「お祈り申し上げます」の意味とは?ビジネスでの使い方や類語も

メールや手紙の文末に「お祈り申し上げます」というフレーズをよく見かけます。でも「お祈り」なんて、親しい相手に使うには少し大げさすぎるのではないかと思ったことはありませんか。

そこで今回は「お祈り申し上げます」の意味と適切な使い方について解説します。またビジネスシーンでの使い方についても紹介します。

「お祈り申し上げます」とは?

「お祈り申し上げます」の意味は相手の健康や成功などを願う

「お祈り申し上げます」の意味は、「相手の健康や幸福、成功や発展を願うための慣用表現」です。

「お~申し上げます」という表現は謙譲語と丁寧語の組み合わせであることから、目上の人に使うことができます。謙譲表現なので親しい相手には大げさに聞こえるかもしれませんが、慣用表現のため親しい相手にも使われます。

例文:
「○○様のご健勝をお祈り申し上げます」

故人にも使われる「お祈り申し上げます」

相手がなくなられたときにも「お祈り申し上げます」が使われ、その場合の意味は「故人の死後の幸福を願う」という意味です。

例文:
(故人に対して)「ご冥福をお祈り申し上げます」

ただし「お祈り申し上げます」は故人に対して使われるフレーズで、故人の遺族に対しては「ご愁傷様です」や「お悔やみ申し上げます」などが一般的なあいさつです。

結びの文として活用

「お祈り申し上げます」の一般的な使い方は、手紙やメールの結びの文での常套句としての使い方で、例文は次のようになります。

  • 「末筆ながら、○○様のご多幸を心よりお祈り申し上げます」
  • 「益々寒さも厳しくなってくるこの季節、皆さんのご健康をお祈り申し上げます」
  • 「最後に、お体には十分ご留意くださいますようお祈り申し上げます」

災害時での「お祈り申し上げます」の使い方

災害時などお見舞いのメールや電報にも「お祈り申し上げます」が使われます。災害による苦難の中、または苦難を乗り越えられた方に送る励ましのメッセージに、従来の日常生活が戻ってくることを願うときに「お祈り申し上げます」が使われます。

例文:
「この度の地震の影響で大変な被害に遭われたと聞いております。一日でも早く皆さんが平穏な生活が取り戻せるように心からお祈り申し上げます」

「お祈り申し上げます」のビジネスでの使い方

メールや手紙で結びの文として重宝される

ビジネスでは先方の成功や活躍、発展などを願うときに「お祈り申し上げます」が使われます。メールや手紙の結びの文としてもよく使われるフレーズです。

例文:
「貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます」
「大変お忙しいかと存じますが、新事業の成功をお祈り申し上げます」
「今後益々の御社のご繁栄と皆様のご健勝をお祈り申し上げます」

就活で使われる「お祈り申し上げます」

就活では不採用通知の結びの文として「お祈り申し上げます」がよく使われます。この度は自社では採用されないが、今後就職先を見つけられるように願っているという意味で使われます。

不採用通知に対する返信は、する必要はありません。

ただし該当する面接で特にお世話になった人がいたり、最終面接で不採用が決定した場合ならば、相手に感謝を示しつつ今後の抱負などをまとめて返信することができます。

例文:
「この度は大変お世話になりました。残念な結果になりましたが、励ましの言葉をいただきありがとうございました。○○様におかれましても今後のご活躍をお祈り申し上げます」

「お祈り申し上げます」の言い換え表現

「お祈り申し上げます」の類語「祈念」

「お祈り申し上げます」の類語には「祈念」を使った表現があります。「祈念」の意味は「祈り念じる」で、「祈念」を使ったフレーズは「お祈り申し上げます」よりも改まった印象があります。

目上の人はもちろんのこと、相手の会社などに対して公的な手紙やメールにも使えます。

例文:
「一層のご活躍を祈念いたします」
「今後のご成功を祈念するとともに、益々のご発展をお祈り申し上げます」

「お祈り申し上げます」の返信の仕方とは?

「お祈り申し上げます」に対しての返信は感謝の気持ちを述べる

「お祈り申し上げます」というメッセージをもらったら、それに対しての返信は相手への感謝の気持ちを述べることです。その返信には、相手の幸福や健康を願うメッセージを書き添えるのがいいでしょう。

例文:
「お忙しい中、お気遣いの言葉をくださって、大変うれしく思います。○○様も健康にはくれぐれもご留意ください」
「お心遣い大変感謝いたします。○○様におかれましても、益々のご健勝をお祈り申し上げます」

「ご冥福をお祈り申し上げます」の返信で避けるべき表現

故人に対して「ご冥福をお祈り申し上げます」と言われた場合には、その遺族は相手への感謝の気持ちを伝えるべきですが、「ありがとうございます」は避けるべきです。このような場の適当な返信は次のような表現です。

  • 「恐れ入ります」
  • 「恐縮です」
  • 「お心遣いありがとうございます」
  • 「ご丁寧にありがとうございます」

「お祈り申し上げます」の英語表現

英語では動詞の「wish」を使う

相手の健康や発展、成功を祈るならば動詞「wish」を使うのがいいでしょう。相手の希望や願いが叶えられることを望むという気持ちが表れます。

例文は次のようになります。

  • “I wish you all the best.”
    「ご健勝をお祈り申し上げます」
  • “I wish for your success and good luck in your business.”
    「ビジネスにおいて成功と幸運をお祈り申し上げます」
  • “I wish that you would have a good start in the new project.”
    「新事業にていいスタートが切れるようお願い申し上げます」

まとめ

結びの文句としてよく使われる「お祈り申し上げます」は、一般的にもビジネスでも活用される慣用表現です。相手に不幸があったときにも使われますが、相手の幸福や健康を祈るときに親しい間柄でも使える表現です。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。