トラブルを防ぐために用意しておきたいのが「見積書」。取引先から「見積書をください」と言われる方も多いと思います。とはいえ、初めて作るときには何を書いたらよいのか迷ってしまいますよね。今回は見積書の書き方を紹介します。値引きする場合や消費税など、作成するときに迷いがちなポイントもまとめました。
見積書に記入する項目は?
宛先や金額など15項目を見積書に記入
見積書は、契約をする前にお互いの認識が一致していることを確認するために作成する書類です。以下の15項目をすべて網羅しておくと、お互いが安心できる見積書ができます。
- 宛先
相手の会社名を記載します。担当者がいる場合には、担当者の名前も記載しましょう。封筒に書く宛先と同じく、会社名や団体名には「御中」、名前には「様」をつけます。 - 発行日
発行した日付を記載します。発行日に、見積書に書かれている内容で提案をしたという証拠にもなりますので、確実に記載しましょう。 - 見積書番号
発行した見積書に番号を振ります。なくても問題はありませんが、同じ社内で複数の見積書を発行している場合には、管理のために番号をつけておいた方が安心です。 - 提出者の会社名・住所・連絡先
見積書を確認した後、担当者に確実に連絡できるように、連絡先を記載しましょう。見積書を発行している会社の名前と住所は、必ず記入します。担当者の名前や電話番号、メールアドレスなども記載しておくとよいでしょう。 - 提出者の会社印
なくても見積書は有効ですが、会社印を押して提出する会社が多いです。まれにですが、相手の会社に、会社印がないために作成しなおすように言われることもあります。 - 見積書の有効期限
見積書を発行して、かなりの期間が経過してから申込みがあると、トラブルに発展することもあります。見積書には有効期限を記載しましょう。 - 見積金額
大きな文字で、最終的に請求する金額を記載します。一般的には、宛先と有効期限の次に記載します。 - 商品名・数量・単価・金額・小計
見積金額の下には、見積金額の詳細を記入します。一般的には表になっており、一番左が商品名、左から2番目に数量、左から3番目に商品ごとの単価を記入し、一番右が商品ごとの合計金額です。商品が複数ある場合には、数行記入し、下に金額の小計を書きます。 - 消費税など
消費税がかかる場合には、消費税を記載します。小計に消費税率をかけて計算した金額を記載しましょう。小計の下に消費税という項目で記載します。まれにですが、消費税以外にも、引く金額がある場合には、記載しましょう。例えば、一定の業種の個人事業主の方は、源泉徴収がありますので、源泉徴収税額を記載します。 - 合計金額
小計と消費税を記載した下に、請求する合計金額を書きます。小計と消費税を合計した金額で、上に記載した見積金額と同じ金額です。 - 備考
お互いの認識違いをなくすために、追加で記載するべき項目があれば、記入しましょう。商品の納期や納品先などを記入することが多いです。また、支払期限や支払方法を記載することもあります。
見積書の支払条件の書き方は?
支払条件とは、受注側の求める支払い方の条件
支払条件とは、見積書を作っている受注側が求める、支払い方の条件です。例えば、何かを作成する仕事を受注する場合、材料を購入する前にお金を支払ってもらう必要があるのか、出来上がったものを納品した後に支払ってもよいのか、などです。
見積書の支払条件は、期限と方法がポイント
見積書の支払条件は、多くの場合、支払い期限と、支払う方法です。期限とは、何月何日までに支払うのかの日付、方法とは、銀行振込や現金手渡しなどの引き渡し方法のことを言います。
銀行振込の場合は、手数料をどちらが負担するのかを記載することも多いです。一般的には振り込む側が手数料を負担します。
消費税の書き方は?
消費税は別途記載したほうがよい
見積書の消費税は、別途記載するのが一般的です。記載しないと、誤解が生じてトラブルになることもありますので注意しましょう。見積書の書き方でも紹介しましたが、税抜き金額である「小計」と、「消費税額」と、最終的に請求する予定の「合計金額」の3つの金額を記載しておくと安心です。
見積書は、法的には消費税を記入する義務はありません。消費税を書いていないこともまれにありますが、一般的ではないため、不審に思われたり、思わぬトラブルに発展することもありますので、できれば記載しておきましょう。
値引きする場合の書き方は?
値引きする項目はわかりやすく
値引きの書き方に決まりはありませんが、トラブルを防止するためにも、わかりやすく記載しましょう。商品名の欄に、「値引き」や「5%割引」など、シンプルに記載することが多いです。
値引きした金額には三角やマイナスをつける
値引きした金額には、三角やマイナスをつけることが一般的です。決まりはなく、三角も黒塗りになっていたり、なっていなかったり、さまざまです。相手に伝わりやすいように記載しましょう。
見積書の有効期限の書き方は?
有効期限の書き方は日付で記載することが多い
見積書の有効期限の書き方は、一般的には日付で書かれていることが多いです。後のトラブル防止のためにも、有効期限は忘れずに記載しましょう。有効期限は、「2018年10月12日」などの日付を書く場合と、「発行日から3ヶ月以内」などの期間を書く場合があります。
有効期限は2週間から半年程度
有効期限に決まりはありませんが、一般的には見積書を発行した日から、2週間から半年程度です。突然申し込まれても困らない時期を設定しておきましょう。
見積書を渡すときの注意点
見積書を郵送するときは封筒に記載すると親切
見積書を郵送するときには、封筒に「見積書在中」と記載しておくと親切です。書き方や文字の色に決まりはありませんが、一般的には、封筒の表面左下に、青字で記載します。スタンプも市販されているので、使うのもよいでしょう。
メールに見積書を添付するときはpdf
見積書をメールで添付することもあります。見積書はEXCELなどの表計算ソフトで作られていることが多いですが、受け取った側で内容を変更できないようにpdfで添付しましょう。悪意がなくても、間違って削除してしまうこともあります。
データで送付するときには、会社印は省略されることも多いです。会社印がなくても、法的に有効な見積書ですので、大切に扱い、保存しておきましょう。
まとめ
見積書は、お互いの認識が一致していることを確認するための書類です。確認する書類がわかりにくければ、思わぬトラブルになることもありますので、丁寧に記載しましょう。見積書には金額だけでなく、消費税額や有効期限など、15項目が記載されていることが多いです。法律で定められてはいませんが、まずは15項目を網羅した見積書を作成してみましょう。