「お大事に」の意味と使い方とは?ビジネスメールにも使える敬語も

体調を崩した時や怪我をした時に「身体を大事にして下さい」という意図で使われるのが「お大事に」。職場やビジネスシーンでも使われる言葉ですが、メールを送る時や目上の人に言葉をかける時は、どのような表現を用いるべきなのでしょうか?

ここでは「お大事に」の意味、また敬語表現や外国語(英語、中国語、韓国語)での表現を紹介します。

「お大事に」がもつ2つの意味

「お大事に」の意味は「早く治りますように」

「お大事に」はほとんどの場合で「体調を気遣う」意図で使われ、「病気やケガなどが一日も早く良くなりますように」「どうぞ体を大切にして下さい」などの意味があります。

また「お大事に」は「お大事にして下さい」という一文が省略された表現となりますが、相手の不調に対して心から回復を祈っていることを伝えることができる言葉です。

「お大事に」のもう一つの意味は「大事になりませんように」

「お大事に」には「身体を大事にして下さい」という意味の他にもう一つ別の意味ががあります。「お大事に」の「大事」は「おおごと」や「大変なこと」という意味があり、「おおごとになりませんように」「大変な事態に陥りませんように」という祈りが込められた言葉でもあります。お見舞いをする時に「(大事に至らぬよう)、どうぞゆっくり休んで治療に専念してください」という気持ちを「お大事に」で表現してみましょう。

メールでも使える!「お大事に」の敬語表現の使い方・例文

「くれぐれもお大事になさってください」の使い方と例文

「くれぐれもお大事になさってください」は「お大事になさってください」に「くれぐれも」を付けた敬語表現で、より丁寧に気遣いの気持ちを相手に伝えることができます。「くれぐれも」は「心から懇願する」という意味で使われることが多く、「お大事になさってください」という気遣いの気持ちをさらに強調することができるでしょう。

例文
  • 体調はいかがですか?くれぐれもお大事になさってください。
  • くれぐれもお大事になさってください。メンバー一同、一日も早いご回復を祈っております。

「どうぞお大事にお過ごしください」の使い方と例文

「どうぞお大事にお過ごしください」は、病気やケガで治療中の時に「ゆっくり専念して下さい」「ゆっくり時間を過ごしてください」という気持ちが込められています。

例文
  • お怪我の回復は順調ですか?どうぞ大事にお過ごしください。
  • どうぞお大事にお過ごしください。また、どうぞご無理をなさいませんように。

「ご無理をなさらずお大事になさってください」の使い方と例文

「ご無理をなさらずお大事になさってください」は「どうぞ時間を気にせず身体をゆっくり休めて下さい」「無理をしないで身体を大事にして下さい」という思いが伝わる表現です。

一日も早く仕事や社会復帰を目指す上司に対してなら「我がチームは大丈夫ですので、心配しないでください」という意思表示と共に安心させてあげましょう。

例文
  • 大変ですが何とか頑張っています。ご無理をなさらずお大事になさってください。
  • ご無理をなさらずお大事になさってください。今は治療に専念することが大切だと思います。

「お大事に」だけでも間違いではない

「お大事に」という表現は、相手の受け止め方によっては「敬語表現」として成り立つこともあります。なぜなら「お大事に」の一言が実際は「お大事になさって下さい」という敬語表現の省略形だからです。

しかし、「お大事に」よりも「お大事になさってください」としたほうが、相手によっては「私の身体を心配してくれている」「早く良くなって欲しいと祈ってくれている」と丁寧な形で気持ちが伝わる場合もありますので、相手との関係性によって使い分けましょう。

「お大事に」の類語・言い換え表現

風邪や怪我をした相手に送る「お大事に」の言い換え例

  • 一日も早く職場に復帰されることをお祈りしております。
  • 全快される日を楽しみにしております。
  • くれぐれもご無理をなさらないようにお願い申し上げます。

一般的に体調を気遣う場合の「お大事に」の言い換え例

  • 季節の変わり目でございますが、どうぞお身体を大切になさってください。
  • 朝晩冷え込みが厳しくなってきておりますが、どうぞご自愛くださいませ。

「お大事に」の返事はどうする?

どの場面にも使える返し方

「お大事に」と言われたときののオーソドックスな返事は、「ありがとうございます」になります。「お大事に」の返事に必要なことは、相手が気遣ってくれたことに対してのお礼を伝えることです。相手との関係性に合わせた表現を用いて気持ちを伝えましょう。

上司や取引先などビジネスでの返し方

上司や取引先など、ビジネスシーンで「お大事に」と言われた場合には、「お気遣いありがとうございます」「お心遣いありがとうございます」のような、より丁寧な表現が適しています。

また、仕事に何らかの支障を生じる場合には、「ご迷惑をおかけします」などのお詫びを意味する言葉も添えるとより良い印象となるでしょう。

「お大事に」を外国語で表現すると?

「お大事に」は英語で「take care」

英語で「お大事に」は「take care」が最も一般的ですが、その他、ゆっくり身体を労わって下さいという意味では「look after your self」も良いでしょう。頭に「Please」を付けると、より丁寧な表現になります。

「お大事に」は中国語で「请多多保重」

中国語で体調が悪い人を気遣う時に使う表現は「请多多保重(チン ドゥオードゥオー バオジョン)」です。

「お大事に」は韓国語で「몸조리 잘 하세요」

韓国語で「お大事に」は「몸조리 잘 하세요(モムジョリチャルセヨ)」です。病気や怪我で療養中や身体の弱い人、また出産後で身体が疲れている人への気遣いの言葉として使われています。

まとめ

「お大事に」は気やケガをした人へ気遣いの気持ちを伝える時に便利な言葉です。目上の人に使う時は「お大事に」という省略表現より「お大事になさってください」「どうぞご自愛くださいませ」などの文章が完結した敬語表現を使うようにしましょう。