「初めて」「始めて」の違いは?意味や使い分けについても解説

「初めて」と「始めて」は同音異義の言葉の中でも迷いやすい言葉です。今回は「初めて」と「始めて」を間違えずに使うための、違いや使い方について解説します。「はじめて」と口頭で使う時のコツについてもご紹介します。一度自分の中で理解してしまえば簡単に使い分けることができますので、ぜひ参考にしてみてください。

「初めて」と「始めて」の意味と違い

「初めて」の意味は「First」

「初めて」という言葉はその物事に対して、自分が最初に体験・経験するときに使います。英語で言えば「ファースト」です。「初めての旅行」「初めての就職」「初めて○○を食べた」などと使います。

「始めて」の意味は「Start」

「始めて」という言葉はその事柄が「これから始まる」という状況について使います。英語で言えば「スタート」です。「会議を始めてもいいですか」「彼はもう仕事を始めています」などと使います。

「初めて」と「始めて」の使い分け

「初めて」は「経験」に使う副詞

「初めて」という言葉の役割は副詞です。副詞とは物事がどんな状態であるのかを説明する言葉のことを指します。たとえば「のんびりとした休日」の「のんびり」、「すぐに行く」の「すぐ」などです。「初めて」は自分または他人の経験について説明をする副詞と考えましょう。

「旅行に行く」をどんな状態か説明するために「初めての旅行に行く」としたり、「○○を食べた」を「初めて○○を食べた」としたりすることで、その経験が当人にとってどんな経験なのかを説明することができます。

また「こうなって”はじめて”お金のありがたみがわかった」など、自分の気持ちの変化に気がついたときに使う「はじめて」は「初めて」と書きます。自分の気持ちの中にあったその気持ちに気がつく、という経験は基本的には一回ずつです。そのため「初」という文字を使います。

「始めて」は「事柄」に使う動詞

一方「始めて」が持つ言葉の役割は動詞です。「食べる」「飲む」「行く」「戻る」などと同じように、自分や他人が実際にどう動いているのかを説明するのが動詞です。「始めて」は「始める」「始まる」などと変化しながら、その人がその事柄についてどう動いているのか表すことができます。

「食べ始める」「飲み始める」「戻り始める」など、何かしらの動詞を説明する動詞として、何かを開始した様子を説明するのが「始めて」です。

「初めて」の使い方

「初める」「初まる」とは書かない

「初めて」という言葉は「初」という文字に合う状況でしか使われません。「書き初め(かきぞめ)」「初出社」など、一定の期間内では初、または一生の中で1度きりの瞬間について使います。そのため「初」のあとに「める」「まる」などの「初」を説明する言葉は続きません。

「初める」は「そめる」と読んで、何かを初めて経験する様子を表すことはありますが「はじめて」という言葉や意味とは違います。

アクセントは「はじ」にある

口頭で「はじめて」という言葉を「初めて」という意味で使う場合はアクセントに注意しましょう。「初めて」のアクセントは「はじ」にあります。地域によっての方言やイントネーション等の違いはありますが、標準表現では「”はじ”めて」と発音します。

「始めて」の使い方

「○○が始まる・○○を始める」と使う

「始めて」という言葉は、物事がこれから開始される状況で使います。これまで何度も行われていることでも、何かの第一回目であったとしても「これからそれをやる」という状況では「始め」が使われます。そのため「始めて」は「始める」「始まる」などさまざまに変化をします。

「ダイエットを始める」「映画が始まる」「すでに会議を始めています」など、状況に合わせて使うことができます。

アクセントは「めて」にある

口頭で使われる「始めて」は「初めて」とはイントネーションに違いがあります。「始めて」の意味で使われる場合は「はじめて」の「めて」の方にアクセントを置きます。これは「始める」「始まる」と変化しても同じです。「はじ”める”」「はじ”まる”」と後半にアクセントを置くことで口頭でも意味が伝わりやすくなります。

「初めて」と「始めて」の例文

  • 「初めての海外旅行で緊張する」
  • 「一人暮らしは初めてです」
  • 「初めての仕事はわからないことだらけでした」
  • 「習い事を始めて毎日が楽しくなりました」
  • 「これから始める話は誰にも言わないでください」
  • 「彼女が始めた仕事は大変繁盛している」
  • 「体を悪くして、初めて健康の重要性に気がついた」
  • 「親のありがたみが初めて分かった気がする」

まとめ

「初めて」と「始めて」は文章にしようとすると迷いがちですが、口に出してみると何となく違いがわかるものです。それが自分や他人にとっての「ファースト」なのか「スタート」なのかと考えると「初めて」と「始めて」の違いが見えてきます。深く考えすぎずにどんな「はじめて」を伝えたいのかを考えてみましょう。