毎日の生活のなかで「困難」を感じることは多々あるのではないでしょうか。「困難」は、あまり歓迎できないネガティブな状況であるため、シーンによっては別の言葉に言い換えた方がいい場合があります。「困難」の一般的な言い換え表現をはじめ、ポジティブに言い換える表現もご紹介します。
「困難」の意味とは
「困難」の意味は「物事をするのが非常に難しいこと」
「困難」には「物事をするのが非常に難しいこと、また、その様子」「難儀」「苦しみ悩むこと」「苦労すること」という意味があります。
「チーム一丸となって困難に立ち向かう」「思わぬ困難な問題にぶつかる」「突然の大雨で電車が止まって困難した」のように使用します。
「困難」を英語に言い換えると「difficulty」
「困難」を英語に言い換える場合、よく使われる表現が「difficulty」です。複数形では「difficulties」となります。他に「obstacles」や「wall」「challenges」などを使う場合もあります。
「Can you tell me about a time when you had to overcome difficulties?(困難を乗り越えた経験をお持ちなら聞かせてください)」「I have hit a wall.(困難にぶつかる)」のように表現します。
「困難」の一般的な類語・言い換え表現とは
「厳しい」
「難しい」は「厳格で少しの緩みも許さない様子」「厳重である」「いい加減な対応が許されない様子」「困難が多く、大変な様子」「自然現象の程度著しい様子」「物事の状態が緊張、緊迫している様子」「隙間がなく密である」などの意味を持つ言葉です。
「毎日の生活が困難だ」なら「毎日の生活が厳しい」、「この先は困難な道になるだろう」なら「前途は厳しいだろう」のように言い換えることができます。
「厄介」
「厄介」の意味は「面倒なこと」「扱いに手数がかかり、煩わしいこと、また、その様子」「面倒をみること、また、世話になること」「他家に寄食すること」「居候(いそうろう)」です。
「困難なことに巻き込まれる」を「厄介なことに巻き込まれる」、「この複雑なデータを処理するのは困難だ」を「この複雑なデータを処理するのは厄介だ」と言い換えができます。
「難題」
「難題」には「 詩歌や文章を作るのに難しい題」「解決の難しい問題」「難問」「無理な要求」「無理な言いがかり」という意味があります。
「解決が困難な問題を押しつけられた」なら「難題を押しつけられた」、「軍縮は国にとって非常に困難なテーマだ」なら「軍縮は国にとって難題だ」と言い換えが可能です。
ビジネス・論文で役立つ「困難」のポジティブな言い換えとは
「挑戦しがいがある」
ビジネスシーンや論文などでは、ネガティブな表現を避けた方が、聞き手や読み手への働きかけに有効な場面があります。「困難」をポジティブに言い換える例をご紹介します。
ビジネスシーンにおいて、かなり達成する条件が厳しく、困難な案件があるとしましょう。それをただ「困難な案件」と言ってしまえば、取り組むにも気が重くなってしまいます。これを「挑戦しがいがある案件」と言い換えることで、ただ困難なのではなく、それを成し遂げた際には大きな達成感が得られるもの、という印象に変わります。
「やってやろう」という意欲が湧いてくる言い換え表現です。
「成長するための課題」
困難な課題に取り組むことは、成長につながります。課題をやり遂げるために試行錯誤し、諦めずに挑戦する課程では、様々なことを得られるはずです。
こうした背景から、「困難」は「成長するための課題」と言い換えることができるでしょう。
「自分の実力を測ることができる機会」
困難を感じる基準は、人それぞれです。自分にとっては困難に思える状況でも、自分よりも知識や技術、経験などが上の人からすれば、困難だとは思わないこともあります。
つまり、自分が困難だと思う状況や問題、課題によって、自分の実力がどれくらいの位置にあるのかを測ることができるのです。こうしたことから、「困難」を「自分の実力を測ることができる機会」と言い換えることができます。
「困難」を使った表現の言い換え表現とは
「困難な状況」→「辛い状況」
「困難」を使った表現として、よく目にする「困難な状況」という表現。「困難な状況」は「辛い状況」と言い換えることができます。
「辛い状況」は、「精神的にも肉体的にも、我慢できないほど苦しい状況。苦しさで耐えがたい状況」を意味します。
「先輩と後輩の板挟みになり、円滑に会議を進めるのが非常に困難な状況だ」というような場合、「先輩と後輩の板挟みになり、円滑に会議が進められず非常に辛い状況だ」のように言い換えが可能です。
「困難になる」→「容易でなくなる」
「困難になる」は「容易でなくなる」と言い換えられます。「容易でなくなる」の「容易」とは「たやすいこと」「やさしいこと、また、その様子」を意味します。つまり、「容易でなくなる」は「たやすくなくなる」「簡単ではなくなる」ことを示す言葉です。
「収入が減ったため、毎月支払いをするのが困難になる」なら「困難になる」の部分を「容易でなくなる」と言い換えてもほとんど意味は変わりません。
「困難に陥る」→「苦境に立たされる」
「困難に陥る(おちいる)」は「苦境に立たされる」に言い換えが可能です。「苦境に立たされる」には「苦しい境遇や立場に置かれること」という意味があります。
「不景気のあおりで、事業は困難に陥った」のような場合、「困難に陥った」をそのまま「苦境に立たされた」と言い換えることができます。
まとめ
「困難」の意味は「物事をするのが非常に難しいこと、また、その様子」「難儀」「苦しみ悩むこと」「苦労すること」です。一般的な言い換え表現に加え、ネガティブな表現を避けたい場合の言い換え表現も知っておくと役立ちます。