【時候の挨拶】2月上旬・中旬・下旬やビジネス文書、結びの使い方

2月の初旬には、暦の上では春が始まる立春が訪れますが、実際の季節感は一年のうちで最も寒いのが2月です。2月は「春とはいえ寒い時期」という時候の挨拶が多くなります。

ここではそのような2月の「時候・季節のあいさつ」を取り入れたビジネスレターの書き方を具体的に紹介します。

2月の時候の挨拶一覧(上旬・中旬・下旬)と使い方

2月の時候・季節の挨拶一覧

  • 向春の候
  • 立春の候
  • 春寒の候
  • 梅花の候
  • 梅のつぼみもふくらみ始めましたが
  • 寒さなお厳しき折り
  • 春とは名ばかりの風の寒さですが
  • 余寒ことのほか厳しい今日このごろ

2月の時候・季節の挨拶は漢語調・口語調の2つ

「時候・季節のあいさつ」には、どの月でも共通して、「〇〇の候」という漢語調と、語りかける口語調の2種類があります。

2月の挨拶では、上旬・中旬・下旬で適切な挨拶が異なるため、今回の記事ではそれぞれの時期にあった表現を紹介します。また、手紙の基本的な書き方や構成の仕方を確認したい場合には、以下の記事を参考にしてください。
「時候の挨拶」「季節の挨拶」の書き方とビジネス例文!月別も紹介

2月の「の候」を使った漢語調の「時候・季節の挨拶」

「向春の候」:2月全般

「向春の候」(こうしゅんのこう)とは、春が訪れようとしている時節という意味です。2月全般に使えます。

「立春の候」:2月初旬~中旬

「立春の候」(りっしゅんのこう)の「立春」は、2月4日頃から2月18日頃の期間を指しますので、その期間に使います。

「春寒の候」:2月中旬~3月全般

「春寒の候」(しゅんかんのこう)とは、立春後になお寒さが残る時節の意味です。立春が過ぎて3月位まで、寒さが続く季節に使います。

「梅花の候」:2月全般~3月全般

「梅花の候」(ばいかのこう)は、2月から3月の梅の花が咲く時期に使います。桜の花が咲き始める少し前まで用いるのがよいでしょう。

 2月の時候・季節の挨拶:口語調編

「口語調の時候・季節の挨拶」はビジネスでも使える

口語調の慣用句は、漢語調では固すぎると感じる場合など、ビジネスレターでも使うことができます。口語調の挨拶に合わせて、全体の口調も統一するように注意しましょう。

【2月全般】の慣用句と結びの言葉

例①

寒さなお厳しき折り、〇〇様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素は多大なご指導を賜り、心から感謝いたしております。
<本文>
時節柄、どうかお元気でお過ごしくださいますよう、お祈り申し上げます。
まずは略儀ながら、書中をもってお知らせいたします。

例②

梅のつぼみもふくらみ始めましたが、皆様にはお元気でご活躍のこととお喜び申し上げます。
いつもお引き立てを賜り、まことにありがとうございます。
<本文>
時節柄、皆様にはくれぐれもご自愛のほどお祈りいたします。
まずはとり急ぎお知らせまで。

【2月中旬~下旬】の慣用句と結びの言葉

例①
春とは名ばかりの風の寒さですが、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
いつも身に余るお力添えをいただきまして、厚くお礼申し上げます。
<本文>
余寒厳しき折、皆様の一層のご健康をお祈りいたします。
まずはとりあえずご挨拶申し上げます。
例②

余寒ことのほか厳しい今日このごろ、皆様にはいよいよご清祥の由、心からお喜び申し上げます。
平素は格別のご愛顧にあずかり、厚くお礼申し上げます。
<本文>
時節柄、一層のご自愛のほど、お祈りいたします。
まずは書中にてお知らせいたします。

2月の時候の挨拶・季節の挨拶:ビジネス文書での使い方・例文

2月の時候の挨拶:ビジネス文書の書き方

2月の「時候・季節の挨拶」のうち、「〇〇の候」というビジネスに使いやすい漢語調の慣用句を紹介します。「候(こう)」とは、時節や時季を表す言葉です。

「拝啓 〇〇の候、貴社ますますご繁栄のことと心からお喜び申し上げます。」というように書きだしましょう。

結びの言葉まで含めた「の候」の文例

拝啓 向春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 平素は格別のご高配を賜り、心から感謝いたしております。

さて、(主文)
つきましては、(主文)

末筆ながら貴社の一層のご発展をお祈り申し上げます。
まずは略儀ながら書中にてお知らせいたします。

敬具

上記は、「拝啓」に続いて時候の挨拶と礼儀文を入れ、結びの言葉のあとに「敬具」を入れて終わるビジネスレターの文例です。

儀礼文や結びの言葉など慣用句のバリエーションは<「時候の挨拶」「季節の挨拶」の書き方とビジネス例文>にも掲載されていますので、参考にしてみてください。

2月の挨拶:「招待状」の例文

拝啓 向春の候、〇〇様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。

さて、このたび…  を下記の通り開催いたします。
つきましては、…  ご多忙中まことに恐縮ではございますが、ぜひご出席賜りますよう、お願い申し上げます。

敬具

日時:
場所:

2月の挨拶:「お礼状」の例文

拝啓 早くも梅の花が咲く季節となりましたが、〇〇様にはお元気でお過ごしのこととお喜び申し上げます。
 さて、このたびはご多忙中にもかかわらず、… にご出席いただき、まことにありがとうございました。
 これからも…

今後ともご指導ご鞭撻のほど、 よろしくお願い申し上げます。時節柄、皆様にはくれぐれもご自愛のほどお祈りいたします。
まずはとり急ぎ書面にて、お礼申し上げます。

敬具

まとめ

2月の時候の挨拶は、春に向かいながらも寒さが残ることを表す言葉が多くなります。梅の花や梅のつぼみは2月に使える季語ですので、華やかな文面にしたい時などに上手に使ってみてください。また、2月は一年のうちでも最も寒い時期なので、健康を祈る言葉を添えるとよいでしょう。