ビジネスシーンをはじめ、フォーマルな場面では、その場に適した言葉を選ぶ必要があります。言葉の意味はもちろん、言い換え表現を知っておくことで、シーンに合わせた言葉を上手に選べるようになります。この記事では、「配慮」の意味や使い方、敬語や熟語、カタカナ語などへの言い換え表現をご紹介します。
「配慮」の意味とは
「配慮(はいりょ)」の意味は「心を配ること」「心遣い」
「配慮(はいりょ)」の意味は「心を配ること」「心遣い」です。相手や周囲の状況を踏まえ、気遣いを込めた取り計らいをすることを表します。「配」には「配る」という意味が、「慮」には「おもんぱかる」という意味があります。
敬語表現は接頭語の「ご」をつけた「ご配慮」で、相手から受けた「配慮」を敬って言う場合に使います。
「配慮」という言葉の使い方
- 先週泊まった宿は、細部まで配慮が行き届いたいい宿だった。
- こちらは使いやすさはもちろん、環境にも配慮した商品です。
- いろいろとご配慮いただき、本当にありがとうございました。
目上の人に使える敬語に「配慮」を言い換えるには
「お気遣い」
「お気遣い」は、「あれこれと気を遣うこと」「心遣い」という意味の「気遣い」に、尊敬語の「お」をつけた敬語表現です。相手が自分に対して気を遣ってくれた際に、その言動を敬い相手を高める場面で使います。
「すぐにお暇しますので、どうぞお気遣いなく」「いつもお気遣いいただき、感謝しております」のように使用します。
「お心配り」
「お心配り」は「あちこち細かい点まで気を遣うこと」「心遣い」という意味の「心配り」に、丁寧の「お」をつけた敬語表現です。相手が自分の気持ちや状況を敏感に察知し、自分の立場に立って細やかな気配りをしてくれた場合に、相手を敬う表現です。
「今回の件につきましてお心配りくださり、ありがとうございました」「温かいお心配りをいただいた」のように使います。
「ご高配」
「ご高配(こうはい)」は「高配」に尊敬の接頭語「ご」をつけた敬語表現です。「高配」は「他人を敬い、その心配りを指す語」です。相手からの心配りに敬意を表し、日頃からお世話になっている相手に対して使います。
「平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」「今後ともご高配のほど、よろしくお願い申し上げます」のように使用します。
「配慮」を言い換える熟語とは
「考慮(こうりょ)」
「考慮(こうりょ)」には「物事をいろいろな要素を含めてよく考えること」「考えのうちに含めること」という意味があります。
「彼女は小麦アレルギーがあるので、メニューに配慮してください」というような場合に、「彼女は小麦アレルギーがあるので、メニューを決める際にはその点を考慮してください」のように言い換えることができます。
「厚意(こうい)」
「厚意(こうい)」の意味は「思いやりのある心」「厚い情け」「親切心」です。他人が自分に対して示してくれた気持ちについて使う言葉です。
「あなたのご配慮に感謝いたします」は「あなたのご厚意に感謝いたします」と言い換えが可能です。
「用心」
「用心」には「心を配ること」「気をつけること」「万一に備えて注意や警戒を怠らないこと」という意味があります。「要心」と表記する場合もあります。
「今夜は冷えるので、風邪を引かないように配慮してください」のような場合、「配慮」を「用心」と言い換えて「今夜は冷えるので、風邪を引かないように用心してください」と言えます。
「配慮」を言い換えるカタカナ語とは
「ホスピタリティ」
「ホスピタリティ(hospitality)」は、ラテン語の「hospes(ホスペス)」が語源といわれている言葉です。「hospes」には「客をもてなす主人」という意味があります。
「ホスピタリティ」には「心のこもったもてなし」「手厚いもてなし」「深い思いやり」「歓待」「歓待の精神」などの意味があり、他者への親しみがこもった対応や、配慮の行き届いた行為を指して使います。「ホスピタリティ」は、サービス業のみならず、すべての業界において重要視されています。
「デリカシー」
「デリカシー(delicacy)」は「感情や心配りなどの繊細さ」「優美さ」「微妙さ」「配慮」などの意味を持つ言葉で、英語「デリケート(delicate)」の名詞形です。一般的には「デリカシーがない」「デリカシーに欠ける」のように否定の表現として使われることが多い言葉です。
「彼はデリカシーに欠ける振る舞いが目につく人だ」「これだけ大勢の人の目がある中でそんな発言をするなんて、なんてデリカシーがないんだ」のように使います。
まとめ
「配慮」には「心を配ること」「心遣い」という意味があり、相手や周囲の状況を踏まえ、気遣いを込めた取り計らいをすることを表す際に使います。敬語表現への言い換えとして「お気遣い」や「お心配り」などがあります。言い換え表現も含めて理解し、シーンに合わせて上手に言葉を選びましょう。