「きちんと」の言い換えは?ビジネスやレポート・論文で使える表現

「きちんと」は日常生活をはじめ、様々なシーンで使う言葉です。しかし「きちんと」にはいくつかの意味があるため、「きちんと」を使って表現すると、やや曖昧に捉えられてしまう場合も。伝えたいことを正確に伝えるための、シーンに合った言い換え表現をご紹介します。

「きちんと」の意味とは

「きちんと」の意味は「よく整っており、乱れたところのない様子」

「きちんと」には「よく整っており、乱れたところのない様子」「正確な、また、規則正しい様子」「隙間や過不足がない様子」「ぴったり」という意味があります。

「きちんと準備をする」「待ち合わせの時間にきちんと集まる」「決算の数字がきちんと合う」のように使います。

「きちんと」の類語は「ちゃんと」

「きちんと」の類語は「ちゃんと」です。「きちんと」は書き言葉(文語)、「ちゃんと」は話し言葉(口語)になります。

「ちゃんと」の意味は「少しも乱れなく、よく整っている様子」「確実で間違いのない様子」「結果が十分である様子」「すばやく動作をする様子」「さっと」です。

「ちゃんとした身なりをしている」「指示通りにちゃんとやる」「ちゃんと朝食を食べる」のように使います。

ビジネスやメールで使える「きちんと」の言い換え表現とは

「正確に」

「きちんと」を「正確な、また、規則正しい様子」の意味で使う場合には、「正確に」と言い換えることができます。

「その後の予定に差し支えますので、集合時間にきちんと集合してください」なら「その後の予定に差し支えますので、集合時間に正確にお集まりください」と言い換えが可能です。

「そつがない」

「そつがない」には「手落ちがない」「手抜かりがない」「無駄がない」という意味があります。

「彼女に資料をお願いすると、いつもきちんと準備してくれる」というような場合には、「彼女が準備する資料はいつもそつがない」と言い換えることができます。

ただし、「そつがない」は褒め言葉ではあるのですが、「合理的で抜け目がない」「無難だ」というネガティブなイメージに受け取られてしまう場合があります。また、上から目線で発言しているように取られてしまう可能性もあるので、目上の人や年上の人に対しては使わないようにしましょう。

「しかるべく」

「しかるべく」は「適当に」「いいように」「よろしく」という意味を持つ言葉です。漢字では「然るべく」と表記します。

「彼の行動は目に余るので、きちんと対応してほしい」という場合は、「彼の行動は目に余るので、しかるべく対応してほしい」と言い換えられます。

レポートや論文で役立つ「きちんと」の言い換え表現とは

「見事に」

「見事に」の「見事」の意味は「素晴らしい様子」「立派な様子」「巧みな様子」「鮮やか」「(反語的に用いて)完全である様子、すっかり」です。

「その実験をきちんとやり遂げた」なら「その実験を見事にやり遂げた」と言い換えができます。

「適切に」

「適切に」の「適切」には「状況や目的などにぴったり当てはまること」「その場や物事に相応しいこと、また、その様子」という意味があります。

「きちんと処理をしてもらわなければ困る」という場合なら「きちんと」を「適切に」と言い換えても意味はほとんど変わりません。

「整然と」

「整然と」の「整然」は「秩序正しく整っている様子」という意味の言葉です。「きちんと」を「よく整っており、乱れたところのない様子」の意味で使う場合、「整然と」への言い換えが可能です。

例えば「会議室の机をきちんと並べる」なら「会議室の机を整然と並べる」のように言い換えられます。

「きちんとした対応」の言い換え表現とは

「丁寧な対応」

「きちんとした対応」は「きちんと」の使用事例としてよく見られる表現です。「きちんとした対応」は「丁寧な対応」と言い換えることができます。「丁寧」の意味は「相手の立場や気持ちを十分に考えて、礼儀正しく細かな心遣いをする」です。

「お客様にはきちんとした対応を心掛けてください」という場合には「お客様には丁寧な対応を心掛けてください」と言い換えた方が、どう対応すべきかが明確に伝わります。

「慎み深い対応」

「慎み深い(つつしみぶかい)」は「心を引き締め、軽はずみな言動をしない」「遠慮がちで控えめである」という意味の言葉です。

「きちんとした対応」が指すものが「心を引き締め、軽はずみな言動をしない」ような対応である場合には、「慎み深い対応」と言い換えられます。

「今日は多くの方が来訪されるので、きちんとした対応をお願いします」なら「きちんとした対応」をそのまま「慎み深い対応」に言い換えると、指示が伝わりやすくなるでしょう。

まとめ

「きちんと」の意味は「よく整っており、乱れたところのない様子」「正確な、また、規則正しい様子」「隙間や過不足がない様子」「ぴったり」です。幅広いシーンで使える言葉であるがゆえに、伝えたいことが曖昧になってしまう可能性があるので、伝えたい内容に合わせて適宜言い換えましょう。