「丁寧」の言い換えとは?ビジネスや自己PRで使える表現

「丁寧」は様々なシーンで使われる使用頻度の高い言葉です。よく使う言葉こそ言い換え表現を知っておくことで、発言がマンネリ化せず、周囲の人に耳を傾けてもらいやすくなります。「丁寧」の言い換え表現をはじめ「丁寧」を使った表現の言い換えや、自己PRに役立つ言い換え表現などを解説します。

「丁寧」の意味とは

「丁寧」の意味は「細かい部分まで気を配ること」

「丁寧」の意味は「細かい部分まで気を配ること」「注意深く入念にすること、また、その様子」「言動が礼儀正しく配慮が行き届いていること、また、その様子」「文法で、話し手が聞き手に対し敬意を表す言い方(丁寧語)」です。

「叮嚀」と表記される場合もあります。

「丁寧」を使った例文

  • 大切な着物を丁寧にたたむ。
  • 貴重品を丁寧に扱う。
  • 彼女はこちらに向かって丁寧に頭を下げた。

ビジネスシーンで使える「丁寧」の言い換え表現とは

「丁重」

「丁重(ていちょう)」には「礼儀正しく手厚いこと、また、その様子」「注意が行き届いていて丁寧なこと、また、その様子」という意味があります。「鄭重」と表記する場合もあります。

「これはお客様から預かったお荷物ですので、丁寧に扱ってください」のような場合には「丁寧」を「丁重」と言い換えることが可能です。

「折り目正しい」

「折り目正しい」は「態度がきちんとしている様子」「礼儀作法にかなっている様子」「礼儀正しい」という意味の言葉です。

着物をたたむ際にできる折り目が語源となっており、着物を収納する際にきれいに折り目を整えてたたんでいる人は、きちんと行き届いた手入れができる人である、というところから生まれた言葉です。

「彼女の丁寧な所作は、家庭での教育の賜物だろう」なら「彼女の折り目正しい所作は、家庭での教育の賜物だろう」のように言い換えることができます。

「丹念」

「丹念」の意味は「細かい部分まで注意を払うこと」「心を込めて丁寧に行うこと、また、その様子」「入念」です。

「彼はその資料を一つ一つ丁寧に調べた」や「熟練の職人による丁寧な細工が見事だ」のような場合「丁寧」を「丹念」と言い換えられます。

「丁寧」を使った表現の言い換えとは

「丁寧にやる」→「細部まで気を配る」

「丁寧」を使った表現は色々あります。そのなかでも、よく使われる表現の言い換えをご紹介します。

作業を細かいところまで気を配りながらやる、という場合の「丁寧にやる」なら「細部まで気を配る」と言い換えることができます。

「貴重な美術品の梱包作業なので、丁寧にやる必要がある」というような場合なら「貴重な美術品の梱包作業なので、細部まで気を配ってやる必要がある」と言い換えが可能です。

「丁寧な仕事」→「きちんとした仕事」

「丁寧な仕事」もよく使われる表現です。「丁寧な仕事」は「きちんとした仕事」と言い換えることができます。

「きちんと」には「よく整っていて、乱れたところがない様子」「正確な、また規則正しい様子」「すきまや過不足のない様子」などの意味があります。

「彼女の丁寧な仕事ぶりは高く評価されています」なら「丁寧な」を「きちんとした」と言い換えても意味はほぼ同じです。

「丁寧に取り組む」→「真摯に取り組む」

「丁寧に取り組む」は「真摯に取り組む」と言い換えが可能です。「真摯」には「真面目で熱心なこと、また、その様子」「ひたむきなこと、また、その様子」という意味があります。

「彼がその問題に長年丁寧に取り組んできた結果、今回の偉業につながった」のような場合「丁寧に」を「真摯に」と言い換えることができます。

「丁寧な対応」→「温かい対応」

「丁寧な対応」は「温かい対応」と言い換えができます。「温かい対応」の「温かい」には「物が冷たくも熱くもない程よい状態」という意味の他に「思いやりがある」「いたわりの心がある」という意味があります。

