「YoY」の意味とは?適切な用い方と関連用語を解説

一見すると絵文字のように見える「YoY」、実は「財務用語」のひとつです。企業や組織で予算や会計に関する業務に携わっている人は聞きなれた言葉かもしれませんが、どのような目的で使われているのか、掴みづらい言葉でもあります。

ここでは「YoY」について、言葉の意味と複数ある別表記の例、また企業で使われる理由やMoM、QoQなどの関連語の意味ついても触れています。これを機会に財務用語の理解を深めてみましょう。

「YoY」は意味と読み方は?

最初に「YoY」の意味を説明しながら、複数ある「YoY」の別表記と略語の中身を紹介します。

「YoY」とは「前年比」のこと

「YoY」とは「year over year」の頭文字をとった言葉で、基本的な意味は「前年比」です。場合によっては、その年の一定期間を設け前年度と比較することがあるため、「前年度比」「前年同月比」「前年同期比」にも使用することがあります。ちなみに読み方は「ワイ・オー・ワイ」です。

「YoY」には複数の表記方法がある

「YoY」という略語表記の他、小文字のみで「yoy」、大文字のみで「YOY」、ダッシュを使った「y-o-y」「Y-O-Y」、また「over」を省略して「y/y」「Y/Y」「yr/yr」と表示することがあります。

「YoY」を用いる企業の目的とは?

続いて「YoY」を用いる目的や理由について見てみます。経営者や企業の運営側が知りたい点はこんなところにありました。

季節性や特別月による影響を除いて対比できる

「YoY」を使うのは、売り上げや収益などにおいて「前年の動きやおよその傾向」をつかむためです。おおむね安定したデータを得るために、四半期と呼ばれる「3か月」ごとに区切り、前年度と比較をする場合がほとんどでしょう。

企業や業種にもよりますが、扱う商品やサービスには「季節性」が伴う場合が多いです。しかし、「YoY」を用いて四半期の3か月ごとのデータを参照すれば、季節調整を加えなくても変動の影響は少ないと考えられます。つまり、前年度の対比からはじき出される数字にあまり支障が出ないということになります。

長期的な視点で経営指針を立てることも

「YoY」を用いて前年比をすることで、近未来における経営サイドにおける「企業指針」を立てることもできるでしょう。その年のデータを前年度と比較することで、どの部分が影響を強く受け改善が必要なのかなどが見えてくるため、経営や財務においても長期的な視点で運営を見通すことが可能となります。

「YoY」と併せて覚えたい5つの関連用語

「YoY」の他、決算や財務に関する言葉はいくつかあります。「Ytd」「MoM」「Mtd」また「QoQ」「Qtd」について説明しましょう。

Ytd

「Ytd」は「year to date」を省略した言葉で、年の初め1月1日から、その年における「ある時点までのデータ」のことです。たとえば、8月なら1月1日から8月末までの総合累計が「Ytd」となります。

MoM

「MoM」は「month over month」のことで前月比を意味する言葉です。「MoM」も「YoY」同様に、「mom」「MOM」「M-O-M」また「M/M」「m/m」と略すこともあります。場合によっては「month on month」や「month to month」という英語表現を用いることがあり、「前月比」と同じように使われます。

「MoM」を用いる目的は、月ごとの業績や売上の傾向を一か月というショート・タームで把握することができる点です。

Mtd

「Mtd」は「month to date」の頭文字をとった言葉で、意味は「月初来」「その月の始めから、同月における、ある時点まで」となります。

QoQ

「QoQ」は「quarter over quarter」のことで、「全四半期比」を意味しています。「qoq」「QOQ」また「q-o-q」「Q-O-Q」と示すこともあります。四半期とはその年の「1月から3月」を第一四半期と呼び「1 quarter」、同じく「4月から6月」、「7月から9月」そして、最終「10月から12月」を、それぞれ「第2四半期」「第3四半期」「第4四半期」と呼んでいます。

Qtd

「Qtd」は「quarter to date」のことで、「四半期初来」つまり、「ある四半期においてその初めから、ある時点まで」を意味しています。たとえば「第3四半期のスタートである7月1日からの9月10日まで」というようにです。

まとめ

「YoY」は「year over year」の頭文字をとったもので、「前年比」を意味する財務用語の一つです。「YoY」は決算などにおいて「順調なのかどうか」を判断する基準として用いられ、季節性を除いたその年のデータと対比するために便利な手段です。

「YoY」では大きな傾向を把握し、「MoM」では短期的な変動をつかむことができます。経営陣がどのようなデータ分析を必要としているのか、目的によって選ぶようにしましょう。