日本語には「書き言葉」と「話し言葉」という分類があります。「書き言葉」と「話し言葉」には、それぞれ特徴があり、使うシーンも違います。この記事では「書き言葉」とはどんなものなのかをはじめ、使い方や「話し言葉」との違いを解説。英語では「書き言葉」は何というのかも一緒に解説します。
「書き言葉」とは
「書き言葉」とは「文章を書く時に使う言葉」
「書き言葉」は「文語」ともいいます。主に文章を書く時に使いますが、ビジネスシーンをはじめフォーマルな場では、会話をする際にも「書き言葉」を使うことがあります。
正確に情報を伝えるために、文法に準じた丁寧な言葉になっており、そのぶん堅苦しさもある言葉です。
「話し言葉」は「会話をする時の言葉」
「話し言葉」は「口語」ともいいます。主に普段の会話をする時に使う言葉で、円滑なコミュニケーションを重視した”伝える”ための言葉なので、親しみやすさがあります。
文法にはさほどこだわらず、方言を使ったり、言葉を省略したりすることもある、くだけたカジュアルな言葉です。
「書き言葉」の特徴とは
正しい文法で、情報が正確に伝わる
「書き言葉」の特徴のひとつが、正しい文法が使われていることです。情報を正確に伝えることを目的としているため、余計な表現を省いた、簡潔な表現になっています。
読み手を限定しない新聞や書籍をはじめ、ビジネス文書や公的な文書で使われ、普段「書き言葉」を使い慣れていない人にとっては、あまり使わない堅苦しい言葉のため理解に時間がかかる場合もあります。
読み返すことができ、勘違いや誤解が少ない
文章を書く時の基本は「書き言葉」です。「話し言葉」に比べ文法の誤りも少なく、内容も書き手によって吟味されます。
また、内容を読み返すなかで間違いや誤解を招きそうな表現があれば、正確に書き直し、正しく伝わるようにすることができるので、勘違いや誤解を招く可能性が少ないという特徴があります。
硬い表現になり、親しみづらい
「書き言葉」はもともと正確さに要点を置いており、コミュニケーションを目的としたものではないため、硬い表現が多くなります。
「話し言葉」のように、柔らかい印象を与えるクッション言葉や、感情が伝わる感嘆詞なども使われないため、親しみづらい印象です。
「書き言葉」と「話し言葉」の違いとは
代表的な「書き言葉」と「話し言葉」の違い一覧
代表的な「書き言葉」と「話し言葉」の違いを一覧でご紹介します。
書き言葉 | 話し言葉 |
急速に | どんどん |
まったく | 全然 |
おそらく | たぶん |
さらに | もっと |
次第に・徐々に | だんだん |
約・およそ | だいたい |
色々な・様々な | いろんな |
何故か | なんか・なんだか |
少し | ちょっと |
~が | ~けど |
このような・そのような・あのような | こんな・そんな・あんな |
だ・である | です・ます |
そのため・したがって | ですから・だから |
「書き言葉」と「話し言葉」を使い分けるポイント
「書き言葉」を使う場面として適切なシーンの例は以下の通りです。
「書き言葉」は「文章を書く時に使う言葉」、「話し言葉」は「会話をする時の言葉」という分類ではありますが、文章を書く場合でも、SNSやブログ、仲の良い友人宛のメールやエッセイ、キャッチコピーなど、「話し言葉」を使うこともあります。
不特定多数の人が読む文章では「書き言葉」、口頭で伝える場合でも、ニュースや講義などは「書き言葉」を使うといったように、伝える内容や相手によって、相応しい言葉を選びましょう。
「書き言葉」を「話し言葉」に言い換える時の注意点
「書き言葉」を「話し言葉」に言い換える場合には、逆の場合よりも文法上の間違いは容認されるので、そこまで気にする必要はありません。
「書き言葉」を「話し言葉」にするメリットは、柔らかさやテンポの良さ、親しみやすさなどを加えられるという点です。その点を踏まえて、硬さを解いていくことを意識しながら言い換えを行いましょう。
「書き言葉」の英語表現とは
「書き言葉」は英語で「written language」
「書き言葉」は英語で「written language」と表現します。他に「formal language」や「a literary expression」と表現する場合もあります。
「話し言葉」は「spoken language」や「colloquial language」「informal language」などと表現するのが一般的です。
「書き言葉」の英語表現を使った例文
- Is this appropriate in written language?(これは書き言葉として適切ですか?)
- These expressions are usually only used in written word.(これらの表現は、普通は書き言葉としてしか使われない)
まとめ
「書き言葉」は「文語」ともいい、主に文章を書く時に使います。文法に準じた丁寧な言葉で、堅苦しさはありますが、正確に情報を伝えるのに適した言葉です。ビジネスシーンをはじめとしたフォーマルな場では、会話をする際にも「書き言葉」が使われる場合があります。