「温かい対応」はこの「思いやりがある」「いたわりの心がある」の意味で使われ、思いやりやいたわりの心を持って対応することです。

「そのホテルの従業員たちは終始丁寧な対応だったので、とても満足のいく滞在になった」なら「丁寧な」を「温かい」と言い換えても、ほとんど意味は変わりません。

自己PRで短所を「丁寧」な長所に言い換える表現とは

「考えすぎる」→「慎重に考えて丁寧に行動できる」

就職活動のエントリーシートや面接では、短所を聞かれることがあります。これは、自分を客観的に見れているか、自分の短所を克服するためにどうしようとしているか、などを見るためです。短所は、見方を変えれば長所にもなるものです。「丁寧」に絡む短所を長所に言い換えられる表現をご紹介します。

例えば「考えすぎる」という短所。いろいろ考えすぎて、なかなか行動に移せないところは短所ですが、「慎重に考えてから丁寧に行動ができる」という長所だともいえます。

「考えすぎる」を長所に変える自己PR文例
「私の短所は、考えすぎてしまうところです。何でもよく考えて、いいと思ってからしか行動できないので、他の人に比べて行動に出るのが遅くなってしまうことが多いです。しかし、大学のサークルで文化祭の準備をする際に、皆からの提案を受けて予算を組むことになった時には、この短所が役立ちました。慎重に考えて丁寧に行動したことが功を奏し、限られた予算を無駄なく有効に使うことができたのです」

「仕事が遅い」→「仕事が丁寧」

ひとつひとつ確認し、間違いがないようにするからこそ仕事が遅くなってしまうというのであれば、「仕事が遅い」は「仕事が丁寧」と言い換えることができます。

「仕事が遅い」を長所に変える自己PR文例
「私は仕事が遅いのが短所です。間違いがないように、正確に仕事をこなしたいと思うがゆえに、資料や自分が入力したデータなどを何度も確認してしまいます。そのため、他の人に比べて仕事のスピードが遅いと思います。ですが、インターン中に上司から、”いつも正確で見やすい資料を作ってくれるから助かる、仕事が丁寧でいいね”と褒めていただきました。今は人より時間が掛かってしまいますが、丁寧に仕事をすることを心掛け続けながらも、入力スピードを早くする、あらかじめ確認する項目を整理して、確認スピードを上げるなどの努力したいと思っています」

「心配性」→「問題点に気づきやすく、計画的に丁寧な準備ができる」

「心配性」という短所は「問題点に気づきやすく、計画的に丁寧な準備ができる」長所であるともいえます。いろいろなことが心配になるからこそ、こうなったら困る、という問題点にも気づきやすく、問題が起こらないよう計画をきちんと立ててから行動することができます。

「心配性」を長所に変える自己PR文例
「私の短所は、心配性なことろです。もしも何か問題が起きてしまったら、と考えるとなかなか行動できず、新しいことを始めるにも二の足を踏んでしまうことが多いです。しかし、心配性だからこそ成功したこともあります。アルバイト先の書店でサイン会イベントに携わった際に、当日行列ができて近隣の店舗に迷惑が掛かってしまわないような対策を講じたり、先にイベントで混雑する可能性があることを説明に行ったり、雨天時の対応を考えたりと、心配事をなくすために先回りして段取りをしました。イベントはトラブルもなく大盛況で終えることができ、店長からも高く評価していただきました。このように、問題点に気づき、計画的で丁寧な準備ができることは、強みにもなると考えています」

まとめ

「丁寧」には「細かい部分まで気を配ること」「注意深く入念にすること、また、その様子」「言動が礼儀正しく配慮が行き届いていること、また、その様子」などの意味があります。言い換え表現も一緒に覚えて、シーンに合わせた適切な表現を選べるようになりましょう。