「大切」の言い換えとは?ビジネスやレポート・論文で役立つ表現

「大切」は日常生活はもちろん、ビジネスシーンやレポート・論文など、フォーマルなシーンでも幅広く使われる言葉です。「大切」には類語や言い換え表現もいくつかあります。伝えたい内容や文脈などに応じて、最適な言葉を選べるようになりましょう。

「大切」の意味とは

「大切」の意味は「重要である様子」「大事にする様子」

「大切」には「最も必要であり、重んじられる様子」「重要である様子」「丁寧に扱って大事にする様子」「急を要する様子」という意味があります。「休日にゆっくり読書をする時間は、私にとってとても大切だ」や「大切な思い出」のように使います。

「大切」とほぼ同じ意味の言葉に「大事」があります。「大切」と「大事」の使い分けに明確な定義はありませんが、「大切」の方が、より丁寧に扱っていることを伝えたい場合に使われる傾向があります。高価なもの、貴重なものという客観的な価値ではなく、自身にとって重要だという心情的な価値に対して使われることが多い言葉です。

「大切」は英語で「important」

「大切」の英語表現としてよく使われるのは「important」です。「She is an important person in this project.(彼女はこのプロジェクトにとって大切です)」のように使用します。

他に「I had a precious time with my family.(私は家族と大切な時間を過ごした)」や「Thank you for your valuable time.(大切なお時間をいただきありがとうございました)」のように、「precious」や「valuable」が使われる場合もあります。

ビジネスやレポート・論文で使える「大切」の類語・言い換え表現とは

「重要」

「重要」の意味は「物事の根本や中央、本質などに関係していて大切なこと」です。「重要なポジション」なら、チームにとって大きな役割を持つポジションを指すように、「重要」は何かにとってその役割が重いことを表したい場合に使います。

例えば、「この実験の結果で大切なのは、特定の条件下においてのみ、この値が検出されたということだ」というような場合には、「大切」を「重要」に置き換えた方が、より言いたいことが伝わりやすくなります。

「肝心」

「肝心」には「最も重要なこと、また、その様子」という意味があります。「肝腎」と表記する場合もあり、肝臓、心臓、腎臓が人の体にとって欠くことのできない臓器であることからきた言葉です。

「肝心」には「他と比べてとりわけ」というニュアンスが含まれており、「美味しい料理を作りたいなら、下ごしらえが大切です」というような場合には「大切」よりも「肝心」を使う方が相応しいでしょう。

「肝要」

「肝要」の意味は「最も必要なこと、また、その様子」「非常に大切なこと」です。人間にとって最も大切な臓器の一つである肝臓(肝)と、束ねた扇の根元を貫いてはめ、開閉に必要な要(かなめ)と呼ばれる部分が語源になっています。

「肝要」は、「大切」や「重要」「大事」よりも重んずべき程度が高く、目的がはっきりしているような時に使われることが多い言葉です。「成功するために大切なのは、努力と忍耐です」という場合、「大切」を「肝要」と言い換えた方が、言わんとするニュアンスがストレートに伝わります。

「大切」を使った表現の言い換えとは

「大切な存在」は「かけがえのない存在」

「大切」を使った表現はいろいろあります。「大事な人」や「価値がある人」を意味する「大切な存在」は、「かけがえのない存在」や「尊い存在」などに言い換えることができます。

「かけがえのない」の意味は「代わるものが他にない」「この上なく大切な」です。「尊い」の意味のなかには「極めて価値が高い」「非常に貴重である」というものがあり、これらの意味が「大切な存在」を言い換える場合に使えます。

「大切さを感じる」は「重要性を痛感する」

「大切さを感じる」もよく耳にする表現ですが、「大切に感じる」とした方がスマートでしょう。「大切に感じる」は「重要性を痛感する」や「ありがたみを感じる」などへの言い換えが可能です。

「感謝の気持ちを忘れないということを大切に感じました」なら「感謝の気持ちを忘れないことの重要性を痛感しました」のように言い換えられます。

「大切に思う」は「大事に思う」

相手をかけがえのないものとして大事に扱う様子を表す「大切に思う」は、「大事に思う」や「慈しむ」などに言い換えができます。愛情を持っていることをストレートに表したいなら「愛している」と言い換えてもいいでしょう。

「慈しむ」には「可愛がって大事にする」「弱い者や目下の者に愛情を注ぐ」などの意味があります。

結婚式で使える「大切」の言い換え表現とは

結婚式で避けるべき「忌み言葉」

結婚式には、縁起が悪いためその場に相応しくなく、避けるべきとされる「忌み言葉」があります。結婚式の「忌み言葉」には、「壊す」「欠ける」「なくなる」などの不幸や不吉なことを連想させる言葉や、「切れる」「去る」「離れる」などの別れを連想させる言葉、「飽きる」「冷める」「嫌う」などの二人の関係の悪化を連想させる言葉、「重ね重ね」「くれぐれも」など再婚を連想させる重ね言葉などがあります。

上記以外にも、「辛い」「苦しい」や「頑固」「頼りない」などのネガティブなイメージを持つ言葉も、結婚式では避けましょう。

結婚式で「大切」を使うならひらがな表記に

「大切」は漢字で表記すると、縁起が悪いとされる「切」の文字が入っています。「大切」という言葉の意味自体は悪くないので、余興のムービーやお祝いのメッセージで使いたい場合には、ひらがなで「たいせつ」と表記するとよいでしょう。

「大切」という言葉を使わないようにしたいなら「大事」と言い換えれば問題ありません。

まとめ

「最も必要であり、重んじられる様子」「重要である様子」「丁寧に扱って大事にする様子」「急を要する様子」という意味を持つ「大切」という言葉。「重要」「肝心」「肝要」などの言い換え表現も一緒に覚えて、ビジネスシーンや論文・レポートなどで役立てましょう。