「宛名」とは?会社や領収書・請求書、メールの宛名の書き方と例文

ビジネスシーンでは「宛名」を書く機会が多くあります。そもそも宛名とは何なのかをはじめ、会社に対する宛名の書き方や、領収書・請求書の宛名の書き方、封筒やはがきの宛名の書き方など、様々な宛名の書き方を、例文を交えて解説します。

「宛名」とは何か

「宛名」は「手紙・書類などに書く先方の氏名」

「宛名」とは「手紙や書類、メールなどに書く、先方の氏名」のことです。「住所と氏名」を指して「宛名」という場合もあります。

個人として宛名を書く場合ももちろんですが、特にビジネスシーンでは、宛名の書き方を間違えてしまうと、相手に失礼になってしまったり、常識がないと思われてしまったりするので、注意が必要です。

自分宛の「宛名」の書き方

本社と支社の間で封筒を使ったやり取りをする場合や、病院で検査結果を郵送してもらいたい時、また、手紙を出した相手に手紙による返信を求める場合など、自分宛の返信用封筒を用意することがあります。その際は、自分の宛名は自分で記入しておく必要があります。

自分に宛てた宛名を書く場合には、住所を通常通り記入し、自分の名前の後に「行」か「宛」と書きます。ビジネスシーンでは「行」を使う方が良いとされているので、迷った場合には「行」を使えば間違いないでしょう。

自分で返信用の封筒を用意する場合には、切手も貼っておくことを忘れないようにしましょう。

「宛名」は本名が基本

フリマアプリを利用してのやり取りや、オークションサイトを介してのやり取りの場合、本名を相手に教えたくないという人もいるかもしれません。

しかし、基本的に宛名は本名にしなければならず、ニックネームでは郵便物は届きません。郵便局は台帳に従って配達をしており、その名前と届け先が一致していなければ配達はされないので注意しましょう。

どうしても本名を相手に教えたくない場合には、郵便局で転居届けを出して屋号やニックネームを登録する方法があります。

会社への「宛名」の書き方とは

メールの「宛名」の書き方

社外の相手にビジネスメールを送る際、その相手が一人の場合には、

○○株式会社
△△部 係長(相手の役職)
◇◇◇◇様(相手の氏名)

のように「会社名」「部署名」「役職名」「相手の名前」「敬称」を記載します。丁寧な印象を与えられるよう、相手の会社名や名前は省略せず、フルネームで記載しましょう。以下のように役職名と名前を合わせて記載しても大丈夫です。

○○株式会社
△△部 ◇◇(相手の名字)係長(相手の役職)

相手が複数人の場合には、「会社名」「部署名」の後に、以下の例のように相手の名前を横並びか縦並び、もしくはToとCCごとに記載しましょう。記載する順番は、役職(立場)が上の人からです。

横並びの場合
○○株式会社 △△部
◇◇様、■■様、◆◆様

縦並びの場合
○○株式会社 △△部
◇◇様
■■様
◆◆様
CCを使う場合
○○株式会社 △△部
◇◇様
(CC:■■様、◆◆様)

相手の会社全体や部署全体にメールを送る場合には、「○○株式会社御中」や「○○株式会社各位」、「○○株式会社 △△部御中」「○○株式会社 △△部各位」のように「御中」や「各位」を使い、まとめて記載しましょう。

領収書の「宛名」の書き方

領収書の宛名は、相手の正式な名称を記載します。「上様」という記載でも経理の計上はできますが、税務調査が入った場合にはトラブルになることもあります。

宛名なしの領収書は、紛失時に悪用される恐れがあるため、必ず相手の正式名称をうかがって記載するようにしましょう。

万が一宛名を書き間違えた場合には、その領収書はその場で破棄し、新しく再発行します。やむを得ず訂正する場合には、修正液や修正テープは使わず、二重線で消して上から訂正印を押しましょう。

請求書の「宛名」の書き方

取引先に発行する請求書の宛名は、どこに宛てるかによって書き方が異なります。

会社名または部署名までしかわからない場合
株式会社○○御中
株式会社○○ 営業部御中
個人に宛てる場合
株式会社○○ 営業部 ◇◇◇◇様
株式会社○○ 営業部 ご担当者様

連名で送りたい場合には、それぞれの名前に様をつけます。役職者に送る場合には「株式会社○○ 営業部部長◇◇◇◇様」のように、「役職名」「個人名」「敬称」の順に記載しましょう。

封筒・はがきの「宛名」の書き方とは

封筒の「宛名」の書き方

封筒に宛名を書く場合にも、敬称の使い方はメールと同じです。企業や部署、学校など、団体に送る場合の敬称は「御中」、個人に送る場合の敬称は「様」を使います。

縦書きの封筒の場合、右から「住所」「会社や学校などの団体名」「個人名」の順で宛名を書きます。住所を書いたら改行し、住所の書き出しの位置から一文字分空けて、相手が企業の場合は会社名を、個人の場合は個人の名前を書きます。この時、最終的な宛名(個人名)ができるだけ封筒の中央にくるように書きましょう。

横書きの場合は上から「住所」「会社や学校などの団体名」「個人名」となります。書き出しの位置に関しては、縦書きと同じです。

はがきの「宛名」の書き方

はがきの宛名の書き方は、基本的に封筒の書き方と同様です。「住所」「団体名」「個人名」の順に書き、最終的な宛名がはがきの中央にくるようにします。

はがきの場合、宛名面の左下に差出人の名前を書きますが、この時、住所の書き終わりと名前の書き終わりの位置の高さを揃えるようにしましょう。

「住所」の書き方

封筒でもはがきでも、縦書きの場合には、住所の書き出しは郵便番号の右端に揃えて、上に一文字分空けて書き出します。番地や部屋番号などの数字は漢数字で書きましょう。住所のビル名やマンション名、階数も略さず書きます。

横書きの場合、郵便番号は左端から二文字分空けて書き始め、住所の書き出しは郵便番号の書き出しの位置に合わせます。

「差出人」の書き方

封筒やはがきに差出人を書く時は、封筒は裏面の左下、はがきは宛名面の左下に記載するのが基本です。郵便番号欄があれば、そこに郵便番号を書きます。

縦書きの場合には、郵便番号欄の右端に合わせて住所を書き始めます。横書きの場合には、郵便番号の左端(書き始め)の位置に合わせて住所を書き始めましょう。また、住所の書き終わりと名前の書き終わりの位置が合うように、差出人の記載をします。

まとめ

「宛名」は「手紙や書類、メールなどに書く、先方の氏名」です。特にビジネス上のやり取りの場合には、相手の敬称を間違えてしまったり、封筒やはがきの書き方が乱れてしまったりしていると、その先の付き合いに響いてしまう可能性もありますので、マナーを守って宛名を書きましょう。