「スクランブル」と聞いて一般的に頭に思い浮かぶ言葉は「スクランブルエッグ」ではないでしょうか?しかし、「スクランブル」には「空の安全」や「放送」に関する別の意味もあります。
ここでは「スクランブル」という言葉に注目し、それぞれの意味の解説と使い方を紹介しています。社会情勢やテクノロジー関連での「スクランブル」はどのようの登場するのでしょうか?これを機にマスターしてみて下さい。
「スクランブル」の意味や語源は?
早速、「スクランブル」の言葉の意味から見ていきましょう。
「スクランブル」の意味は「ごちゃごちゃ」「バタバタ」
「スクランブル」の意味は、「ごちゃごちゃ」「バタバタ」です。スクランブルエッグを作る工程を想像してみましょう。卵をフライパンの上でグルグルとごちゃ混ぜしながら作りませんか?このイメージが「スクランブル」です。
「スクランブル」の名詞の意味は「争奪」「混戦」
「スクランブル」は動詞の他に「名詞」としても使われています。名詞で使う時は「争奪」「混戦」などを意味し、多くの人がゴタゴタとものを奪い合う様子を指しています。
「スクランブル」のその他の意味
また、「スクランブル」は「アメフトでボールを持って走ること」や「スクランブル交差点」のことも指しています。渋谷にある「スクランブル交差点」は、今やワールドワイドで知られる日本の有名スポットであり、「スクランブル」と言えば「Shibuya intersection(渋谷交差点)」とイコールで結ばれるほどの認知度の高さです。スクランブル交差点も青信号と共に「バタバタ」と人が動き出すため、イメージ的にもつながるでしょう。
「スクランブル」の語源は英語の「scramble」
「スクランブル」は英語の「scramble」のことで、「キビキビとはって進む」「敏捷(びんしょう)に動く」「混乱して動く」などの意味を持ちます。
「スクランブル」の「軍事的」「技術的」な意味とは?
「スクランブル」は社会的、時事的に大切なことがらを意味する言葉でもあります。それぞれの意味を確認していきましょう。
「スクランブル」の意味①「緊急発進」
ニュースの報道や新聞で「スクランブル」という言葉を見聞きしたことはないでしょうか?「スクランブル」は軍事用語の一つで「戦闘機の緊急発進」を意味しています。「スクランブル」は国籍が確認できない航空機が国土領域に侵入した際、追撃を目的とする戦闘機が緊急で出撃することです。防空警戒管制組織による命令後5分以内に離陸することが約束され、主な目的は「領空侵犯」の阻止となります。
日本やアメリカをはじめとするNATO諸国では、空軍が常に「スクランブル」の態勢下であり、空の安全を守るとともに不明機の特定に余念がありません。また「スクランブル=緊急発進」を「スクランブルをかける」と表現することもあります。
「スクランブル」の意味②「電波信号の変調を行うこと」
「スクランブル」のもう一つの意味は「電波信号の変調」です。これは、音声や映像を伝える時に、無線通信を本来の交信相手ではない別の人物が受信するのを阻止するために、電波信号の変調を行うことを指しています。特定の装置を使い「電波をかく乱させる」ことが主な目的です。
「スクランブル」を使った時事英会話
最後に軍事用語の「スクランブル」に焦点を当て、国際的な場面での時事英会話の例を挙げてみます。
「会話をする相手の国籍」に気を付けて
「スクランブル」を軍事用語で使う時は、会話をする相手の国籍を確認しましょう。「スクランブル」に関する話題は世界情勢や国交に関する内容に触れることもあります。相手が不快と感じないように留意するようにすることが大切です。
「スクランブル」の時事英会話例
軍事での「スクランブル」を使った簡単な会話の例を挙げてみます。
- The fighter jets have been scrambled due to detected intruders.
侵入機を確認したため、戦闘機が緊急発進された。 - In order to intercept an unidentified airplane, our stealth fighter jet has been scrambled.
未確認の飛行機を追撃するために、ステルス機の緊急発進が命じられた。
まとめ
「スクランブル」の英語表記は「scramble」で、意味は「敏捷して動く」「混乱して動く」「ごちゃ混ぜにする」などになります。基本的な意味が「ごちゃごちゃ」「バタバタ」であることを頭に置きながら言葉の意味を考えると理解しやすいでしょう。
また、時事的な観点からは「正体不明の航空機が国土領域にまたがった際、緊急発信を行うこと」、そして技術的な観点からは「電波を伝送する時に傍受を目的に電波をかく乱すること」も同様に「スクランブル」と呼んでいます。時事的な話題を会話に盛り込めるように、視野の広いビジネスパーソンを目指していきましょう。