やる気」「士気」などのニュアンスで使われています。

つまり「モチベーションを高める」とは、「意欲、やる気を高める」という意味です。「モチベーションを上げる」も同義です。

「意欲を持たせる」

「意欲を持たせる」も「モチベーションを高める」の言い換え表現として使えます。「意欲を持たせる」は、「人がそれをやりたいという気持ちを起こさせること」という意味です。「彼にこの問題に取り組む意欲を持たせるためには、どうしたらいいだろう」のように使います。

「モチベーション」は英語でどう表現する?

「モチベーション」は英語で「motivation」

「モチベーション」は英語でも「motivation」です。英語の「motivation」には、「(人に)やる気や意欲を起こさせること」「(何かをする)意欲、やる気」「(意欲を起こさせる)誘因、刺激」「(心理学)動機付け」という意味があります。

「motivation」+「to do」で「~する動機」となります。

「モチベーション」の英語表現を使った例文

  • What makes life dreary is the want of motivation.(人生を退屈にするのは動機の欠如だ)
  • How can I keep my motivation up?(どうすればモチベーションを維持することができるだろう)
  • He lacks motivation to finish the job.(彼にはその仕事を終わらせる動機が不足している)

まとめ

「モチベーション」には「動機付け」という意味があり、人が何か物事を行う際に動因や刺激となるものなどを指します。ビジネスシーンでは「意欲」や「エンゲージメント」などの言葉に言い換えられたり、小論文では「動機」「士気」などの言葉に言い換えられたりする場合があります。