「ご息女」の読み方と意味とは?使い方の例文や類語・言い換え表現

ビジネスシーンでは、ほとんどの場合で取引先や上司などに対して敬語や敬称を使います。「ご息女」は敬称のひとつで、覚えておくと使い勝手の良い言葉です。ただし、敬称の使い方は誤ってしまうと悪い印象を与えてしまう場合もありますので、正しい使い方を身につけましょう。

「ご息女」の読み方と意味とは

「ご息女」の読み方は「ごそくじょ」

「ご息女」は「御息女」とすべて漢字で表記する場合もあり、読み方は「ごそくじょ」です。

「息」という漢字には「いき、呼吸」「生きる、生きている」「休む、憩う」「やめる、終わる、消える」「子ども、息子」「増える、増やす」という意味があります。

「ご息女」の意味は「他人の娘を敬って言う言葉」

「息女」の意味は「娘」「特に、身分のある人の娘」「他人の娘を敬って言う言葉」です。その人に敬意を表す場合に「ご」をつけて「ご息女」とします。

直接相手の娘さん本人に使う言葉というよりは、相手の娘さんを指して話をする際に使う言葉です。娘さんが一人の場合でも、複数の場合でも、変わらず「ご息女」で表します。

「ご息女」と「ご令嬢」の違い

「ご令嬢(れいじょう)」の「令嬢」には「貴人の娘」「他人の娘を敬って言う言葉」という意味があります。「息女」よりも「令嬢」の方が、社長や部長など、自分よりも目上の人の娘さんに対して使うことが多い言葉です。

一般的に「ご令嬢」が、恵まれた環境で育った女性や、教養がある女性などに対して使う言葉であるのに対し、「ご息女」にはそこまでの意味合いは含まれません。

「ご息女」の使い方とは

「ご息女」の使い方

「ご息女」は一般的に、取引先の相手や上司、恩師、お客さんなど、目上の人や敬うべき人の娘さんに対して使用します。

相手にも、相手の娘さんにも敬意を払った言い方になるので、敬語で話している時に使い勝手の良い言葉です。

「ご息女」を使った例文

  • 先の学会でご息女が発表された論文は素晴らしいですね。
  • この度はご息女のご結婚、誠におめでとうございます。
  • あの方のご息女は、この会社に入社されたと聞いています。

「ご息女」は何歳まででも使える

「ご息女」を使ってもいい年齢には、特に決まりがありません。つまり、相手の娘さんが生まれたばかりでも、成人していても、何歳であるかに関わらず「ご息女」を使うことができます。

ただし接客時のような場合には、相手の娘さんがまだ幼い場合には「ご息女」よりも「お子様」と言った方が柔らかい印象になる場合もあります。状況によって適切な言葉を選びましょう。

「ご息女」を使う時の注意点とは

自分の娘には「ご息女」を使わない

「ご息女」は「他人の娘を敬って言う言葉」であるため、自分の娘には使いません。自分の娘について話す場合には、「娘」や「長女」「次女」などを使いましょう。

「うちの娘が先週から帰省中ですので、明日は娘に車で送ってもらう予定です」「この度、長女の結婚が決まりまして、○○様には是非、結婚式においでいただきたいと思っております」のように使います。

「ご息女様」は間違い

「ご息女」に「様」をつけて「ご息女様」と表現している例を見かけますが、これは間違いです。「ご息女」はすでに敬称であるため、さらに敬称の「様」をつけてしまうと二重敬語になってしまうからです。

文書の場合には「ご息女様」または「ご息女さま」と書いても問題ないとされる場合もありますが、これは例外なので、本来は誤りであることを知っておきましょう。文書でどうしても「ご息女」だけでは収まりが悪いように感じるなら、「ご息女の○○様」のようにすれば問題ありません。

「ご息女」の類語・言い換え表現とは

「お嬢様」「お嬢さん」

「ご息女」の言い換え表現に「お嬢様」または「お嬢さん」があります。「お嬢様」には「大家の娘」「主人の家の娘を敬って言う言葉」「他人の娘を敬って言う言葉」「何不自由なく育てられ、世間の苦労を知らない女性」という意味があります。

「お嬢さん」は「お嬢様」よりもややくだけた言い方で、若い女性に呼びかける際にも使われます。

「お嬢様はもう高校に進学される年になられたのですね」「お嬢さんのテニスでのご活躍は聞き及んでおります」のように使います。

「ご子女」

「ご子女(しじょ)」の「子女」の意味は「息子と娘」「子ども」「娘」「女の子」です。「子女」に敬意を表す「ご」をつけ、敬称としたものが「ご子女」です。

「子女」の使い方としては、「帰国子女(きこくしじょ:保護者の仕事やその他の理由により海外に滞在し、その後日本に戻ってきた子どものこと)」や「良家(りょうけ:身分のある家。現代では、暮らし向きが水準以上で教養のある家庭のこと)の子女」などをよく耳にしますが、「ご子女」とする場合は「ご息女」と同様の使い方ができます。

まとめ

「ご息女」は「ごそくじょ」と読み、相手の娘さんを敬って言う敬称です。他人の娘さんに対して使う言葉で、自分の娘に対しては使いません。「様」をつけて「ご息女様」とするのは二重敬語となり誤りなので注意しましょう。相手の娘さんが何歳であっても使える敬称なので、覚えておくと便利です。