「見る」の意味は一つではありません。そのため、様々な場面で使われています。「見る」が持つ意味をはじめ、ビジネスシーンで使える敬語表現や、レポートや論文で使える言い換え表現などを解説します。熟語の言い換え表現も紹介していますので、参考にしてみてください。
「見る」の意味とは
「見る」にはたくさんの意味がある
「見る」または「みる」は、たくさんの意味を持つ言葉です。使い方の例とともに、その意味をご紹介します。
「見る」と「視る」「観る」の違い
「みる」という言葉に当てる漢字として一般的なのは「見る」ですが、特定の状況を強調したい場合には「視る」や「観る」が使われる場合があります。
「視る」は、対象の一点に特に集中して詳細を見ることを表します。「県知事が災害の現場を視る」のように、現場を注意深くみるような場合に使います。
「観る」は、対象に意図的に目を向け、理解しようと形や様子を探ることを表します。「見る」が無意識による受動的なものであるのに対し、「観る」は「話題のお芝居を観た」のように能動的(自ら進んで)に見る場合に使います。
「見る」のビジネスシーンで使える敬語への言い換えとは
「見る」の尊敬語は「ご覧になる」
敬語を使うことが多いビジネスシーン。「見る」の敬語表現も覚えておきましょう。「見る」の尊敬語は「ご覧になる」です。尊敬語とは、自分よりも目上の人に対して使う敬語です。
「先日お送りした資料はご覧いただけましたでしょうか」や「こちらの画面をご覧ください」のように使用します。
謙譲語では「拝見する」
「見る」の謙譲語は「拝見する」です。謙譲語とは、目上の人に対し自分をへりくだって表現する敬語です。「拝見する」は「見る」という意味で使われるだけでなく、「会う」という意味で使われることもあります。
「お手紙を拝見しました」「いただいた見積書を拝見しました」のように使います。
丁寧語は「見ます」「見せてください」
「見る」を丁寧語にする場合は「見ます」や「見せてください」となります。丁寧語とは、語尾に「です」「ます」「ございます」をつけたり、言葉の先頭に「ご」や「お」をつけたりして、丁寧にした言い回しのことです。
「毎朝この橋の上から景色を見ます」や「その本を見せてください」のように使用します。
レポートや論文で使える「見る」の言い換え表現とは
「見て取る」
レポートや論文では、文語を使いきちんとした文章を書く必要があります。また、同じ表現ばかりでは単調になってしまうので、「見る」も文脈や伝えたい内容に合わせて言い換えてみましょう。
「見て取る」には「見てそれと知る」「認める」「見ただけで事情を感じ取る」「見抜く」という意味があります。「実験の結果、このような事実が見て取れた」「彼らは私がこの件に関し無知だと見て取り、途端に侮るような態度を取り始めた」のように使います。
「注視する」
「注視」の意味は「注意深くじっと見ること」です。特定の物事、事象を注意深く見るという状況を表す言葉です。
「事の成り行きを注視する」「市場の変動を注視し、しかるべきタイミングを逃さないようにしなければならない」のように使用します。
「評する」
「見る」を「観察して判断する」という意味で用いる場合、「評する」とも言い換えることができます。「評する」には、「人物や事物について、その善悪や価値などを論じ定める」という意味があります。
「彼をいい加減な人物だと評する人もいるが、私はそうは思わない」「この結果をどのように評するべきか、まだ判断がつかない」のように使います。
「見る」を言い換える熟語とは
「観覧」
熟語とは、二字以上の漢字が結合し、一語となっているもののことです。「見る」を言い換えられる熟語は数多くあります。
「観覧」は「見物すること」という意味の熟語です。芝居や景色、絵などを見る場合に使います。「特別席で花火を観覧する」「観覧席のチケットが取れた」のように使用します。
「確認」
「確認」には「はっきり認めること」「そうであることをはっきり確かめること」という意味があります。「見る」を「調べる」「確かめる」という意味で使う場合に言い換えができる熟語です。
「安全を確認しながら進む」「上長の確認が取れてからでなければ動けない」のように使います。
「凝望」
「凝望(ぎょうぼう)」は「目を凝らして眺めること」「じっと遠くを見つめること」という意味の熟語です。注意を払って見る、という場合に「凝望」と言い換えることができます。
「彼はそれを凝望していた」「彼女が凝望している先に何があるのだろうか」のように使用します。
まとめ
「見る」にはたくさんの意味があります。それぞれの意味に沿った言い換え表現を使うことで、表現の幅が広がります。ビジネスシーンでは、尊敬語、謙譲語、丁寧語のどの敬語表現もよく使われますので、使い方も含めしっかりと覚えておきましょう。