「360度評価」とは?特徴をはじめメリット・デメリットも解説

企業における社員への評価手段は年々変わりつつあります。以前は年齢や勤続年数などを評価の基準としていましたが、近年では絶対評価やコンピテンシー評価などを積極的に取り入れたり、成果主義の風潮が感じられる時代となりました。

ここでは新しい「人事評価方法」として注目される「360度評価」について解説していきます。新しい時代、新しい人材、新しい未来に向けて「360度評価」の採用の検討をしてみませんか?



「360度評価」とは?

日本において「360度評価」の導入企業はまだまだ少ないと言えますが、今後注目すべき新しい人事評価制度でもあります。上司の他、同僚や部下、取引先の担当者などに評価されることで適度な緊張感が生まれ、総体的にも「業務の改善」や「やる気」につながることが期待されます。

「360度評価」は従来とは異なる「多面評価」

「360度評価」は言葉からイメージできるように、多方面から評価のアプローチをする従来とは異なる人事評価方法です。具体的には、評価する人物が上司やリーダーだけではなく、一緒に働く仲間、同僚、部下、そして企業によっては仕事関係者である取引先の担当者やクライアントなどになります。

今までの人事評価のスタイルは直属の上司であることがほとんどでしたが、「360度評価」では、後輩や取引先など「多面的な視野」を用いて評価を行うのが特徴です。

「360度評価」の導入企業は大手企業が多い

アメリカの企業では「360度評価」の採用が積極的で、国内の売上規模における上位1000社中、9割の企業が導入をしていると報告されています。一方、日本国内では大企業や成長企業において「360度評価」を採用している傾向がありますが、アメリカに比べて割合は圧倒的に低いと言われています。

360度評価の特徴

「360度評価」では事前に自己評価も行う

「360度評価」のもう一つの特徴は、評価を上司やリーダーに投げっぱなしではなく、評価をもらう前に「自己評価」を行う点でしょう。評価される対象者が自ら自己の業務成果や行動記録、職務における進捗状況などを「自己評価」し、それから上司や職場の仲間、仕事先の関係者や取引先の担当者に評価を依頼するのが通常の流れです。

また、自分の行動が計画に沿って実行できたかどうか、成果は期待通り達成できたかどうか、などの「自己評価」をすることで、改めて「振り返り(refection=リフレクション)」をすることもできます。「360度評価」では、業務の効率化を目指した企業取り組みと併せて実践することとにより、より高い相互効果が期待できるのです。

「360度評価」の3つのメリットとは?

「360度評価」のメリット① 評価の公平性

「360度評価」の第一のメリットは、評価をする人物が直属の上司の他に同僚や部下、また取引先の担当者となるため、「評価が客観的に行われる」ことが期待できます。これは多角的な視線と見方を取り入れることで、総合的に「評価の公平性」が保てるということです。

「360度評価」のメリット② 新たな能力の発見

「360度評価」のもう一つのメリットは、多面的に評価を受けることで、今まで上司でも気付かなかった能力やスキル、評価者の隠れた性格や行動パターンを発見することができる点です。評価者の新しい能力を見つけることで、職場で活躍できるフィールドやチャンスを広げることが期待できます。

「360度評価」のメリット③ チームワークへの意識の向上

「360度評価」では上司のみならず、同僚や部下からも評価をしてもらうため、評価のステップを通してお互いの理解を深めることもできるでしょう。今まで知り得なかった同僚や仲間を意識的に観察するようになることで、チームワークへの意識の向上が期待できます。

「360度評価」の3つのデメリットとは?

「360度評価」のデメリット① 主観が働く可能性がある

「360度評価」では評価の客観性が高まる一方で、評価者への「個人的感情」が先行し、主観が働いてしまうことがあります。つまり評価者への「好き嫌い」が評価の中心となってしまうということです。

「360度評価」のデメリット② 社員間における談合が発生する

「360度評価」で気を付けなければならないのは、同僚や仕事仲間への評価について「お互い良い評価を与え合おうではないか」と「談合」が発生する可能性があるということです。

「360度評価」のデメリット③ 上司が部下に厳しくできなくなる

「360度評価」では、部下が上司を評価することもあるため、悪評価を恐れて部下に厳しくできなくなったり、無駄な気遣いをしてしまうことがあります。部下から良い評価をもらおうと、余計に優しくしたり、ミスを見逃したりするのは「360度評価」においても本意ではありません。

まとめ

日本の人事評価制度は今転換期を迎えています。年功序列であった時代は薄れつつあり、従業員の能力を判断する基準も変わってきています。「360度評価」では「談合」や「主観が働く」などのデメリットもありますが、何より「客観性の高める」「チームワークへの意識の向上させる」などのメリットの方が大きいと言えます。適切な人事評価制度を模索している企業は、「360度評価」を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。