「成長」は日常生活をはじめ、ビジネスや就職活動などのフォーマルな場面においても、広く使われる言葉です。使われるシーンが多岐にわたる言葉は、シーンに応じた言い換え表現を知っておくことで、よりその場に相応しい表現を選択することができます。
「成長」の意味とは
「成長」とは「育ち大きくなること」
「成長」には「人や動物、植物が育ち大きくなること」「心身ともに大人になること」「物事の規模が大きくなること」「拡大」「内容が成熟すること」という意味があります。
植物が「成長」する場合には「生長」と表記することが多いですが、「成長」と「生長」の明確な使い分けの線引きはなされていません。教育用語では「成長」で統一されているので、どちらを使うか迷った場合には、「成長」を使っておけば問題ないでしょう。
「成長」を使った例文
- この間買った服がもう小さくなってしまうとは、子どもの成長は早いものだ。
- ここのところ経済成長率は横ばいを続けている。
- 彼は我が社の成長のために欠かせない人物だ。
ビジネス・就活で使える「成長」の類語・言い換え表現とは
「進化」
「進化」には「生物の種が、体制の複雑化や適応の高度化、種類の増加などで別の種に変わること」「物事が段階を追って、より優れたものや高度で複雑なものになること」「社会が未開社会から文明社会へと変化し発展すること」という意味があります。
「AI技術は日々成長を続けている」「この離島では生態系が独自の成長を遂げている」などは「成長」を「進化」と言い換えることができます。
「躍進」
「躍進(やくしん)」の意味は「勢いよく進むこと」「躍り上がって進むこと」「めざましい勢いで進出すること」「飛躍的に発展、進歩すること」です。
「近年のこの分野の成長は目を見張るものがある」という場合には「近年この分野は躍進を遂げている」と言い換えが可能です。
「向上」
「向上」には「よりよい方向や優れた状態に向かうこと」「進歩」「最上」「最高」などの意味があります。
「彼は常に成長しようとして努力をしている」を「彼は向上心を持って努力している」と言い換えたり、「ここ数ヶ月の業績は、順調に成長しているといえる」を「ここ数ヶ月は業績が向上している」と言い換えたりすることができます。
「子どもの成長」や「精神の成長」の類語・言い換え表現とは
「成熟」
「成熟」の意味は「人の心や体などが十分に成長すること」「果物や穀物などが十分に熟すること」「そのことをするのに最も適した時期になること」です。
「成長」の言い換え表現としては、「数年会わないうちに成熟した大人になった」「見た目は大人でも、心は未成熟のようだ」のように使用します。
「逞しくなった」
「逞しい」には「体が頑丈で、いかにも強そうに見える」「意志が強く多少のことでは挫けない」「勢いや意志が満ちあふれている」という意味があります。
例えば「中学生になって体が大きく成長した」という場合には、「中学生になって随分逞しくなったね」のように、「心も体も一回り成長したようだ」という場合には「体も心も、一回り逞しくなったようだ」のように言い換えができます。
「洗練された」
「洗練」には「 人柄、趣味などを、垢抜けた優雅で高尚なものにすること」「 詩歌や文章の表現を推敲し、よりよいものにすること」という意味があり、「洗練された」は「洗練されていること」「よく磨かれ整っていること」という意味です。
見た目や所作、性格などが成長して垢抜けた、という場合に、「社会人になって洗練されたね」「厳しい環境は彼女を洗練された大人にした」のように使います。
「成長」を表す比喩表現とは
「破竹の勢い」
「破竹(はちく)の勢い」は「猛烈な勢いで進むこと」「勢いが盛んで押さえがたいこと」を意味する故事成語(故事が元になってできた言葉)です。竹は一節割れ目を入れると後は一気に割れることからきた言葉です。凄まじい勢いで成長する様子を「破竹の勢い」と比喩することができます。
「あの会社の飛躍的な成長は目を見張るものがある」というような場合に「あの会社は破竹の勢いで大きくなっている」と言うことができます。
「年輪」
「年輪」は、樹木の横断面にみられる、ほぼ同心円状の輪のことです。一年のなかで気温の変化が大きい温帯に生育する樹木は、形成層の活動に一年を単位とした周期性があり、材部に粗と密の輪縞ができます。一年ごとに年輪が増える様子が、多年にわたり積み重ねられてきた経験や成長に比喩されます。
「コツコツ地道に成長を続けてきた」を「じっくりと年輪を重ねてきた」のように言い換えることができます。
まとめ
「人や動物、植物が育ち大きくなること」「心身ともに大人になること」「物事の規模が大きくなること」「拡大」「内容が成熟すること」という意味がある「成長」という言葉。「進化」や「躍進」「向上」などに言い換えることができます。ビジネスシーンや就職活動などでは、アピールしたいことを効果的に表せる言葉を選びましょう。