「役に立つ」の言い換えとは?ビジネスや論文で使える丁寧な表現

「役に立つ」は、日常生活でもビジネスシーンでもよく使われる言葉です。しかし、ビジネスシーンにおいては、日常会話とは違った丁寧な表現が必要な場面が大半を占めています。「役に立つ」のビジネスシーンや面接をはじめ、論文を書く時にも役立つ言い換え表現をご紹介します。

「役に立つ」の意味とは

「役に立つ」の意味は「使って効果がある」

「役に立つ」には「使って効果がある」「有用である」「その役に適している」「用が足りる」などの意味があります。

「彼は非常に役に立つ人材だ」「資格を取っていれば、将来きっと役に立つだろう」「この本には生活の役に立つ情報がたくさん紹介されている」のように使用します。

「役に立つ」を英語に言い換えると「useful」

「役に立つ」を英語に言い換える場合、よく使われる表現が「useful」です。「useful」には「役に立つ」「有用な」「実用的な」などの意味があります。「役立つ」「助けになる」「有益な」「参考になる」などの意味を持つ「helpful」も、よく使われる表現です。

「useful」は「あるものが役に立つ」という場合に使われるのに対し、「helpful」は「その人自身、またはその人の行動が役に立つ」という場合に使われます。

  • This machine is so useful.(この機械は本当に役に立つ)
  • His advice was very helpful.(彼のアドバイスはとても役に立った)

ビジネスで使える「役に立つ」の丁寧な言い換え表現とは

「お役に立てれば幸いです」

ビジネスシーンでは、敬語を使った丁寧な表現を使うことが求められます。「自分が役に立ちたい」という気持ちを表せる言い換え表現をご紹介します。

「お役に立てれば幸いです」は、自分の手助けや提供できる情報、サービスなどが相手の役に立つことを願う表現で、相手を敬う謙虚な気持ちを表すことができます。

「こちらの資料が今回の会議のお役に立てれば幸いです」「この提案がプロジェクト推進のお役に立てれば幸いです」のように使用します。

「尽力いたします」

「尽力いたします」の「尽力」とは「ある目的の実現のため力を尽くすこと」「精一杯努力すること」を意味します。「尽力いたします」は「目的実現のためや、役に立つために力を尽くします」という気持ちを丁寧に表す表現です。

相手により尊敬の気持ちを伝えたい場合には、謙譲語の「参ります」を使い「尽力して参ります」としてもよいでしょう。

「必ずやご満足いただけますよう、尽力いたします」「今後もより一層、尽力して参ります」のように使います。

「ご期待に沿えるよう努力いたします」

「ご期待に沿えるよう努力いたします」の「ご期待に沿う」は「相手が期待する内容や要求から離れないよう、付き従う」ことを意味しています。「沿う」を「添う」と表記する場合もあり、どちらを使っても問題ないとされています。

「沿う」には「基準や方針となるものに従い、離れないように何かを行う」という意味があり、「添う」には「そばを離れずにいる」「親しく交際する」などの意味があります。ビジネスシーンでは「沿う」のニュアンスで使う場合が多いため「ご期待に沿う」を使えば間違いありません。

「皆様のご期待に沿えるよう努力いたします」のように使い、「努力いたします」を「精進いたします」に言い換えても大丈夫です。

就活の面接で使える「役に立つ」の言い換え表現とは

「糧となる」

就職活動の面接では、自分が経験してきたことのなかで「役に立った」ものについて述べる機会が多くあります。そうした場面で使える言い換え表現をご紹介します。

「糧(かて)となる」の「糧」には「米や麦などの主食」「精神や活力の源」「豊かにし、力づけるもの」という意味があります。「糧となる」は、ある経験や教訓などが、自分が成長するための力になったことを示す表現です。

「この留学を通して得た経験は、今の私の糧となっています」「この時の失敗が糧となり、次の大会では優勝をすることができました」のように使用します。

「財産になる」

「財産」には「個人や団体などが所有する資産」という意味の他に「金銭的価値、精神的価値どちらも含む、ある者にとって価値があるもの」という意味があります。「財産になる」は、自分が経験してきたことが価値あるものになることを表す表現です。

「インターンシップで営業の仕事を経験した時は、なかなか契約が取れず、毎日壁にぶつかり、もがきました。試行錯誤を重ね、初めて契約が取れた時には涙が出るほど嬉しかったです。この時の経験は、私の大切な財産です」のように使います。

「力になる」

「力になる」も「役に立つ」を言い換えられる表現です。「力になる」は「頼みどころになる」「助けになる」「人のために骨をおる」「尽力する」などの意味を持ちます。

「アルバイトで得た経験と知識は、私の大きな力になりました」「ボランティア活動を通して、人の力になる喜びを知りました」のように使用します。

論文やレポートで使える「役に立つ」の言い換え表現とは

「貢献する」

「貢献する」には「ある物事や社会のため、役に立つよう尽力すること」「貢ぎ物を奉ること、また、その品物」という意味があります。

「この実験結果は、仮説の立証に大きく貢献した」「現在進行中のプロジェクトが成功すれば、環境保護に大きく貢献できるでしょう」のように使います。

「利便性のよい」

「利便性のよい」の「利便性」の意味は「便利であること」「便利さの程度」「便利さ」です。「利便性のよい」は「便利さの程度がよい」ことを表します。

「利便性のよさのみを追求するのではなく、環境にも十分に配慮した都市開発を提案したいと思っています」「少しのリフォームで利便性のよい暮らしを手に入れられるだろう」のように使用します。

まとめ

「役に立つ」の意味は「使って効果がある」「有用である」「その役に適している」「用が足りる」などです。自分が役に立ちたいことを丁寧に表現するなら、「お役に立てれば幸いです」や「尽力いたします」などに言い換えることができます。正しく意味が伝わるよう、状況に応じて最適な表現をしましょう。