「ギリギリ」の言い換えは?ビジネスやレポートで使える丁寧な表現

「ギリギリ」は日常生活でよく使う言葉ですが、ビジネスシーンやレポート・論文で使うには適した表現ではありません。「ギリギリ」のビジネスシーンでも使える丁寧な言い換え表現や、レポート・論文で使える表現、また「期限ギリギリ」「ギリギリの状態」など「ギリギリ」を使った表現の言い換えも解説します。

「ギリギリ」の意味とは

「ギリギリ」の意味は「限度いっぱいでそれ以上の余地がないこと」

「ギリギリ(ぎりぎり)」には「限度いっぱいでそれ以上の余地がないこと、また、その様子」という意味があります。漢字表記は「限り限り」です。

「ぎりぎり」という言葉には、他に「頭頂にあるつむじで、ここから転じて頭の頂上のこと」「物が強く擦れ合う音やその様子を表す語」「強く力を入れる様子」「強く巻き付ける様子」「気が苛立つ様子」などの意味や使われ方があります。

「ギリギリ」を使った例文

  • 電車が遅れたために時間ギリギリになってしまったが、なんとか間に合った。
  • ギリギリの人員で何日も作業していたために、疲労で倒れてしまった。
  • これを買うと予算ギリギリになってしまう。

ビジネスシーンで使える「ギリギリ」の丁寧な言い換え表現とは

「かろうじて」

「かろうじて」の意味は「やっとのことで」「どうにか」です。漢字では「辛うじて」と表記し、「辛くして」の音が変化して「かろうじて」になりました。

「かろうじて約束の時間に間に合った」「少ない収入でかろうじて生活している」「一瞬魔が差したが、かろうじて踏みとどまった」のように使用します。

「後がない」

「後がない」には「もうこれ以上は後ろに下がることはできない」「これ以上は負けられない」という意味があります。ここで失敗してしまったら、もうチャンスや余裕がない、という状況で使う言葉です。

「今回のプレゼンが通らなければ後がない」「後がない立場なので、もう腹を括ってやるしかありません」のように使います。

「間際(まぎわ)」

「間際(まぎわ)」は「物事がまさに行われようとする時」「直前」「境界に接する直前の部分」という意味の言葉です。「真際」と表記する場合もあります。

「出発間際に電話が来たため、予定の電車に乗り遅れてしまった」「なかなかレポートが完成せず、締め切り間際の提出になってしまった」のように用います。

レポートや論文で使える「ギリギリ」の言い換え表現とは

「直前」

「直前」には「物事が起こったり行われたりするすぐ前」「すぐ前」「目の前」という意味があります。

「試合終了時間直前に得点した」「チケットの受付開始直前にシステム障害が起きた」「ゴール直前で転んでしまった」のように使用します。

「間一髪(かんいっぱつ)」

「間一髪(かんいっぱつ)」の意味は「事態が非常に差し迫っていること」「その寸前のところ」です。「髪の毛一本の幅ほどの僅かな隙間」というところから転じています。

「突っ込んできた車から間一髪身をかわした」「キーパーはそのシュートを間一髪でセーブした」「振り込め詐欺に遭いそうなところを間一髪で止めた」のように使います。

「正念場(しょうねんば)」

「正念場(しょうねんば)」は「真価を表すべき最も肝心なところ」「ここぞという大事な場面」「歌舞伎や浄瑠璃などで一曲一場の最も大切な見せ場」「性根場 (しょうねば)」という意味の言葉です。

「このリーグで上位に食い込むためには、ここが正念場だ」「交渉は正念場を迎えている」のように、ギリギリの立場や状況である場合に言い換えて用いることができます。

「ギリギリ」を使った表現の言い換えとは

「期限ギリギリ」→「期限間近」「期限間際」

「期限ギリギリ」は「期限間近」や「期限間際」と言い換えることが可能です。

「論文の提出期限間近なのに、まだ完成していなくて焦っている」「申し込み期限間際に申込書を提出した」のように使います。

「ギリギリの状態」→「崖っぷちの状態」

「ギリギリの状態」は「崖っぷちの状態」や「後がない状態」「限界の状態」などに言い換えができます。

「食料も水もないギリギリの状態でなんとか救助が来るまで耐えた」「資金が底をついたギリギリの状態だが、まだ起死回生できるはずだ」のような場合、「ギリギリの状態」を「崖っぷちの状態」や「後がない状態」などに言い換えられます。

「人数ギリギリ」→「人数制限を超えそう」

「人数ギリギリ」は「人数制限を超えそう」や「手一杯」などと言い換えられます。

「募集の人数ギリギリなので、あと数名の応募があれば締め切ります」のような場合には「募集の人数制限を超えそうなので、あと数名の応募があれば締め切ります」と言い換えることができます。

「人数ギリギリで作業をしているので、これ以上は対応できません」のような場合には「今の状態で手一杯なので、これ以上の対応はできません」のように言い換えが可能です。

「時間ギリギリ」→「時間直前」

「時間ギリギリ」を言い換える場合は「時間直前」や「時間目前」などと言い換えができます。

「会議開始の時間ギリギリになんとか会議室に滑り込んだ」や「終業時間ギリギリになってしまったが、どうにか今日のノルマを達成した」のような場合、「時間直前」でも「時間目前」でも、どちらにも言い換えが可能です。

まとめ

「ギリギリ」の意味は「限度いっぱいでそれ以上の余地がないこと、また、その様子」です。日常生活でよく使う言葉ですが、ビジネスシーンをはじめとしたフォーマルな場面では使わない方がいい言葉なので、それぞれの場面に適した言葉や表現に言い換えましょう。