ついつい口にしてしまうことが多い「忙しい」という言葉。しかし「忙しい」という言葉にはネガティブなイメージがつきまとうため、ビジネスシーンや結婚式のような晴れの場で使うのは避けたい言葉でもあります。「忙しい」をポジティブに言い換えて、自分の気持ちを前向きにコントロールしましょう。
「忙しい」をポジティブに言い換える理由は?
「忙しい」の意味は「たくさんの用事に追われ暇がない」
そもそも「忙しい」には「たくさんの用事に追われ暇がない」「多忙である」「せかせかし、落ち着かない」「せわしない」などの意味があります。
「仕事が忙しくて、猫の手も借りたいほどだよ」のように、やらなければならない仕事や用事が山積みで、ゆっくりしている暇がない状況を指して使います。
ポジティブな言葉は心も前向きにする
「忙しい」という状況では、人は精神的にも時間的にも追い詰められて余裕がない状態にあります。そのような状況では、ストレスを抱え、心身ともに不調をきたす恐れもあるため、「忙しい」はネガティブなイメージが強い言葉です。
ネガティブな言葉を使うと、余計に心が疲弊してしまい、周囲にも余裕がない人と認識されてしまいます。逆に、ポジティブな言葉は気持ちを前向きにさせ、自己肯定感を高めてくれます。
「忙しい」状況は素直に受け止めるべきですが、言葉にする際にはポジティブな言葉に置き換えてみると、自分を鼓舞することができ、より高みを目指す力が生まれます。
ビジネスシーンで使いたい「忙しい」のポジティブ言い換えとは
「立て込んでいる」
ビジネスシーンのみならず、「忙しい」と直接言ってしまうと角が立ちます。自身の状況を聞かれたり説明したりする際には、「忙しい」を「立て込んでいる」と言い換えるとよいでしょう。
たとえば、今は忙しくて依頼が受けられないという場合には「今は抱えている案件が立て込んでおり対応が難しいのですが、来週でしたら対応できます」のように言い換えられます。
「充実している」
「最近はどうですか?」「忙しそうですね」などと状況を聞かれた場合に使える「忙しい」の言い換え表現が「おかげさまで充実しております」です。
「充実」には「必要なものが十分に備わること」「中身がいっぱいに満ちていること」という意味があります。仕事が詰まって忙しい状態でも、「充実している」と言い換えるだけで、ポジティブなイメージに変わります。
「大丈夫」
「大丈夫」は「忙しい」と直接的な意味は違いますが、自らの口であえて「大丈夫」と言うことで、自分を奮い立たせ、仕事の質を上げる効果が期待できます。
精神的な余裕を奪い、仕事の質の低下やミスを招いてしまう「忙しい」という言葉に換えて「大丈夫」と口にすることで、気持ちに余裕が生まれ、落ち着いて仕事に向き合うことができるでしょう。
結婚式で使いたい「忙しい」のポジティブ言い換えとは
「忙しい」は忌み言葉
慶事や弔事には「忌み言葉」と言われる言葉があります。忌み言葉とは、縁起を担いだり、関わる人を不安にさせたりしないために避けるべき言葉のことです。
「忙しい」には、漢字に「亡」という「なくなる」「ほろびる」などの意味を持つ字が入っているため忌み言葉とされおり、結婚式では避けた方が無難です。
「ご多用」
「ご多用」は「ごたよう」と読み、「忙しい」「多忙」という意味を持つ「多用」の丁寧な表現です。忙しいことや用事が多いこと、特に目上の人が忙しくしている場合などを指して使います。
結婚式では、たとえば「本日はお忙しいなか、ご出席を賜りありがとうございます」と言いたい場合には「本日はご多用のところ、ご出席を賜りありがとうございます」と言い換えます。
「頼られている」
結婚式でスピーチやコメントを求められ、新郎や新婦が「いつも忙しくしていた」と言いたい場合には「いつも頼られていました」のように言い換えることができます。
「忙しい」という言葉自体はよく使われるものであり、すべてを言い換えるのは難しい場合もあるでしょう。結婚する当事者として、プロフィール映像のテロップや自己紹介などで「忙しい」と書く場合には、ひらがなで「いそがしい」とする方法もあります。
「忙しい」の英語表現「busy」の言い換えとは
「slam」
「忙しい」を英語で表現しようと思った時、最初に思い浮かぶのは「busy」ではないでしょうか。「busy」には「忙しい」「多忙な」「慌ただしい」「賑わっている」などの意味がありますが、実は「busy」以外にも色々な種類の忙しさを表現できるフレーズや句動詞があります。
「slam」は「叩きつける」「(~を)バタンと閉める」などの意味を持つ単語ですが、「バタバタしている」「忙しさに打ちのめされている」という意味でも使われます。
「今仕事が忙しくてバタバタしているんだ」と言いたい場合には「 I’m slammed at work right now.」と表現できます。「busy」よりも忙しい状況を指すので、「かなり忙しい」と言いたい時に使いましょう。
「tied up」
「tied up」は忙しさを表すイディオム。「身動きが取れないほど忙しい」「忙しくて他に何もできない」という意味で使います。元々の意味は「強く縛る」「縛り上げる」で、そこから「身動きが取れないほど忙しい」という意味につながっています。
「彼は新しいプロジェクトで他に手が回らないほど忙しい」と言いたい時は「tied up」を使って「He’s tied up with his new project.」と表現できます。
その他の「忙しい」の英語表現
「忙しい」の英語表現は他にもあります。
- a full plate…直訳すると「お皿が一杯になっている」ですが、仕事やタスクなどでスケジュールや仕事量が一杯になっていることを意味するイディオムです。「a lot on my plate」ともいいます。「I’d love to help you but I have a full plate right now.(手伝いたいですが、今は手一杯です)」
- overwhelm…意味は「(精神的に)圧倒する」「参らせる」ですが、「仕事に追われている」状況を表すのにも使えます。「Don’t overwhelm yourself with work.(仕事をし過ぎないように)」
- on the go…いつも忙しく動き回っている様子や、働きづめの状況を表すのに使えます。「He seems to be on the go every weekend.(彼は毎週末忙しそうだ)」
まとめ
精神的にも時間的にも追い詰められて余裕がない状態を指す「忙しい」は、ネガティブなイメージでとらえられることも多い言葉です。ビジネスシーンや結婚式など、ポジティブなイメージを残したいシーンでは、前向きにとらえられる言葉に言い換えてみましょう。