「念のため」のビジネスシーンやメールでの適切な使い方

「念のため」という言葉の意味をしっかりと理解して使用しているという人は少ないのではないでしょうか。「念のため」という言葉は、曖昧表現と呼ばれており、ビジネスマナーのうえでも大切な言葉のひとつになっています。そこで今回は、「念のため」の正しい意味や適切な使い方などについて、詳しくご紹介いたします。



念のための意味

「念のために」は曖昧表現

よく言葉の前に「念のために」などという言葉をつけることが多いかと思いますが、この「念のため」は、ビジネスシーンの中では曖昧表現にあたります。

そもそも、曖昧表現とは「一応~してみます」や「多分~したほうがいいでしょう」など、普段から使う言葉のひとつです。ただし、ビジネスシーンの中では「一応」や「多分」、「恐らく」などの稚拙な表現は好ましくないため、「念のため」という言葉が多用されています。

「念のため」の類語

本来「念のため」という言葉には「万一のため」や「万が一に備えて」などの「念を押す」という意味合いがあります。そのため、通常であれば、「万一のため」や「万が一に備えて」などが「念のため」の類語になります。

しかし、ビジネスシーンで「念のため」を使用する場合の多くは、「一応」や「多分」、「恐らく」などの曖昧な表現の代わりに使用されることが多いため、「念を押す」という意味で使用していないことも多くあります。

「為念」(ねんのため/ためねん)の意味

「為念」は「念の為」を漢語的に表記した言葉です。意味は「念のため」と同じように「万一のため」や「万が一に備えて」となります。

一見「為念」と書くと、若い人の言葉やインターネット上で使われるスラングのようなイメージを持ってしまいますが、実際は戦前より使用例があり、漢文などの古い文章でも使われている言葉になります。しかし、そのイメージ上、やはり略語と勘違いされることも多いため、ビジネスシーンで使用するのは避けたほうがよいでしょう。

念のための使い方

「一応」などを「念のために」に言い換える

前述でも少し触れましたが、ビジネスシーンで「念のため」を使用する場合、そのほとんどは「一応」などの曖昧な表現の代わりに使用することが多くなっています。

もともと「一応」という言葉を文章の頭につけることは、文法上問題はありません。しかし、ビジネスシーンではどうしても友達感覚やフランクなイメージの言葉のため、失礼だと感じてしまう人のほうが多いのも事実です。

また「多分」や「恐らく」などの、曖昧すぎる表現もビジネスシーンでは好まれません。そのため、「一応」や「多分」、「恐らく」を使いたい場合は、「念のため」に置き換えて使うのが無難だと言えます。

「念のため」を敬語表現で使うには

「念のため」という言葉は敬語表現にはあたらないため、上司や取引先などの目上の人に使う場合は、「念のため」に続く言葉で敬語表現をおこなう必要があります。

例えば、「念のため伝えます」という言葉であれば、「念のためお伝えいたします」などのように、「念のため」に続く言葉に敬語表現を使うのが正しい使い方です。

「念のため」を使った例文

「念のため」を使った例文には、以下のようなものがあります。

  • 連絡先を念のため教えてください。
  • 本当にこれでよいのか念のため確認させてください。
  • 今回の件の資料を念のため再送します
  • 念のための確認ですが、○○でよろしいでしょうか。
  • さきほどの件ですが、念のためご報告いたします。

念のためを使用するときの注意点

曖昧表現以外の意味もある

ビジネスシーンの中で、「念のため」という言葉は、「一応」や「多分」、「恐らく」などの曖昧表現として使われることが多くありますが、当然ながら「万一のため」や「万が一に備えて」などの「念を押す」という通常の意味で使われることもあります。

例えば「念のため確認しておいてください」と言われた場合、「一応確認しておいてください」と捉えると軽いイメージがありますが、「万一のため確認しておいてください」と捉えると確認しなければならないというイメージがあります。

そのため、もともと曖昧表現自体が「一応」などのあまり意味のない言葉になるため、どのような状況でもその後に続く言葉を重要と捉えて行動することが大事なことだと言えるのです。 つまりは「一応」と捉えても「万一のため」と捉えても、確認をおこたってはいけないということです。

まとめ

「一応」や「多分」、「恐らく」などの曖昧な表現は、普段からよく使う言葉のひとつだと思います。そのため、ビジネスシーンの中でもなにも考えずに「一応」という言葉を使ってしまっている人も少なくはないでしょう。

曖昧表現はもともとあまり意識して使う言葉ではありません。そういった方は、これからそのような曖昧表現を使う場合は、「念のため」に言い換えるということを意識してみるといいかもしれません。