「間違い」の言い換えとは?ビジネスメールや論文などで使える敬語

「間違い」は、よく使われる身近な言葉です。日常生活ではそのまま「間違い」と使っていますが、ビジネスシーンや論文などでは、よりフォーマルな表現に言い換えたいと思うこともあるのではないでしょうか。「間違い」の類語や言い換え表現をはじめ、関連する言葉の言い換え表現も一緒にご紹介します。

「間違い」とは

「間違い」の意味は「真実と違うこと」「しくじり」など

「間違い」には、下記の通りいくつかの意味があります。

  1. 「真実と違うこと」「誤り」
  2. 「しくじり」「過失」「過ち」
  3. 「異常な出来事」「事故」
  4. 「分別のない男女の関係、情事」

一般的には❶や❷のように「正しくない状態や結果」という意味で使われることが多い言葉です。

「間違い」の関連語

「間違い」に関連する言葉に、「錯誤(さくご」や「誤謬(ごびゅう)」があります。それぞれの意味は以下の通りです。

  • 「錯誤(さくご)」…「間違うこと」「その人の認識が客観的事実と一致しないことや、間違った認識による判断」「思い違い」
  • 「誤謬(ごびゅう)」…「間違えること」「考えや知識などの間違い」

「錯誤」は、「彼の考えは時代錯誤もいいところだ」のように、「誤謬」は「誤謬を正す」のように使います。

「間違い」の類語・言い換え表現とは

「誤り」

「誤り」には「正しくないこと」「間違い」「やりそこない」「失敗」「失策」「正しくない行為」「間違った行為」「心が異常な状態になること」などの意味があります。「謬り」と表記する場合も、意味は同じです。

「彼は誤りを認めて謝罪した」「どうやら記憶の誤りがあったようだ」のように使用します。「間違い」よりも無機質な印象を受けるため、フォーマルなシーンでも使えます。

「過ち」

「過ち」の意味は「間違い」「失敗」「犯してしまった罪」「過失」「男女間の不倫」「怪我」「負傷」などです。

「過ちを怖れずに前に進もう」「いつまでもあの日の過ちにとらわれているわけにはいかない」のように使います。

ビジネスシーンで使える「間違い」の言い換え表現とは

「不手際」

ビジネスシーンでよく使われるフレーズに「不手際」があります。「不手際」とは、「手際が悪い様子」や「物事の処理方法や結果の仕上がりが悪い様子」を意味する言葉で、特に手際の悪さにより起こった失敗や間違い、手抜かりなどを指します。

例えば「この度は私どもの段取りに間違いがあり、大変なご迷惑をお掛けしてしまいました。大変申し訳ございませんでした」なら、「間違い」の部分を「不手際」と言い換えることができます。

「過失」

「過失」には「不注意や怠慢などから起こる失敗」「過ち」「やり損ない、また、それによる罪」「欠点」などの意味があります。法律用語としての意味もあり、法律用語では「注意すれば結果の発生を予見、または一定の事実に気づくはずなのに、不注意によって認識しないこと」という意味で使われます。

通常は「今回の発注ミスは私の過失によるものです」「彼は自分の過失を認めて謝罪した」のように使います。

「間違い」を使った言葉の言い換え表現とは

「間違って押すこと」の言い換えは「押し間違い」「誤押下」

「間違い」は他の言葉と組み合わせて使われることも多い言葉です。例えば、「間違って押すこと」は「押し間違い」と言い換えることができます。文語では「誤押下(ごおうか)」と書き表すこともできるでしょう。

「シャッターを閉めようとして、隣のボタンを押し間違えてしまった」のように使用します。

「言い間違い」の言い換えは「言い損なう」「言い誤る」

間違って言うことを意味する「言い間違い」という表現は、「言い損なう」や「言い誤る」と言い換えることができます。

「言い損なう」は「言い間違える」という意味で使われる他、「言おうと思っていたのに言い出す機会を失ってしまう」といった意味でも使われますので、別の意味でとらえられてしまわないように注意して使いましょう。

「書き間違い」の言い換えは「書き損じ」「誤記」

文字や語句を間違えて書くことを意味する「書き間違い」は、「書き損じ」や「誤記」と言い換えが可能です。印刷物で文字や記号に間違いがある場合は「誤植(ごしょく)」を使います。

「相手の住所を書き損じてしまい、再度書き直した」「レポート提出前に誤記を発見できたので、訂正が間に合った」のように使います。

「間違い」のポジティブな言い換えとは

「間違い」をポジティブに言い換える理由

「間違い」は、上述の通り「正しくない状態や結果」を指す言葉のため、ネガティブな言葉ともいえます。

ネガティブな言葉を多用してしまうと、相手からの印象が悪くなったり、自分自身もネガティブな気分になってしまったりすることも。また、おめでたい場ではそもそもネガティブなイメージのある言葉は避けた方が無難です。

こうした背景から、「間違い」のようなネガティブな印象を与える言葉は、ポジティブな言葉に言い換えられるようにしておくと安心でしょう。

「間違い」のポジティブな言い換え例

例えば、ある研究をしていて「間違い」を発見した場合、それは「間違い」であると同時に、研究に必要な一歩だとも考えられます。こうした場合は、「間違い」を「貴重な一歩」と言い換えてもいいでしょう。

また、「間違い」によって得た経験は、問題なく事が進んだ場合には得られなかったものです。この経験が糧となり、成功につながることもあるでしょう。それならば「間違い」は「経験値」と言い換えることもできます。

このように、状況に応じて「間違い」をポジティブな表現に言い換えてみると、気持ちも自然と前を向くはずです。

まとめ

「間違い」は「誤り」や「過ち」「不手際」「過失」などと言い換えることができます。言い換える場合には、「間違い」がいくつかある意味の中の、どの意味で使われているのかをきちんと判断し、その意味や状況に応じた言い換え表現を使いましょう。