「必要」は日常生活でも、ビジネスシーンや論文・レポートなどでも使用頻度の高い言葉です。よく使われる言葉だけに、同じ言い回しばかりでは単調に聞こえてしまったり、工夫がないととらえられてしまったりすることもあります。シーンに応じた言い換え表現を知って、表現の幅を広げましょう。
「必要」の意味とは
「必要」の意味は「なくてはならないこと」
「必要」には「なくてはならないこと」「欠くことができないこと」「どうしてもしなければならないこと、また、その様子」などの意味があります。
「必」には「必ず」「きっと」「間違いなく」という意味があり、弋(よく)という杭が折れないように紐で締めている様子を象った象形文字です。「要」は「かなめ」「大事なところ」などの意味があり、人が両手で腰を押さえている様子に象り、腰や腰に帯を締めているという意味を表します。
「必要」を使った言い回し
- 朝一番に会議があるので、急いで準備をする必要がある。
- 世論を踏まえて、実験結果を公表する必要性があると判断した。
- あの場所でイベントを行うなら、事前の許可が必要だと思う。
「必要」のビジネスで使える類語・言い換え表現とは
「必須(ひっす)」
「必須(ひっす)」の意味は「必ず用いるべきこと」「欠かせないこと、また、その様子」です。本来は「須」を「しゅ」と音読みし「ひっしゅ」と読んでいましたが、読み間違えの「ひっす」が広く使われるようになり、「慣用読み(慣用音を用いた読み方)」として定着しました。
「どうしても出掛けるというのなら、彼と一緒に行くことが必須条件だ」「この学部を受験するなら、物理は必須だ」のように使用します。
「所要(しょよう)」
「所要(しょよう)」は「あることをするために必要とすること」「必要とされるもの」「為すべき条件」という意味を持つ言葉です。
「入寮するのなら、所要の手続きを取らなければならない」「目的地までの所要時間は、約三時間です」のように使います。
「不可欠(ふかけつ)」
「不可欠(ふかけつ)」には「欠かせないこと」「それなしでは済まないこと」「ぜひ必要なこと」「なくてはならないこと、また、その様子」という意味があります。
「目標を達成するためには、彼の協力が不可欠だ」「この病気を克服するためには、毎日の薬の服用が不可欠です」のように使用します。
論文・レポートで使える「必要」の言い換え表現とは
「須要(しゅよう)」
「須要(しゅよう)」の意味は「なくてはならないこと」「欠くことができないこと」「どうしても必要なこと、また、その様子」です。「すよう」と読む場合もあります。
「須要な物資を揃えるために奔走した」「彼にこの件の承諾を得ることが、須要であり急務だ」のように使います。
「要用(ようよう)」
「要用(ようよう)」には「必要なこと」「差し迫って必要なこと」「どうしても必要な様子」「重要な用事」「必要な用事」という意味があります。手紙や文書などで、挨拶を省いて大事な用件だけを伝えたいといった場合に、「まずは要用のみ」「取り急ぎ要用のみにて失礼いたします」などのように使われることが多い言葉です。
他にも「それは君には要用ではない」「論文の中の要用な点を抜き出した」のように使用します。
「肝要(かんよう)」
「肝要(かんよう)」は「非常に重要なこと」「最も重要なこと、また、その様子」などの意味を持つ言葉です。
「まずは自立して、自分の力で生きていけるようになることが肝要だ」「機密事項を託せる人物なのか見極めることが肝要だ」のように使用します。
「必要」を使った言い回しの言い換え表現とは
「必要がある」は「欠かせない」
「必要」はいろいろな言い回しで使われますが、よく使われる言い回しのひとつに「必要がある」があります。「必要がある」を言い換える場合、「欠かせない」「なくてはならない」などに言い換えることが可能です。
「今日中にレポートを提出する必要がある」なら「今日中にレポートを提出しなければならない」のように、「ケーキを作るためには小麦粉を用意する必要がある」なら「ケーキを作るためには小麦粉が欠かせない」のように言い換えることができます。
「必要な時に」は「臨機に」
「必要な時に」もよく使う表現です。「必要な時に」は「臨機に」や「必要に応じて」などに言い換えができます。「臨機」とは「その時、その場に応じて適切な手段を取ること」という意味の言葉です。
「助けが必要な時にお呼びください」なら「必要に応じて助けをお呼びください」のように、「必要な時に必要な対応を取ることが大事だ」なら「臨機応変な対応を取ることが大事だ」のように言い換えができます。
まとめ
「必要」の意味は「なくてはならないこと」「欠くことができないこと」「どうしてもしなければならないこと、また、その様子」などです。「必須」や「所要」「不可欠」などに言い換えることができます。「必要がある」を「欠かせない」と言い換えられるように、「必要」を使った言い回しの言い換え表現も一緒に覚えておくと役立つでしょう。